米国債:反落、失業保険申請が5年ぶり低水準

米国債相場は反落。10年債利回りは ほぼ3週間ぶりの低水準から上昇した。新規失業保険申請件数が5年ぶ りの水準に減少したことから、売り優勢となった。10年物インフレ連動 債(TIPS)入札の最高落札利回りはマイナスだった。

10年物TIPS(発行額150億ドル)の最高落札利回りはマイナ ス0.63%。米金融当局による景気刺激を背景にインフレ懸念が高まるな か、10年物TIPSの最高落札利回りがマイナス金利となったのは2012 年1月以降、これで7度目。米連邦準備制度理事会(FRB)の純資産 は今週3兆ドルを初めて突破した。先週の米新規失業保険申請件数 は2008年1月以来の最低となった。これを受けて米国債は朝方の取り引 きから軟調に推移した。

FTNファイナンシャルの機関債調査責任者、ジム・ボーゲル氏は 「TIPSを買いたいという意欲の表れだ」と指摘。「マイナス利回り は、インフレが今の期待を上回れば名目プラスの利回りに化ける」と説 明した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.85%。一時は1.87%まで上げた。同年債(表面利 率1.625%、2022年11月償還)価格は7/32下げて97 31/32。

FRBのバランスシート

FRBの総資産が今週3兆ドルを初めて突破した。FRBは米失業 率の押し下げのため、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)のオープ ンエンドの購入を続けている。FRBによると、23日時点の総資産は前 週比480億ドル増加して3兆100億ドルに達した。

この日の入札で、海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占 める比率は53.3%。前回入札の48.3%を上回った。過去10回の入札の平 均は42.3%。

キャボット・マネー・マネジメント(マサチューセッツ州セーラ ム)の債券担当マネーマネジャー、ウィリアム・ラーキン氏は「保険と しての需要は高い。高額を払っても保険を求めていることが分かる」と 指摘。「大量の米ドルを保有する外国中央銀行にとって、TIPSはこ れまで以上に理にかなう投資先だ。これでインフレに対する一定の保険 は得られる」と説明した。

TIPS入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率が2.71倍。 前回入札の2.52倍を上回った。2012年5月の3.01倍以来の最高となっ た。プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)による入札 は35.4%。前回の41.3%を下回った。直接入札者の比率は11.3%だっ た。

季節調整の難しさ

既発10年物TIPSの利回りはこの日、1bp下げてマイナ ス0.77%。入札での最高落札利回りがこれまで最低だったのは9月20日 のマイナス0.75%。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から5000件減少して33万件。これは景気後退に入っていた2008 年の同じ週以来の低水準。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想の中央値は35万5000件への増加だった。

年初特有の変動に対する季節調整の難しさが反映された。労働省の 報道官は統計発表時に、今年の数値変動は過去に見られたパターンと同 様だと説明した。

トレーダーのインフレ見通しの指標となる通常の10年物固定利付債 と10年物TIPSの利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.53ポイ ント。昨年9月13日に連邦公開市場委員会(FOMC)がMBSの購入 拡大を発表して以来の平均は2.48%。それ以前の6カ月間の平均 は2.22%。過去10年の平均は2.19%。

原題:Treasuries Drop as U.S. Jobless Claims Decline to Five-Year Low(抜粋)

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