【クレジット市場】ソニーCBが急騰、起債額V字回復も-株高を好感

ソニーの転換社債(CB)は起債か ら10週間で27%上昇した。昨年は全体の発行額が7年ぶりの低水準にと どまったCBがにわかに投資家の関心を集めている。

野村ホールディングスのデータによると、同社のゼロクーポンCB (1500億円)は発行条件が決まった昨年11月14日の101.6円から、128.8 円に上昇した。同期間の日本企業のCBの上昇率8.7%の3倍強の上げ 幅となり、世界の企業全体では6.5%だった(いずれもUBS調べ)。 ブルームバーグの集計データによると、昨年の日本のCB発行額は前年 比15%減の2800億円で、2005年以来の低水準にとどまった。

安倍晋三首相がデフレ脱却に向けて大胆な金融政策を日銀に求める 方針を打ち出したのを受けて、TOPIXは週間ベースで10週連続で上 げ、1986年以来、最長の上昇記録となった。株高につれて、ソニーの CBも値を上げている。バークレイズによると、今年、償還を迎える CBは最大で140億ドル(約1兆2300億円)に上る見通しで、その分、 発行余地が生まれることになる。

バークレイズのアジア太平洋地域担当のCB責任者、ニック・スミ ス氏は「ソニーに見られるように、家電メーカーはCB市場で大いに受 け入れられる可能性がある」と指摘。「株高でCBの起債環境が良くな っているので、今年は起債額が増えると期待している」と述べた。

認識の変化

安倍氏が講演で、日銀に対し無制限の金融緩和を求めた前日の昨 年11月14日から、これまでにTOPIXは22%上昇。ソニー株は同じ期 間に32%高の1146円となった。

ソニーのゼロクーポンCBは転換価格が1株当り957円と、発行条 件が決まった昨年11月14日の終値(870円)を10%上回る水準に設定さ れている。

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式運用部の村上典之フ ァンドマネージャーは、「ソニーのCBは今、非常に成功しており、そ ういうのを見ると投資家の間でCBもいいかという見方も増えるだろ う」との見方を示した。また発行サイドについても、「市場が好調にな れば、ソニーやABCマートのように資金調達の一つとしてCBを選択 する企業も増えてくるだろう」と指摘した。

ソニー広報担当のジョージ・ボイド氏はコメントを控えた。

政権交代の影響

円安に拍車が掛かっているのは、安倍首相が日銀に対し、2%のイ ンフレ目標設定など、大胆な金融政策を求めたのがきっかけ。これを受 けて、日銀は22日の金融政策決定会合で、2%の目標設定とともに、14 年から無制限の国債買い入れなど追加緩和を決めた。

村上氏は、「一番大きな背景は政権交代だ。今後、経済対策が打た れる可能性は高まっている。選挙が終わってかなり早く織り込んでいっ たが、まだまだ織り込み切れていない」と評価する。

日本のCB起債額は11年の16%減に続き、昨年は15%減となるな ど、過去2年間、落ち込み続けていた。また、ソニーは昨年7-9月期 に155億円の連結純損失を計上、7四半期連続赤字となった。

原題:Sony 29% Convertibles Jump Revives Market in Slump: Japan Credit(抜粋)

Editors: Pavel Alpeyev, 持田譲二,上野英治郎

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