米国債:続伸、下院は債務上限法案を可決-次の山場は3月

米国債相場は続伸。米下院は政府の 借り入れ権限を一時的に延長する法案を可決した。これで歳出の強制削 減と政府借入に関する決定が未解決問題として残った。

下院が285票対144票で可決した法案は、16兆4000億ドルの債務上限 を5月19日まで無効にするもの。可決を受けて10年債利回りは一時、下 げ幅を縮小した。法案は上院に送られる。民主党のリード上院院内総務 は無修正で通過させ、オバマ大統領に送付すると述べた。国際通貨基金 (IMF)が2013年の世界経済成長率見通しを引き下げたことから、米 国債は朝方の取引から堅調に推移していた。

BNYメロン(ニューヨーク)の資本市場部門で米国債トレーディ ングの責任者を務めるダン・マルホランド氏は、「債務上限の行方は米 国債市場にとって最も重要だ」と指摘。「債務上限と予算をめぐる合意 が成立すれば、1.7-2%のレンジを抜け出せるだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.82%。一時は1.81%まで下げた。同年債(表面利 率1.625%、2022年11月償還)価格は5/32上昇して98 7/32

30年債利回りは1bp下げて3.02%。

3月に2つの期限

債務上限に対する戦略を修正した共和党は、3月1日に始まる歳出 の強制削減と3月末に可決する必要がある政府の借り入れ法案の2つの 期限を材料に、オバマ政権と議会民主党から歳出削減を引き出す計画 だ。

この日可決された法案は、延長した3カ月間に実施した借り入れを 勘案し、5月19日の時点で自動的に債務上限を引き上げるもの。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の債券取 引部門シニア・バイス・プレジデント、マイケル・フランゼーズ氏は 「これで5月まで障害が無くなった」と語る。「米国債が国際的に注目 されることも無くなる。米国債にはプラスのようだ」と続けた。

世界の投資家は米国の財政状況が世界経済の最大のリスクだと判断 していることがブルームバーグの世論調査で明らかになった。

数週間以内に連邦債務が法定上限に達するとみられる中、回答者 の36%が世界経済への最大のリスクとして米財政問題を挙げた。欧州債 務危機としたのは29%、中国の景気減速は15%だった。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、米国債の リターンは今月に入り前日の時点で、0.3%のマイナス。世界のソブリ ン債をまとめた指数は0.2%のマイナス。

流れが反転

JPモルガン・チェースの調査によれば、米国債に対する投資家の 強気な見方は今週、2011年8月15日以来の水準に低下した。

前日までの1週間におけるネットショート(売り越し)の割合 は12%ポイントと、それまでの流れから反転。14日までの週は6%ポイ ントのネットロング(買い越し)だった。

IMFは23日に公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、今年 の世界経済の成長率をプラス3.5%と予想。昨年10月時点では3.6%を見 込んでいた。ユーロ圏の今年の成長率は10月時点のプラス0.2%からマ イナス0.2%に下方修正された。

米連邦住宅金融局(FHFA)が発表した昨年11月の住宅価格指数 (季節調整済み)は前月比で0.6%上昇した。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト予想の中央値は0.7%上昇だった。

原題:Treasuries Rise as House Vote Pushes Budget Fight to Another Day(抜粋)

--取材協力:David Goodman、Kenneth Pringle.

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