B787のバッテリー電圧、一時ゼロ近くに-運輸安全委が解析

全日本空輸のボーイング787が、 高松空港に緊急着陸したトラブルで損傷したバッテリーを検査している 運輸安全委員会は、飛行中に電圧が一時ゼロ近くに低下したことを明ら かにした。フライトレコーダー(飛行記録装置)のデータ解析で分かっ たもので、原因などを慎重に調査する方針。

運輸安全委の後藤昇弘委員長は23日午後に会見し、問題のメーンバ ッテリーが飛行中にほぼ満充電の状態を示す31ボルトの水準から「ゼロ 近くに低下する場面があった」と述べた。また「過剰電圧にはなってお らず、高い値は示していない」とも話した。

同委員会の首席航空事故調査官の工藤正博氏は補足の説明で、バッ テリーの電圧は、操縦室で異臭がし始めた16日午前8時26分ごろから急 激に下がったと説明した。「電圧を示す計器が31ボルトからゼロ近くま で上げ下げを繰り返した」という。工藤氏は「原因は不明だが、何かが 起きているのは事実」と語った。

国交省航空事業安全室長の高野滋氏らの説明によると、同委員会は 宇宙航空研究開発機構(JAXA)で行っているCTスキャンの終了 後、バッテリーを製造元のGSユアサに返却したうえで、調査官が京都 に向かい、24日から現地で分解作業に取り掛かる。また、補助動力装置 (APU)用のバッテリーのCTスキャン検査も依頼、JAXAが25日 に検査する。

調査には、米運輸安全委員会(NTSB)の担当者のほか、電気シ ステムの設計を担った仏タレス社のエンジニア2人も参加しているとい う。

立入検査は続行の公算

問題のリチウムイオン電池を製造したGSユアサに対し、日米当局 は21日から同社への立入検査を行っている。高野氏は「きのうの段階で は、わりと綿密に細かいところまで調査してきている」としたうえで、 「きょう残りの部分が終わるというのは、可能性としては低い」と述 べ、検査がまだ続く可能性があるとの見方を示した。

一方、日本航空のB787型機で燃料漏れが発生した問題では、弁 の開閉駆動装置に不具合があることが判明している。取り外した、バル ブアクチュエーターと呼ばれる部品を英国で調べる予定で、国交省は検 査チームを英国に派遣した。現地時間の23日朝から分解、検査を行う。

国交省の発表資料によると、日航の同型機をめぐっては、9日(現 地時間8日)の米ボストンに続き、13日にも成田空港で整備作業中に燃 料漏れが発生した。

--取材協力:. Editors: 室谷哲毅, 杉本 等

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