日本株、昨年11月来の3日続落に-日銀緩和失望の円高嫌気

東京株式相場は3日続落。日本銀行 の新たな金融緩和策決定後に為替が円高方向に振れていることを嫌気 し、自動車やゴム製品、電機など輸出関連株が安く、証券や保険など金 融株も売られた。海運株のほか、一部アナリストが業界判断を引き下げ たパルプ・紙株も業種別下落率の上位を占めた。

TOPIXは前日比13.36ポイント(1.5%)安の887.79で終了。日 経平均株価は222円94銭(2.1%)安の1万486円99銭と、昨年12月28日 以来の安値で終えた。3日続落は、TOPIXで昨年11月14日(5日続 落)、日経平均で同13日(7日続落)以来。11月14日に衆院解散の流れ が決まった以降では初めてだった。

アイエヌジー投信の王子田賢史インベストメント・マネジャーは、 「日銀会合の結果はマーケットで織り込み済みの内容だった」と指摘。 注目されていたイベントがひとまず通過し、「為替市場でショートポジ ションの積み上がっていた円が買い戻されると同時に、上昇基調を続け ていた日本株に手じまい売りが膨らんだ」と見ていた。国内企業の昨 年10-12月決算の発表本格化も控え、「業績関連の悪材料に対する警戒 感も影響している」と王子田氏は言う。

日銀は22日に開いた金融政策決定会合で、物価安定の目標として 2%の物価上昇率を設定。同時に、14年1月から毎月約13兆円相当の資 産を無期限で買い入れる方針を決めた。より積極的、早期の行動を期待 していた向きから失望の動きが出て、為替市場では円が上昇。日本時 間23日は1ドル=88円台前半、1ユーロ=117円台半ばまで円高が進ん だ。前日の東京株式市場終了時の円は対ドルで89円20銭付近、対ユーロ で119円付近だった。

日銀判断に厳しい声も、紙パに格下げの動き

脱デフレで政府との連携を決めた日銀判断に対しては、期待先行の 中でおおむね想定の範囲内、材料出尽くしと受け止める向きが多いが、 一部では厳しい声も聞かれた。ドイツ証券の不動産アナリスト、大谷洋 司氏は「日銀総裁白川氏の勝ち」とし、無制限金融緩和は来年から行 い、ことしは現行方式を維持するというものであったため、失望的な内 容と指摘。独立系調査会社の武者リサーチ代表、武者陵司氏は「ことし 中何も変わらない。1%の物価のめどすら達成がおぼつかない中での期 限を決めない2%のインフレ目標は『無』に等しい」と断じている。

円安一服による業績改善期待の後退から、東証1部業種指数では海 運、証券・商品先物取引、紙パ、保険、鉄鋼、水産・農林、ゴム、ガラ ス・土石製品、輸送用機器、電機などを中心に33業種全てが下落。紙パ には、野村証券が円安による輸入原燃料のコスト上昇を警戒し、業界判 断を中立に引き下げる材料があった。売買代金上位銘柄ではソニー、三 菱UFJフィナンシャル・グループ、野村ホールディングス、トヨタ自 動車、アイフル、ファーストリテイリング、日立製作所が安い。

半面、あおぞら銀行、ミヨシ油脂、アツギ、関西電力、任天堂、テ ィアック、三井松島産業が上昇。自社株買いと消却を前日発表した富士 ソフトは急伸した。東証1部の売買高は概算で33億7878万株、売買代金 は1兆7636億円と代金はことしに入り最も少ない。騰落銘柄数は下 落1218、上昇382。

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