米国債:10年債利回り、ほぼ1週ぶり高水準を下回る

米国債市場で10年債利回りは先週 付けたほぼ1週間ぶり高水準を下回った。12月の米中古住宅販売が予想 外に減少したことを受け、不動産市場の回復力に対する不安が高まっ た。

インフレ期待がほぼ3カ月ぶりの高水準に上昇したことを受け、10 年債利回りは朝方の取引では上昇していた。中古住宅販売統計が発表さ れ、利回りは下げに転じた。米財務省は今週、10年物インフレ連動債 (TIPS、150億ドル)の入札を予定している。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「住宅統計の数字は期待外れだっ た」と語る。「米経済について考え込んだり、心配したりする事が多く なった。国債が堅調なのはこのためだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比変わらずの1.842%。一時は 4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて1.88%を付けた。同 年債(表面利率1.625%、2022年11月償還)価格は98 2/32。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、米国債の リターンは今月に入り前日の時点で、0.4%のマイナス。世界のソブリ ン債をまとめた指数は0.2%のマイナス。

前月1%減少

全米不動産業者協会(NAR)が発表した12月の中古住宅販売件数 (季節調整済み、年換算、以下同じ)は、前月比1%減少の494万戸。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値 は510万戸だった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は中古住宅販売の減少につい て、「これまでの数字がまずまずだったことを思えば、ちょっとした変 化球と言えよう」と語る。「利回りは狭いレンジの上限にあった」と続 けた。

TIPS入札を24日に控え、利回りにはインフレ期待の上昇が表れ ている。

昨年11月21日の前回入札(発行額130億ドル)では、10年債物 TIPSの最高落札利回りはマイナス0.72%だった。これまでの過去最 低は9月入札でのマイナス0.75%。昨年1月から6回に行われた同入札 はすべてマイナス利回りだった。

投資家のインフレ期待を示唆する10年債利回りと同年限のTIPS の利回り差はこの日、2.55ポイントに拡大し、昨年11月2日以降の最大 となった。過去10年の平均は2.19ポイント。

1.89%上抜けも

米金融当局は景気を押し上げ、利回りに低下圧力を加える措置とし て、月額850億ドルの米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を購入し ている。この日は2017年4月から2042年2月に償還期限を迎える TIPS13億9000万ドル相当を購入した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では、10年 債利回りは年末までに2.2%に上昇すると予想されている。

ナビゲート・アドバイザーズ(コネティカット州スタンフォード) のマネジングディレクター、トーマス・ディガロマ氏は「1.89%の利回 り水準が試されるだろうが、きょうは持ちこたえるはずだ」と言う。 「しかしながら、再び試すとなれば上抜ける可能性がある。この水準は 転換点だ」と述べた。

原題:Treasury 10-Year Yields Fall From Almost Week High on Home Sales(抜粋)

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