NY外為:円が大幅高-日銀の行動は遅過ぎるとの見方

ニューヨーク外国為替市場の円相場 は対ドルで8カ月ぶりの大幅高となった。日本銀行が期限を定めない資 産購入計画を2014年1月から開始すると発表したものの、もっと積極的 かつ早期の行動を期待していた投資家の失望を誘い、円買いが膨らん だ。

日銀は2014年1月から毎月約13兆円相当の資産を無期限で買い入れ ると発表。「物価安定の目標」として2%の物価上昇率を設定した。こ れを背景に円は対ドルで2010年6月以来の低水準近くから上昇した。ド イツ景況感指数が改善したため、対ドルでのユーロは下げ幅を縮小し た。

UBSのシニア通貨ストラテジスト(米コネティカット州スタンフ ォード在勤)、シャハブ・ジャリヌース氏は電話インタビューで、「日 銀は物価上昇率の目標引き上げで新たな領域に入った。問題は目標達成 に向けて導入する実際の政策が、目標通りにインフレ率を押し上げる効 果を表すには弱過ぎるように見えることだ」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで1%高の1ドル=88 円71銭。一時は1.4%上昇し、昨年5月17日以来の大幅高を記録した。 対ユーロでは0.9%上昇し、1ユーロ=118円18銭。一時は1.7%高とな った。ユーロはドルに対して0.1%高の1ユーロ=1.3322ドル。

中古住宅

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は、米中古住宅販売件数が予想外に減少すると下げ渋った。ドル 指数は0.2%低下の79.858。一時は0.4%低下した。

昨年12月の中古住宅販売件数(季節調整済み、年換算)は、前月比 1%減少の494万戸。これは2009年11月以降ではなお2番目に高い水 準。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央 値は510万戸だった。

JPモルガン・チェースのテクニカル分析によると、円は対ドルで 約2週間ぶりの高値に上昇する可能性があり、その後は軟化傾向に戻 る。

JPモルガンのテクニカルアナリスト、ナイオール・オコナー氏 (ニューヨーク在勤)は電子メールで、「対円でのドルは短期的にはも う少し調整が続き、87円80銭-86円80銭のゾーンに下げる可能性があ る」と指摘した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、円は安倍晋三氏が率いる自民党が衆議院選挙で地滑り的大勝利 を収めた後、過去1カ月に5.5%下落している。

日銀

シティグループのG10通貨戦略担当の北米責任者、グレッグ・アン ダーソン氏(ニューヨーク在勤)は「安倍政権は日銀を2%のインフレ 目標で塗り固めた。日銀の抵抗手段は資産購入のスタートを2014年まで 遅らせることだった」と述べた。

日銀は22日開いた金融政策決定会合で、「物価安定の目標」として 消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率2%を導入することを決定 し、できるだけ早期に実現することを目指すと表明した。ただ、早期の 追加刺激には踏み切らなかった。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の外国為替戦略の責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロ ンドン在勤)は来年1月からの資産購入を開始する決定について、「市 場を困惑させたのは、そのタイミングだ」と指摘。「物価を目標近くに 押し上げるということは暗黙に円安誘導を指すが、そのための大型バズ ーカ砲は見られない」と続けた。

日銀の白川方明総裁の任期(5年)は4月に終了し、副総裁2人の 任期も3月に終わる。そのため、昨年12月に発足した安倍内閣は日銀の 人事刷新を図る機会を得た。

投資家は日本市場に対して過去3年余りで最も強気な姿勢を取って いる。ブルームバーグ端末を利用する投資家やアナリスト、トレーダー を対象にした今月のグローバル調査によれば、日本が向こう1年間に世 界で最高の機会を提供するとみている回答者は全体の21%と、昨年9月 の5%から増加した。

ユーロは対ドルで下落分を埋めた。ドイツの欧州経済研究センター (ZEW)がまとめた1月の独景況感指数が31.5と、2010年5月以来の 高水準となったことがきっかけ。

原題:Yen Rises as BOJ Sets Buying for 2014; N.Z., Aussie Dollars Gain(抜粋)

--取材協力:Lukanyo Mnyanda、Taylor Tepper.

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