白川総裁:日銀政策以外に相当思い切った努力が必要-2%目標達成で

日本銀行の白川方明総裁は22日午 後、定例記者会見で、消費者物価指数の前年比上昇率2%の物価目標を 導入したことについて、この達成には日銀の金融政策以外にも「さまざ まな主体による相当の努力が必要だ」と述べた。

白川総裁は「2%という数字を達成していくためには相当思い切っ た努力が必要だ。日銀自身は強力な金融緩和を推進するが、同時にさま ざまな主体による成長力強化の取り組みが非常に重要だ」と語った。

物価目標として2%を掲げることの効果については「目標を掲げる ことが何がしか予想物価上昇率に作用すれば、これは1つの効果だ」と 指摘。一方で、「成長力強化の取り組み以外の理由で物価上昇率が上が っていくことが仮に起きた場合は、今度はこの2%という上限の目標が 予想インフレ率を大きく高めていくことを防ぐ効果もある」と語った。

日銀は昨年2月14日に「中長期的な物価安定の目途(めど)」を公 表し、CPIで2%以下のプラスで当面1%という数値を示していた。 白川総裁は物価の安定について「2%以下のプラスの領域であるという 考え方は、今回の金融政策決定会合の議論でも変わっていない」と語っ た。

2%の「物価安定の目標」の導入に対し、佐藤健裕、木内登英の両 審議委員が反対した理由については「第1に、2%は現状、持続可能な 物価の安定と整合的と判断される物価上昇率を大きく上回ること。第2 に、2%の目標を掲げる上で成長力強化に向けた幅広い主体の取り組み が進む必要があるが、現に取り組みが進む前に2%の目標を掲げると金 融政策の信認を毀損(きそん)する恐れがあることなどから反対した」 と述べた。

また、宮尾龍蔵審議委員が提出した、CPI2%が見通せるように なるまでゼロ金利政策を継続するとの議案については「物価安定の目標 の実現を目指して強力に金融緩和を推進するに当たって、実質的なゼロ 金利政策と金融資産の買い入れ等の措置のそれぞれについて、継続期間 を設定することが適当であるとして反対された」と語った。

連続緩和は「異例」

日銀が追加緩和に踏み切るのは過去5カ月で4度目。2会合連続 は2003年5月以来となる。白川総裁は「2013年、14年という経済の見通 しを見てみると、物価安定の下で緩やか景気の回復という見通しの実現 の蓋然(がいぜん)性が少しずつ高まってきている」と指摘。過去5カ 月で4度目の緩和は「異例だと思う」としながらも、「先々の経済・物 価見通しを展望した上で、われわれから見て望ましい見通しの実現の確 度を上げていくという思いを込めて、今回の措置を行った」と述べた。

「期限を定めない資産買い入れ方式」を導入した背景については 「物価安定の目標のできるだけ早い実現を意識した場合に、あらかじめ 期限を定めるより、期限を定めない形で買い入れを行っていくことを発 表した方が効果的であると判断した」と述べた。

付利撤廃は明快に否定

一部で当座預金に対する0.1%の付利金利を撤廃ないし引き下げる との観測が高まっていることについては「付利についてはこの会見の席 でもう何回答えたかというところだが、全く同じことを申し上げたい」 と言明。「金利がゼロに近づくと短期資金市場の流動性が著しく低下 し、市場参加者が必要なときに資金調達できるという安心感を損なう恐 れがある」と語った。

さらに、「預金金利をこれ以上引き下げることが難しい中で、資産 運用金利の低下は金融機関収益に悪影響を与える。その場合、結果とし て金融面から経済に働き掛ける力はかえって低下する可能性がある」と 指摘。「2000年代前半の量的緩和などの経験などを踏まえ、超過準備 の0.1%の付利と0-0.1%の金利誘導目標という組み合わせの下で、金 融緩和効果は最大に発揮されると考えている」と述べた。

白川総裁は「物価安定の検討の詳細については、明日公表される背 景説明資料を見てほしい。さまざまな数値、事実等書いているので、是 非ご覧いただきたい」と述べた。

また、「私は総裁に就任して以来、総裁としての責任をしっかり果 たしていくというのが私の務めだと一貫して思っている」と述べ、4月 9日の退任前に辞任するという一部の観測を否定した。

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