円上昇、対ドル一時88円後半-日銀会合通過で材料出尽くし感

東京外国為替市場では円が上昇。午 後の取引では対ドルで1ドル=90円台前半に水準を切り下げた後、88円 台後半まで急速に値を戻す場面が見られた。日本銀行がこの日開いた金 融政策決定会合で、2%の物価上昇率目標を設定するなど、政府と協力 してデフレ脱却に向けた緩和策を継続する姿勢を示したことで一時円売 りが強まったが、その後は材料出尽くし感から円が買い戻された。

ドル・円相場は午前に89円台前半に円が水準を切り上げていたが、 日銀の政策発表後は一時90円13銭まで円安が進行。その後は円が急速に 値を戻し、88円90銭まで円高に振れる場面も見られた。午後3時45分現 在は89円22銭付近で取引されている。

みずほ総合研究所の武内浩二シニアエコノミストは、日銀会合の結 果について、物価目標の導入と、現行の枠組みでの基金増額ということ は想定の範囲内だったが、期限を定めず、長期にわたって緩和を続けて いく姿勢が示された点が「ややプラス」となり、いったん円安に振れた と指摘。ただ、「日銀のバランスシートが2015年以降も右肩上がりで増 えていくということではない」と分析し、市場の想定を大きく上回って 緩和の方向に踏み出したというわけではないと言い、日銀会合の通過で 目先は材料が出尽くしとなり、市場は利益確定に伴う円買い戻しの動き に転じたと説明している。

ユーロ・円相場は日銀会合後に1ユーロ=120円16銭まで円安が進 んだ後、118円66銭まで円が買い戻された。その後は119円ちょうど近辺 で推移している。

日銀会合通過で目先は材料不足

日銀はこの日開いた金融政策決定会合で、物価目標として消費者物 価指数(CPI)の前年比上昇率2%を明示することを決定した。日銀 はこれをできるだけ早期に実現することを目指すと表明した。目標の実 現を目指し、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入れなどの措置 を、それぞれ必要と判断される時点まで継続することを通じて、強力に 金融緩和を推進する。

また、資産買い入れ等基金の運営については、現行方式での買い入 れが完了した後、2014年初から期限を定めず毎月一定額の金融資産を買 い入れる方式を導入し、当分の間、毎月、長期国債2兆円程度を含む13 兆円程度の金融資産の買い入れを行う。これにより基金の残高は14年中 に10兆円程度増加し、それ以降残高は維持される見込み。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジスト は、資産買い入れのオープンエンド(無期限)方式については、14年か ら開始ということで、「13年に関しての緩和強化というのは出てこなか った」とし、「そこは若干物足りないところではある」と言い、ドル・ 円が「92、93円あたりに上がっていくのは難しい」とみる。

日銀は同時に「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政 府・日本銀行の政策連携について」と題する共同声明を発表。日銀が物 価安定目標をCPI上昇率で2%とすることを明記するとともに、経済 財政諮問会議で物価の現状と見通し、雇用情勢を含む経済・財政状況、 経済構造改革の取り組み状況などについて定期的に検証を行うとしてい る。

--取材協力:小宮弘子. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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