タイ富豪、F&N買収に近づく-OUE連合は提案額上げず

タイの富豪チャルーン・シリワタナ パクディー氏は、シンガポールの不動産・飲料大手フレイザー・アン ド・ニーブ(F&N)の経営権獲得に近づいた。F&Nをめぐる買収合 戦でシンガポールのオーバーシーズ・ユニオン・エンタープライズ( OUE)を中心とする企業連合は、チャルーン氏の138億シンガポー ル・ドル(約1兆円)の提示額を上回る買収額を示さない方針を明らか にした。

不動産開発のOUE率いる企業連合は21日、チャルーン氏が18日に 提示した1株当たり9.55シンガポール・ドルの買収提案に対抗しない意 向を示した。同グループは昨年11月、F&Nに対して1株9.08シンガポ ール・ドルでの買収を提示していた。

ソフトドリンクからサービス付き集合住宅に至る資産を抱えるF& Nを対象とした2カ月におよぶ買収合戦は、OUE連合の決定を受けて チャルーン氏が優位に立った。チャルーン氏はF&Nの買収を目指して 同社の株式をこれまでに40%取得した。

チャルーン氏率いるTCCアセッツは、依然としてF&N株主の過 半数の支持を獲得する必要がある。同氏の提示額は21日の終値9.74シン ガポール・ドルを2%下回る水準。同社株は同氏が最初にF&Nへの出 資を発表した昨年7月18日以来22%上昇している。

IGマーケッツ(シンガポール)のプレミアム顧客マネジメント担 当責任者、ジェーソン・ヒューズ氏は「この提示額なら恐らく、売りた いと思う株主は十分にいるだろう。TCCがF&Nを手中に収めつつあ る」と語った。

OUE連合が昨年11月に示した買収提案にはキリンホールディング スが加わっていた。合意によると、買収が実現した場合にはOUEが F&Nの不動産事業を、キリンが食品・飲料事業を取得する計画だっ た。

ジャパンインベストの大和樹彦副調査部長(東京在勤)は、チャル ーン氏が経営権を握るタイのビールメーカー最大手タイ・ビバレッジ が、保有するF&N株をライバルのキリンに譲渡するとは考えられず、 キリンが飲料事業を獲得するのは不可能だろうと語った。

キリンの広報担当、山本冠氏は同社が保有するF&Nの株式14.8% の今後の扱いは決まっていないと答えた。OUEの決定についてはコメ ントしなかった。

原題:Thai Billionaire Nears Win on F&N After OUE Fails to Boost Bid(抜粋)

--取材協力:Stephanie Wong.

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