債券は続伸、株安・円高で買い優勢-追加緩和受け一時売り買い交錯

債券相場は続伸。日銀金融政策決定 会合の結果を受け、売り買いが交錯する場面も見られたが、株安や為替 の円高を背景に買い優勢の展開となった。新発5年債利回りは同年限で 過去最低水準を記録した。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比5銭高の144円46銭で取 引を開始し、一時は144円57銭と日中取引で昨年12月13日以来の水準ま で上昇。その後は売りが増え、一時144円39銭まで下落。さらに、午後 1時前の日銀会合の結果発表後には午前安値を下回る144円22銭まで下 げたが、すぐに144円52銭付近まで切り返し、その後は小幅プラス圏で 推移した。終値は4銭高の144円45銭。

日銀は22日開いた金融政策決定会合で、物価上昇率の目標として消 費者物価指数(CPI)の前年比上昇率2%を明示することを決定し た。資産買い入れ等基金の運営については、現行方式での買い入れが完 了した後、2014年初から期限を定めず毎月一定額の金融資産を買い入れ る方式を導入し、当分の間、毎月、長期国債2兆円程度を含む13兆円程 度の金融資産の買い入れを行う。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは、結果発表後に同1.5ベーシスポイント(bp)高い0.75%まで上昇し た後、0.725%まで低下し、その後は0.73%で推移。5年物の107回債利 回りは一時1bp低い0.14%に低下。新発5年債利回りとしては、2000年 の同債発行開始後で最低となった。その後は0.145%で推移している。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンド マネジャーは、 「株や為替の市場にとっては手前の資金がさらにじゃ ぶじゃぶになるかが問題だっただけに、付利(超過準備分に付く金利) 引き下げのような即効性もなく、失望の内容ではないか」と指摘。その 上で、「物価2%の達成はなかなか難しく、買入期間が延びたことは債 券市場にとって意味のあることだが、きょうの長期債は株や為替を見な がらの展開になった。短中期債は4月以降の付利引き下げの期待が維持 された形だ」と説明した。

日銀会合結果に失望感

日銀が追加緩和に踏み切るのは過去5カ月で4度目。2会合連続 は03年5月以来となる。ブルームバーグ・ニュースが日銀ウオッチャ ー13人を対象に行った事前調査では、全員が2%の物価目標の明示と資 産買い入れ等基金の増額など追加緩和が行われると予想していた。

日銀はまた、「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政 府・日本銀行の政策連携について」と題する共同声明を発表。日銀が 2%の物価安定目標を明記するとともに、経済財政諮問会議で物価の現 状と見通し、雇用情勢を含む経済・財政状況、経済構造改革の取り組み 状況などについて定期的に検証を行うとした。佐藤健裕、木内登英両委 員は共同声明についても「物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率 で2%とする」と記述している点に反対した。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、付 利の引き下げや国債買い入れ年限長期化といった債券市場で期待されて いた内容が入っていなかったことが若干失望感につながっているが、 「時間軸効果を考慮すると、これで緩和が終わりではなく、相場が下げ たところでは買いの好機。2月以降も付利下げや年限の長期化という議 論は出てくるとのではないか」と話した。

また、JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、 「日銀の金融政策は市場の期待に届いていない。資産買い入れ等基金に 関して、2013年中は現状維持、14年末までに10兆円増としてその後は残 高維持の方針。オープンエンドのような体裁ではあるが、市場参加者に とっては期待はずれの印象」と分析。ただ、「2%の物価目標が設定さ れたとはいえ、債券市場でインフレ期待が盛り上がるとは考えにくく、 株安局面などではしっかりの展開ではないか」と語った。

22日の東京株式相場は続落。日銀の追加緩和決定を受け、午後に先 物主導で乱高下する展開となった。ドル・円相場は日銀の決定発表後、 いったん1ドル=90円台前半まで円安に振れたが、その後反転し、一 時89円を割り込んだ。

--取材協力:赤間信行、船曳三郎. Editors: 山中英典, 崎浜秀磨

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