読み違えたダボスの悲観論者、今週会議に集結-基調が様変わり

「ドクター・ドゥーム(悲観論の帝 王)」は読み違えた。ギリシャがこの時期までにユーロ圏から放逐され ると予想したこの帝王ヌリエル・ルービニ氏ら数多くのエコノミストや 投資家は、通貨同盟を守る欧州当局者の決意やギリシャ国民がどの程度 まで痛みを許容するかを正しく認識できなかった。

ルービニ・グローバル・エコノミクス会長のルービニ氏は電話取材 に対し、「こうした要素は過小評価されていた」と語った。同氏は1年 前にスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)年次総会 でギリシャの離脱を予想。同氏は今、ギリシャがユーロ圏を去る可能性 は「今年、ゼロではないが間違いなく低い」と話す。

ユーロ圏の存続に疑問を投げ掛け、ギリシャの離脱は差し迫ってい て避けられないか、もしくは同国自体の利益になると主張していたのは ルービニ氏だけではない。ヘッジファンド運用者のジョン・ポールソン 氏やゴールドマン・サックス・グループのゲーリー・コーン社長、ノー ベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏とジョゼフ・スティグ リッツ氏、パシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)、ハ ーバード大学のケネス・ロゴフ、マーティン・フェルドシュタイン両教 授、シティグループのチーフエコノミスト、ウィレム・ブイター氏らも 同様の見方をしていた。

ルービニ氏は、2008年の世界金融危機を正確に予想して「ドクタ ー・ドゥーム」の異名を取った。同氏のほか、コーン、ロゴフ、スティ グリッツ氏らが今週、ダボス会議に再び参集する。

正しい軌道

債務危機の最悪期が過去のものとなった兆候が見られ、投資家はユ ーロ売り姿勢を修正している。1年前とは異なる基調だ。昨年、メルケ ル独首相は、欧州は「世界経済の頭痛の種と見なされている」と指摘。 メキシコのカルデロン大統領(当時)は、欧州大陸を「時限爆弾」と呼 んだ。

ダボス会議の常連で、ドイツ銀行CEOを昨年退任したヨゼフ・ア ッカーマン氏は「ユーロ圏が概して、安定した金融と強い経済に戻る正 しい軌道に乗っていると確信している」と述べた。

投資家は昨年、ユーロ存続に賭けていれば利益を得られただろう。 バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、ジャ ンク級(投機的水準)のギリシャ国債を12年1月に購入していた場合の リターンは78%。ドイツ国債は4.5%にすぎない。

ユーロは昨年8月初め以降ドルに対して9%上昇し、現在は1ユー ロ=1.33ドルで取引されている。1999年の導入時は1.17ドル前後だっ た。株式市場ではユーロ・ストックス50指数が1年間で約11%上昇。ス ペイン10年物国債利回りは5.08%に低下。昨年7月にはユーロ導入後の 最高水準である7.75%を付けていた。

WEF創設者のクラウス・シュワブ氏は16日にブルームバーグテレ ビジョンで、「昨年のダボス会議は全て欧州に焦点が合わせられてい た」と指摘。「なお多くの疑問点はあるが、私は総じて昨年よりも将来 に対してずっと楽観的だ」と話した。

原題:Davos Doom Loses to Merkel-Draghi as Euro Defies Roubini-Paulson(抜粋)

--取材協力:Aaron Kirchfeld、Neal Armstrong、Emma Charlton、Olivia Sterns、Antonio Zappulla、Joao Lima、Steve Matthews、James G. Neuger、Marcus Bensasson.

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