円が対ドルで2年7カ月ぶり安値から反発、株安で買い戻し

東京外国為替市場では、円が対ドル で約2年7カ月ぶり安値を更新した後、上昇に転じた。日本銀行の金融 政策決定会合の結果発表を翌日に控え、様子見姿勢が強まる中、日本株 の下落を背景に円の買い戻しが進んだ。

ドル・円相場は一時1ドル=89円43銭まで円高が進行し、午後4 時15分現在は89円63銭前後。朝方には90円25銭を付け、2010年6月以来 以来の円安値を更新していた。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジスト は、日銀会合について「私自身はポジティブサプライズだと思っている が、マーケットとして非常に予想がしにくい」と指摘。国債買い入れの オープンエンド(無期限)方式導入や雇用安定目標の有無、付利撤廃の 是非など予想が多岐にわたっているため、市場のコンセンサスが不明 で、「結果が出る前に利食い(利益確定のための円買い)をしておきた いというのはあるだろう」と話した。

ユーロ・円相場は1ユーロ=120円24銭までユーロ買い・円売りが 進んだ後、一時119円08銭まで円が反発。先週末には120円71銭と11年5 月以来のユーロ高・円安水準を付けていた。

日銀会合

NHKは、日銀が21日から2日間の金融政策決定会合で、物価上昇 率目標2%を政府との共同声明に盛り込む方針だと報じた。目標の達成 時期は盛り込まず、具体的な手法については日銀に委ねる方向で調整し ているという。また、政府と日銀が一体で脱デフレを目指す姿勢を強調 するため、麻生太郎財務相、甘利明経済再生相、白川方明日銀総裁が22 日、安倍晋三首相に報告した上で、そろって共同声明を発表する方向で 調整しているという。

ブルームバーグが有力日銀ウオッチャー13人を対象にした調査で は、全員が2%の物価目標の設定と、資産買い入れ等基金の増額など追 加緩和が行われると予想。追加緩和に踏み切れば過去5カ月で4度目 で、2会合連続は2003年5月以来となる。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、「政府とのアコード (協定)と、それを受けた2%の目標の導入、2%を達成するための追 加緩和はほぼ織り込んでいる」と言い、協定に雇用が入るかどうか、物 価目標を達成できなかった場合に日銀が何をするかなどがポイントにな ると指摘。また、緩和策が10兆円程度の資産買い入れ増額にとどまれば 「がっかり」だと話した。

一方、野村証の池田氏は、日銀がオープンエンド方式を導入する確 率は高いと言い、そうなれば「マーケットはあまり織り込んでいないの で、インパクトは大きく、為替は結構円安で反応する」と予想した。

円買い圧力

21日の東京株式相場は3営業日ぶりに反落。小幅に続伸して始まっ たものの、先物主導で早々に下げに転じた。

IGマーケッツ証券の為替担当アナリスト、石川順一氏は、テクニ カル面でドル高・円安が行き過ぎというシグナルが出ている中で、アジ ア株も軟調となれば、「円買いのいい口実となりやすい」と説明。ま た、週末実施されたドイツの州議会選挙でやや政局不安が残る面があ り、欧州の足並みが乱れるリスクが意識される可能性があるとし、欧州 懸念もくすぶる状況下では「一度行き過ぎた円安の是正圧力が強まりや すい」と話した。

20日投開票のドイツ・ニーダーザクセン州議会選挙では、野党の社 会民主党(SPD)と緑の党が合計で1議席差で過半数を獲得し、メル ケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の陣営は与党の座を失っ た。9月の連邦議会(下院)選挙を占う前哨戦は、野党が勢いづく結果 となった。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.33ドル前半でのもみ合いとなり、 午後4時15分現在は1.3325ドル前後で推移している。

--取材協力:Monami Yui、三浦和美. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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