アベノミクスで13年末日経平均は1万2000円へ-日興アセット・丸山氏

日興アセットマネジメントの丸山隆 志株式運用部長は、デフレから脱却し、経済成長で富をつくる安倍晋三 政権の政策で企業が強くなる希望が持てるようになり、それだけで株価 は大きく修正される可能性があるとみている。

16日のブルームバーグとのインタビューで、丸山氏がこうした見解 を示した。成長期待が持てるようになれば、「資産市場が活性化し、そ れが実体経済を動かすようになる」と同氏。ただ、政策の効果が実体経 済に表れるには1年以上かかるとみられ、それまでは政府と日本銀行が 成長戦略や金融緩和などの政策を継続しながら、政策に対する信頼がな くならないように説明責任を果たすことが重要だ、と指摘した。

そうした観点から、4月に予定されている日銀の次期総裁人事に丸 山氏は注目しており、「非伝統的な金融政策を取りながら、説明もきち んとできる人が総裁に選ばれるだろう」と予想した。今のところ、安倍 政権は説明責任を果たしているとし、株式相場はこうした期待を背景 に、7月の参院選までは上昇基調を継続すると読む。

一方、参院選後はいわゆる「『アベノミクス』によって企業収益が 上がるかどうかが意識される」と同氏は指摘。製造業にとって、①円高② 高法人税率③自由貿易協定(FTA)への対応遅れ④製造業への派遣禁止 など労働規制⑤環境規制の強化⑥高い電力料金--の六重苦が解消に向か い、企業の国際競争力が高まるかどうかが投資判断に際し重要な焦点と なる。

脱デフレ、バリュー、1人勝ち

株価急騰により、東証1部のPBRは18日現在1.1倍に上昇した。 それでも米国など他国と比較するとまだ低く、丸山氏はあと1割程度上 昇してもおかしくないとの認識で、日経平均は年末に1万2000円程度へ の値上がりは可能とする。前週末終値は1万913円。銘柄選定の切り口 はデフレ脱却で、銀行などの金融株や不動産株は既に強気で見ている。 バリュー投資も一貫して有効と判断しており、世界の景気回復基調が米 国や中国の経済指標に見え始めるなか、割安の修正が続くと見込む。

ただ、グローバル投資の観点からは世界が狭くなっており、「まさ に『ウイナー・テークス・オール』」と同氏。数少ない勝ち組企業の株 価は相場全体に左右されず、安定した1株当たり利益(EPS)成長に 見合って長期間堅調に推移するとみられ、こうした銘柄は投資対象とし て魅力があるとした。日本株には「しっかりしたビジネスモデルがあ り、独自のサービスやモノを提供し、需要があるにもかかわらず、『バ リュートラップ』に陥っている銘柄多かった。この修正はまだ途上」と 話している。

つらい運用にサヨナラ

「これまで運用していて一番つらかったのは、企業の株価がフェア バリューに収れんしないことだ」と丸山氏は語る。バリュエーションが 低位のまま放置されたり、ヘッドラインだけで株価が大きく反応するな ど、企業分析に基づいた長期投資、企業が取るリスクを投資家と分かち 合う投資本来の姿とは異質の動きが頻繁に見られた。

しかし、東証1部の売買代金が連日2兆円に膨らむなど相場が活況 となり、日本株にきちんと投資しようという投資家が増えてきた現在、 「フェアバリューに収れんしつつあり、しっかり投資できることが嬉し い」と、同氏は言う。

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