【今週の債券】長期金利は上昇か、緩和織り込み-付利撤廃なら低下も

今週の債券市場で長期金利は0.7% 台でやや水準を切り上げる展開が予想されている。今週の日銀金融政策 決定会合での追加緩和について、市場ですでに織り込み済みとみられ、 予想範囲内の結果となれば反動の売りが出る見込み。一方、日銀当座預 金の超過準備分に付く利息(付利)の引き下げが実施されれば低下圧力 が強まる見通し。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが18日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは全 体で0.66%-0.80%。前週末終値は0.75%だった。

21、22日開催の日銀決定会合について、ブルームバーグ・ニュース が有力日銀ウオッチャー13人を対象にした調査では、全員が2%の物価 目標の設定と、資産買い入れ等基金の増額などの追加緩和が決定される と予想した。

前週の金融市場では付利(現行0.1%)の引き下げ観測が広がり、 金融政策変更の影響を受けやすい短中期ゾーンの金利低下が進んだ。新 発2年物国債利回りは0.07%と7年半ぶりの低水準を記録した。また、 外国為替市場では緩和強化の観測で円が1ドル=90円台と2010年6月以 来の円安・ドル高水となった。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、付利引き下げや基金の 国債買い入れの年限長期化を今回に決まるとみている向きはほんといな いとし、「それにもかかわらず、金利先物や国債市場でそれを織り込ん でいるのは違和感を覚える」と指摘。「基金の10兆円増額は市場ですで に織り込んでいるのでこれだけでは失望になる」と言い、無期限(オー プンエンド)の基金買い入れを開始する可能性があると言う。

20年債入札

需給イベントでは、24日に20年利付国債(1月債)の入札が実施さ れる。前週末の入札前市場で20年物は1.765%程度で推移した。このた め、表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント高い1.8%か、横ば いの1.7%となる見込み。発行額は前回債と同額の1兆2000億円程度。

20年債入札について、SMBC日興証券の末沢豪謙チーフ債券スト ラテジストは、クーポンは1.7%か1.8%か微妙だとし、「財政リスクの 高まりで、10年超のゾーンでスティープ(傾斜)化が継続している が、1.8%前後の水準では保険会社などの買いが期待される」とみる。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は3月物、10年国債利回りは327回債。

◎みずほコーポレート銀行資金証券部の新井厚志次長

先物3月物143円90銭-144円80銭

10年国債利回り=0.70%-0.78%

「日銀会合の結果を受けて金利が若干上昇するかもしれないが、相 場全体が大崩れすることはないだろう。市場が織り込んでいるほど踏み 込んだ緩和策は出てこないとみている。ただ、付利撤廃は賛成票が増え る可能性もあり、新執行部に期待が残るため、金利は中短期ゾーン中心 に低く抑えられる。来年度の国債発行計画が見えてくるタイミングで超 長期ゾーンには待っていた向きの買いが入りそうだ」

◎大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長

先物3月物144円00銭-144円60銭

10年国債利回り=0.72%-0.78%

「日銀金融政策を見極めながらも短中期ゾーンに資金流入が続く流 れは変わらない。付利引き下げの有無が見極めにくく、市場への影響も 大きいテーマだ。引き下げに踏み切るようだと5年債利回りは0.13%付 近に低下。仮に今回なくても日銀総裁交代後に実施との期待が温存する ため、押し目買いが支えとなって0.2%には届かないだろう。短中期の 金利上昇が見込みにくいため、10年債も0.7%台のレンジを想定する」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物3月物143円80銭-145円10銭

10年国債利回り=0.66%-0.80%

「日銀金融政策決定会合の中身次第で大きく振れる展開となりそ う。付利の撤廃となれば先物は145円台乗せが見えてくる。なければ売 りが増えるとみている。市場は付利撤廃を3-4割織り込んでいる感じ だ。為替の動向も決定会合次第だろう。追加緩和を織り込んでいる分、 会合後に円は買われやすいのではないか。20年債入札は、基本的には無 難な結果になると思う。利回り曲線が傾斜化しており、割安に見える」

--取材協力:池田祐美、赤間信行、船曳三郎. Editors: 山中英典, 崎 浜秀磨

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE