ソニー:米本社ビルを売却、約600億円を営業益に計上へ

ソニーは米国本社が入居するニュー ヨークのビルを11億ドル(約990億円)で現地のコンソーシアムに売却 する。これに伴い営業損益に約6億8500万ドル(約617億円)の売却益 を計上する。米子会社が17日に契約を結んだ。発表を受けソニー株価は 一段高となり、約4年ぶりの上昇率を記録した。

発表資料によると、売却完了は3月15日の予定。同社のグループ企 業はその後も最長で3年間入居を続ける。広報担当の今田真実氏は現行 の今期(2013年3月期)業績予想は幾つかの資産売却が前提だが、今回 の案件が含まれているかはコメントできないと述べている。現在の営業 損益予想は1300億円の黒字。前期は673億円の赤字だった。

売却先は米商業不動産を保有するチェトリット・グループを主要メ ンバーとしている。米本社ビルは簿価1億7400万ドルで、ソニーは昨年 9月に売却検討を認めていた

同社の株価は発表後に上げ幅を拡大し、前日比12.5%高まで買われ た。上昇率は08年10月以来の大きさ。終値は同125円(12.2%)高 の1149円で、売買代金は国内株で首位。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、ソニーは資産売却によ る営業益積み上げの方針を従来から示しており「計画通りに実行した」 と指摘。売却で得るキャッシュについては「事業環境が良くないので、 しばらくは持っていたほうがいい。配当や投資に回すのは早い」と述べ ている。

ソニーはリーマンショック前の08年3月期に、都内の旧本社跡地や 独ベルリンの複合施設の売却益を計上。10日にはロイター通信が、都内 の大崎駅前にあるオフィスビルの売却を交渉中と報じていた。

同社は前期に過去最悪4567億円の純損失を計上。昨年4月就任の平 井一夫社長の体制下でオリンパスへの出資などを進める一方、1万人規 模のリストラなどを通じて収益改善に努めている。今期の純損益予想 は200億円の黒字と、5年ぶりの利益確保を目指している。

--取材協力:天野高志. Editors: 駅義則, 持田譲二, 浅井秀樹

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