ドル・円が88円台、株にらみで上下振れる-緩和期待で朝は円売り先行

東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=88円台で上下した。日本銀行による金融緩和期待が根強く残 る中、朝方は円売りが先行。その後は株価をにらんだ展開となった。

ドル・円相場は88円半ばでこの日の東京市場を迎えると、午前10時 前後には一時88円80銭まで円売りが進行。その後、円は下げ渋り、午後 に日本株が下落に転じると、リスク回避の動きから一時88円14銭まで円 買いが進んだ。しかし、引けにかけて株価が値を戻すと、円も再び売ら れる展開となった。甘利明経済再生担当相の円安懸念を否定する発言が 伝わったことも、円売りを促した。午後4時45分現在は88円61銭前後と なっている。

あおぞら銀行市場商品部の諸我晃次長は、「株売り、債券買いとい う感じになっており、少しリスクオフ的な動きになっている」と、午後 に円が上昇した背景を説明。「来週月曜は米国は休みだし、ポジション を一度閉じるという動きが今週は続いている感じ。ただ、来週の日銀会 合を控えて、大きく底割れという感じではないと思う」と話した。

ユーロ・円相場も朝方に1ユーロ=118円20銭まで円安に振れた 後、午後には一時117円01銭まで円買いが進行。その後は再び117円後半 へ値を戻した。

日銀は21、22日に金融政策決定会合を開き、安倍晋三首相が主張す る2%のインフレ目標について協議する。

三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチの内 田稔チーフアナリストは、日銀会合について、「資産買い入れ基金10兆 円増額がコンセンサスとも言われているが、付利撤廃や買い入れ資産の 年限延期など、いろいろなことをひっくるめて金融緩和期待というとこ ろに集約されている」と指摘。「一つ言えるのは何が出るのかわからな いという状態で会合を迎えるということだ」と話した。

17日の東京株式相場は反発。日経平均株価は午後に一時5営業日ぶ りに1万500円を割り込む場面もあったが、終盤に持ち直した。

甘利発言

甘利再生相は内閣府で記者団に対し、円相場は行き過ぎた円高の修 正局面にあると述べた。また、「円安」発言は報道が不正確だとし、報 道が断片的に伝えるためにマーケットが反応すると話した。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏 は、甘利再生相の発言について、内容的には前日の官房長官の説明です でに消化されているものだが、海外勢が円売りで反応したと説明した。

甘利氏は15日の閣議後の会見で、為替市場で円安が進んでいること について「過度な円安になれば、今度は、輸入物価に跳ね返ってくる」 と指摘し、輸出に追い風でも「国民生活についてマイナスの影響も出て くる」との認識を示していた。

ユーロ・ドル相場も1ユーロ=1.33ドル前半から1.32ドル後半で上 下した。同時刻現在は1.3287ドル前後となっている。

--取材協力:三浦和美, 大塚美佳. Editor: 山中英典

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