渡辺みんな代表:日銀正副総裁は出身者以外から-竹中氏も候補

みんなの党の渡辺喜美代表は3月か ら4月にかけて任期満了となる日本銀行の正副総裁の後任候補は日銀出 身者以外から人選すべきだとの考えを表明した。総裁候補の1人として 竹中平蔵慶応大学教授の名前を挙げた。16日のブルームバーグ・ニュー スとのインタビューで語った。

渡辺氏は、次の正副総裁について「日銀の中から選ぶと従来型の発 想と変わらない。日銀官僚はインフレ退治はやるけれどデフレ退治はや らないので、このDNAを払しょくするためには日銀官僚以外から選ば ないとだめだ」と言明した。

その上で、次期総裁に求める資質として、マクロ経済学のPh.D (博士号)、国際会議でコミュニケーションができる英語力、マネージ メント能力の3条件を挙げた。具体的な候補者として小泉純一郎政権で 経済財政担当相、総務相なども歴任した竹中氏の名前を挙げた。安倍晋 三首相に会う機会があれば、竹中氏も含めた数人の適任者の具体名を示 す考えも明らかにした。

日本銀行の白川方明総裁は4月8日、山口広秀、西村清彦両副総裁 は3月19日で任期満了となる。このうち白川、山口両氏は元日銀職員。 正副総裁の人事は衆参両院での同意が必要なため、自民、公明の連立与 党が参院で過半数に満たない「ねじれ国会」では、一部野党の賛同を得 る必要がある。みんなの党は参院議員11人を擁しており、野党内では民 主党(87人)に続く勢力だ。

2段構え

経済評論家の上念司氏は「正副総裁に日銀出身者を入れるべきでは ない」と強調。その上で、「日銀法を改正して政府による正副総裁らの 解任権を認めることが重要。2段構えでやらないと市場の信頼も国民の 信頼も取り戻すことはできない」と述べた。

一方、双日総合研究所の吉崎達彦副所長は、正副総裁人事について 「3人の組み合わせが大事で、1人は日銀の組織の中の人が入るべき だ」と指摘。その理由として「日銀出身者が1人もいないのはかえって 不自然。政策委員会がいわば社外取締役だけの取締役会になってしま い、現場の士気にもかかわるのではないか」と語った。

次期総裁候補としては、日銀による外債購入を提唱した岩田一政元 日銀副総裁や竹中慶大教授のほか、武藤敏郎元財務事務次官、黒田東彦 アジア開発銀行(ADB)総裁(元財務官)、東京大学大学院の伊藤隆 敏教授らの名前がエコノミストなどの間で取り沙汰されている。

渡辺氏はこのうち岩田氏について「よく知っているが、3条件を本 当に実践してくれる人なのかどうかはもう少し研究が必要だ」と指摘。 黒田氏については「国際金融もよく分かり、人格、識見とも立派な人だ が、日銀総裁にしたらアジア開銀はどうなるのか。アジア開銀総裁を中 国に取られたら国益を損なう」と述べ、ADB総裁にとどまるべきだと の考えを示した。武藤氏については「条件に合わない」と語った。

天下り人事

麻生太郎副総理兼財務相が総裁への学者起用に組織運営経験の観点 から慎重な姿勢を示していることについては「天下り人事の発想だ。大 学教授だってちゃんとマネージメントをやっている」と批判。竹中氏に ついては「総務相も経済財政担当相もやってちゃんとマネージメント能 力がある」と評価した。

安倍首相は13日のNHKの番組で次期総裁の条件について「基本的 には大胆な金融政策を実行できる人、われわれの主張に合う人というこ とで考えてほしい」と指摘している。自民党は12月の衆院選で2%の物 価目標を唱えて勝利した。

政府、日銀は2%の物価目標を盛り込んだ共同文書をまとめる方向 で調整をしている。渡辺氏は共同文書について「日銀法改正までやると いうメッセージを出してほしい。法改正なしの決意文書は民主党もやっ たがそれではだめだ」と述べ、法改正を前提としなければ評価できない との認識を示した。

法改正の具体的内容としては、金融政策の目的として現行法にある 物価の安定に加えて「雇用の最大化」を追加することや、物価目標を政 府が設定することなどを挙げた。

行革相

渡辺氏は自民党時代に第1次安倍政権で行政改革担当相などを務め たが、麻生副総理が首相だった2009年に党を離れた。その後、みんなの 党を結党した。

麻生副総理の日銀に対する姿勢については「考えていることはおそ らく財務事務次官OBなどが総裁になって日銀法改正なしで口先だけの インフレターゲットでお茶を濁そうということだ」との見方を示した。 日銀正副総裁人事は「首相のリーダーシップがどこまで発揮できるかが ポイントだ。麻生さんに引っ張られると旧来型の人事になってしまう」 と指摘した。

--取材協力:Julie Masuda. Editors: 杉本 等, 室谷哲毅, 林純子

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