1月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが上昇、スペイン入札で-円は対ドル大幅安

17日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで10カ月ぶり 高値に迫った。スペインが実施した国債入札(計45億ユーロ)で落札利 回りが前回から低下。欧州債市場への信頼感が向上した。

ユーロは主要16通貨のすべてに対して上昇。一方、円は対ドル で2010年以来の安値に下げた。日本銀行が21、22日に開く金融政策決定 会合で追加緩和を実施する方針を固めたと、日本経済新聞が伝えたこと が手掛かりだった。スイス・フランは対ユーロで下落。スイス国立銀行 (中央銀行)が2011年9月、フランに1ユーロ=1.20フランの上限を設 けて以来の安値を付けた。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の 調査責任者、ダン・ドロー氏は、「入札結果が良好だったことを見る と、ユーロ圏のテールリスクは軽減したようだ。市場への信頼感が高ま った」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.7%上昇して 1ユーロ=1.3376ドル。14日には1.3404ドルと、昨年2月29日以来の高 値をつけた。ユーロは対円では2.4%上昇して1ユーロ=120円21銭。一 時は2011年5月4日以来高値の120円61銭をつけた。円は対ドルで は1.7%安の1ドル=89円88銭。一時は2010年6月23日以来の安値とな る90円13銭まで売り込まれた。

ボラティリティ指数

主要7カ国(G7)通貨の3カ月物オプションのインプライド・ボ ラティリティ(IV、予想変動率)を示すJPモルガン・チェースの指 数は8.97%と、昨年8月31日以来の最高に上昇、200日移動平均 の8.74%を上回った。昨年12月18日には7.06%と、2007年8月以来の低 水準まで下げていた。

スイス・フランは主要16通貨の大半に対して下落した。欧州債務危 機が収束しつつあるとの観測を背景に、フランの逃避需要が減退した。 この日のフランは対ユーロで最大1%安。

マネックス・ヨーロッパの為替市場アナリスト、イームア・デイリ ー氏は、「投資家はリスク資産に戻りつつある」と述べ、「投資家はリ スクを非常に恐れ、かなり流動性の高い資産としてスイス・フランを保 有していた。その不安も今は和らいだ」と指摘した。

スペイン入札

スペイン政府は17日に国債入札を実施し、2015年償還の国債24 億900万ユーロ相当を発行した。15年償還債の平均落札利回り は2.713%。昨年12月の前回入札時は3.358%だった。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よるとユーロは過去3カ月間で2.5%上昇。ドルは0.1%下落、円は13% 下落した。

この日の円は反落。日銀は政策会合でインフレ目標について協議す る。

クレディ・スイス・グループのテクニカルアナリスト、シリン・ベ イン氏(ロンドン在勤)によると、円は今週、対ドルで1ドル=87円80 銭に上値抵抗線を見いだしたため、今後一段と下げる可能性がある。同 氏はこの日付の顧客リポートで、円は下値支持線の89円67銭を抜け て、90円84銭まで下げる可能性があると指摘した。

原題:Euro Strengthens as Spain’s Borrowing Costs Decline; Yen Slides(抜粋)

◎米国株:上昇、S&P500種は5年ぶり高値-経済指標を好感

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は5年ぶり高値を付け た。新規失業保険申請件数と住宅着工件数が予想よりも改善したことを 好感し、買いが入った。

S&P住宅建設株指数は3%上昇し、2007年以来の高水準。収入が 一部アナリストの予想を上回った電子商取引サイト運営最大手のeベイ も高い。世界最大の資産運用会社ブラックロックも上昇。2012年10-12 月(第4四半期)決算が前年同期比で24%増益となったほか、増配と自 社株買い拡大も発表した。一方、決算が減収となったインテルは通常取 引終了後の時間外取引で4.9%下げている。

S&P500種株価指数は前日比0.6%高い1480.94で終了。ダウ工業 株30種平均は84.79ドル(0.6%)上昇し13596.02ドルで終えた。米証券 取引所全体の出来高は約65億株と、3カ月平均を5.2%上回った。

BMOプライベート・バンクのジャック・エイブリン最高投資責任 者(CIO)は電話インタビューで、「景気は助走を付けて年を明けた わけではないかもしれないが、幸先の良いスタートを切ったのは確か だ」と指摘した。

昨年12月の住宅着工件数は予想を大幅に上回る伸びとなり、年間で も2008年の水準まで回復した。先週の新規失業保険申請件数は予想以上 に減少して5年ぶりの低水準となった。

一方、フィラデルフィア地区の1月の製造業景況指数は予想外に活 動縮小を示した。

最高値に接近

S&P500種は2007年10月に付けた最高値1565.15を5.4%下回る水 準にある。ダウ平均は最高値14164.53ドルを約4%下回っている。ブル ームバーグのまとめによると、S&P500種構成企業で決算を発表し た56社のうち、約70%が予想を上回った。第4四半期のS&P500種の 増益率は2.5%と予想されている。実際にそうなれば、2009年以降では 2番目に低い伸びとなる。

シカゴオプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は1.1%上昇の13.57。一時は2007年以来の低水準を付ける場 面もあった。

S&P住宅建設株指数を構成する全11銘柄が上昇。パルトグループ は5.3%、トール・ブラザーズは3.6%それぞれ上げた。

eベイは2.4%高。ジョン・ドナフー最高経営責任者(CEO) は、同社サイトで商品を販売する大手小売りおよびスマートフォンやタ ブレットを通じて買い物をする消費者からの収入拡大を図っている。

ブラックロックは4.4%上昇。純利益は6億9000万ドル(約620億 円、1株当たり3.93ドル)と、前年同期の5億5500万ドル(同3.05ド ル)から増加。ブルームバーグがまとめたアナリスト6人の予想平均は 1株利益3.71ドルだった。

デル買収

デルは1.7%高。プライベートエクイティ(未公開株、PE)投資 会社、米シルバーレーク・マネジメントとそのパートナーはデルの上場 廃止に向けた買収の資金約150億ドル(約1兆3200億円)の調達に近づ いている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者の1人によれば、クレディ・スイス・グループやロイヤル・ バンク・オブ・カナダ(RBC)、バークレイズ、バンク・オブ・アメ リカ(BOA)などの銀行が17日にもデルの買い手候補の一部につなぎ 融資の条件を非公式に提示する可能性がある。

S&P500種の地銀指数は2.4%上昇した。オハイオ州最大の銀行、 フィフス・サード・バンコープは27%の増益。PNCファイナンシャ ル・サービシズ・グループとBB&Tは利益が予想を上回った。

S&P500種のセクター別では金融株が0.1%安と唯一下げた。金融 株は昨年、26%上昇し、全10セクター中で上昇率首位となった。今年に 入ってからは4.6%高。

バンク・オブ・アメリカは4.2%安と、ダウ平均の構成銘柄で下げ が最もきつい。2012年10-12月(第4四半期)決算は、前年同期比 で63%減益となった。収入が減少したことに加え不適切な差し押さえや 住宅ローンをめぐるコストが増大した。

シティグループは2.9%安。2012年10-12月(第4四半期)決算で は、調整後の1株当たり利益がアナリスト予想を下回った。訴訟費用が 増えたほか、貸倒引当金の繰り入れ戻しが減少した。

リー・マンダー・キャピタル・グループ(ボストン)の最高投資責 任者(CIO)、ジェフリー・デービス氏は「銀行株の中で選別してこ なかった投資家は恐らく今、選別的になっていると思う。昨年、銀行は 魅力的なバリュエーションとともにマクロ経済に注目した取引で非常に 重要な役割を担った。現在は相場水準が上がっており、銀行間の違いに 目が向き始めている」と語った。

原題:S&P 500 Advances to Five-Year High on Better-Than-Forecast Data(抜粋)

◎米国債:下落、住宅と失業保険統計で-成長加速の兆しと解釈

米国債は下落。10年債利回りは5営業日ぶりに上昇した。住宅着工 件数と失業保険申請件数が予想より良好な内容となり、景気が回復力を 強めつつある兆候と受け止められた。

先週の新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、5年ぶりの低水 準となったことを受け、10年債利回りは2週間ぶり低水準から上昇し た。連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金融モデ ルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)によると、米 国債は前日の時点で、この2週間で最も割高な水準となっていた。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「金利を押し上げる主役は経済統計に替わった」と 指摘。「経済は改善した、もしくは広範囲にわたって緩やかに伸びた。 リスク・オンのムードはもう少し続くかもしれない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇し1.88%。前日には一時1.80%と、2日以来の低水準 を付けていた。この日の同年債(表面利率1.625%、2022年11月償還) 価格は17/32下げて97 23/32。

30年債利回りは6bp上げて3.07%。

「かなり堅調な数字」

米国債相場は朝方の住宅統計を受けて、軟調に推移した。米商務省 が17日発表した12月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は前月 比12.1%増の95万4000戸と、2008年6月以来で最大。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想のすべてを上回った。年間では78 万戸と、前年の60万8800戸から増加した。

RBCキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)のシニアエコノミ スト、ジェーコブ・オウビナ氏は「住宅着工はかなり堅調な数字だっ た。一戸建てと複合住宅の両方に支えられているということが、この統 計の肝だ」と分析。「市場の反応はもっともだ」と続けた。

米労働省が発表した12日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整 済み)は、前週から3万7000件減少して33万5000件と、2008年1月19日 終了週以来の低水準。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス ト予想の中央値は36万9000件への減少だった。労働省によると、今回の 統計は季節調整が困難なことを反映している可能性がある。

10年物タームプレミアムは前日にマイナス0.77%に下げ、少なくと も1日以来の低水準となった。マイナスのタームプレミアムは、適正水 準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れていることを意味す る。

米財務省は10年物インフレ連動債(TIPS)の入札(150億ド ル)を24日に実施すると発表した。11月21日の前回入札(130億ドル) では、最高落札利回りがマイナス0.72%だった。これまでの最低水準は 9月入札でのマイナス0.75%。2012年1月からこれまでの過去6回の入 札ではいずれもマイナス利回りとなった。

ニューヨーク連銀はこの日、2020年2月から22年11月に償還期限を 迎える米国債33億5700億ドルを購入した。金融当局は景気刺激策とし て、月間850億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)と米国債を購入す る。

前日にかけて米国債は4営業日続伸していた。オバマ大統領と議会 共和党の間で債務上限をめぐる政治的な対立が経済成長に影を落とすと の見方から、安全への逃避として米国債が買われていた。

原題:Treasuries Decline on Better-Than-Forecast Housing, Jobless Data(抜粋)

◎NY金:反発、連銀の景況指数低下で金融緩和拡大を期待

ニューヨーク金先物相場は反発。4週間ぶりの高値となった。米フ ィラデルフィア連銀製造業景況指数が活動縮小を示したことから、金融 当局に緩和策拡大を求める圧力が強まるとの見方が広がった。

フィラデルフィア連銀が発表した1月の同地区製造業景況指数はマ イナス5.8と、前月の4.6(速報値8.1)から低下した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は5.6だった。 同指数はゼロが拡大と縮小の境目を示す。

ビジョン・ファイナンシャル・マーケッツ(シカゴ)の金属トレー ディング担当ディレクター、デーブ・メーガー氏は電話インタビューで 「市場は製造業の指標に反応している」と指摘。「緩和策がいつまで続 くのかを推し量る材料として、市場はあらゆる数字に注目している」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前日比0.5%高の1オンス=1690.80ドルで終了。一時は1697.80 ドルと、中心限月としては12月18日以来の高値をつけた。

原題:Gold Rises as Manufacturing Data Fuels Fed Stimulus Speculation(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸、住宅や失業保険の統計が成長を示唆

ニューヨーク原油先物相場は大幅続伸。4カ月ぶり高値となった。 米国の住宅着工件数や失業保険申請件数が予想より好調だったことか ら、景気に対する楽観が強まった。

米商務省が発表した昨年12月の住宅着工件数は2008年6月以来の高 水準。労働省が発表した12日終了週の新規失業保険申請件数は08年1月 以来の低水準となった。国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力が人質を 取っているアルジェリア南部のガス関連施設を同国治安部隊が攻撃した と伝わると、原油は上げ足を速めた。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の アナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「きょう市場が動 いた主な理由は経済情勢の改善だ」と指摘。「アルジェリアのニュース も原油をさらに押し上げた可能性がある。エネルギー関連施設が攻撃さ れる可能性への不安が高まっているからだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比1.25ドル(1.33%)高の1バレル=95.49ドルで終了。終値では昨年 9月17日以来の高値となった。

原題:Oil Surges to Four-Month High as Data Signals Economic Growth(抜粋)

◎欧州株:上昇、増収で小売り銘柄に買い-米住宅着工件数も好感

17日の欧州株式相場は1週間ぶり大幅高となった。小売り銘柄が増 収を手掛かりに上昇したほか、昨年12月の米住宅着工件数が予想を上回 る伸びとなったことも買い材料となった。

小売りではフランス最大手のカルフールのほか、スーパーのフー ド・ライオンを保有するベルギーのデレーズ・グループや英アソシエー テッド・ブリティッシュ・フーズが大幅高。産金会社ペトロパブロフス クはここ4カ月で最大の上げ。産金量が予想を上回った。一方、ドイツ の経営管理ソフトウエアメーカー、SAPは1.5%安。シティグループ が投資判断を引き下げた。

ストックス欧州600指数は前日比0.5%高の287.35で終了。これは9 日以降で最大の値上がり。年初来では2.7%上げている。

三菱UFJ投信の欧州株式責任者、マイケル・モリス氏(ロンドン 在勤)は、米経済指標について「米国の多くの地域で市場が回復しつつ あることが一段と確認された」とし、「これは上昇基調にあるという新 たな兆候だ。ここしばらくは前向きな兆しが見られ、谷間はとっくに過 ぎたと言えるだろう」と続けた。

米商務省が発表した昨年12月の住宅着工件数(季節調整済み、年率 換算、以下同じ)は前月比12.1%増の95万4000戸。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は89万戸への増加だった。

この日の西欧市場では、アイスランドを除く17カ国で主要株価指数 が上昇した。

原題:European Stocks Advance on Retailer Rally, U.S. Housing Starts(抜粋)

◎欧州債:独債下落、銀行がECB融資返済との観測-英仏債も軟調

17日の欧州債市場ではドイツ国債が下落し、2年債利回りは昨年6 月以来の高水準となった。金融機関が欧州中央銀行(ECB)から得た 融資の返済を始めるとの観測から、短期金融市場で翌日物金利が上昇し た。

欧州銀行間取引金利(EURIBOR)の3カ月物先物が下落した ほか、オーストリアとフランス、オランダの国債も下げた。フランス10 年債利回りは2カ月余りで最大の上げ。国債入札で落札利回りが前回入 札時を上回ったことが手掛かり。ECBが実施した長期リファイナンス オペ(LTRO)で得た資金の返済は今月末から可能となる。

ダンスケ銀行の国債トレーディング責任者、ソーレン・モルク氏 (コペンハーゲン在勤)は「主要国の短期債がやや売り圧力を受けてい る。銀行がLTRO資金を返済するとの観測が原動力で、翌日物金利を 押し上げた」と述べ、「こうした動きに対する用意がなかったため、若 干売られた」と続けた。

ロンドン時間午後4時51分現在、ドイツ2年債利回りは前日比7ベ ーシスポイト(bp、1bp=0.01%)上昇し0.20%。これは昨年4月 5日以来の最高。同国債(表面利率ゼロ、2014年12月償還)価格はこの 日、0.135下げ99.63。10年債利回りは4bp上昇し1.61%。10月22日以 来の最高となる1.63%まで上げる場面もあった。

EURIBORの2013年12月限先物のインプライド金利は10bp上 げて0.455%。一時は11bp上昇し、3月16日以降で最大の上げとなっ た。

英国債相場は5営業日ぶりに下落。スペインとアイルランドが実施 した入札で借り入れコストが低下したことを背景に、比較的安全とされ る英国債を求める動きが後退した。

英10年債利回りは前日比4bp上げ2.04%。前日は1.98%と、3日 以来の低水準を付けていた。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償 還)価格はこの日、0.36下げ97.475。

原題:German Bonds Fall as Euribor Futures Drop on ECB Repayment Bets(抜粋) U.K. Pound Weakens to Nine-Month Low Versus Euro; Gilts Decline (抜粋)

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