1月16日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円続伸、これまでの大幅な下げに「通貨戦争」との批判

16日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで続伸。円が過去 1カ月で5.5%下落したことを受けて、最近の為替変動は行き過ぎだと の当局者発言が各国から相次いだ。

リスク志向の改善と株が下げを埋めるのに伴い、円は伸び悩んだ。 ロシア中央銀行が世界の主要国・地域は「通貨戦争」の瀬戸際にあると 警告したことを受けて、ボラティリティーを示す指数は4カ月ぶり高水 準に上げた。

みずほフィナンシャル・グループの法人外国為替セールスバイスプ レジデント、ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は「円相 場を1ドル=90円超に下げるような次のニュースが待たれている」と述 べ、「2%のインフレ目標やこれまでの介入の多くはすでに相場に織り 込まれている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.5%上昇して1ド ル=88円38銭。前日は0.8%上昇した。この日は一時1.1%高まで上昇す る場面もあった。円は今月14日には2010年6月以来の安値となる1ドル =89円67銭まで下げた。この日の円は対ユーロでは0.6%高の1ユーロ =117円45銭。

ユーロは対ドルで0.1%下げて1ユーロ=1.3289ドル。14日に は1.3404ドルと、昨年2月29日以来の高値をつけた。

ボラティリティが上昇

主要7カ国(G7)通貨の3カ月物オプションのインプライド・ボ ラティリティ(IV、予想変動率)を示すJPモルガン・チェースの指 数は8.53%と、昨年9月6日以来の最高に上昇した。昨年12月18日に は7.06%と、2007年8月以来の低水準まで下げていた。

英ポンドは対ドルで4日続落と、昨年11月以来で最長の連続安だ。 対ユーロでも安い。世界銀行は2013年の世界成長見通しを下方修正し た。ポンドは対ドルで0.4%安、対ユーロでは0.2%下落した。

世銀は緊縮策や高い失業率、企業景況感の低迷などが先進国経済の 重しとなっていると指摘した。今年の世界経済成長率予想は2.4%。6 月時点の予想の3%から下方修正された。12年の成長率は2.3%だっ た。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると円は過去1か月間で5.5%下落。ドルは0.2%上昇、ユーロ は1.2%上昇した。

ロシア中銀のウリュカエフ筆頭副総裁は16日、モスクワでの会議で 「日本は円相場を押し下げている。他の諸国も追随する可能性がある」 と語った。

日本銀行は21-22日に開く政策会合でインフレ目標について協議す る。

ベージュブック

午後に入り、米連邦準備制度理事会(FRB)が地区連銀経済報告 (ベージュブック)を発表した後もドルは対円で軟調を維持した。ベー ジュブックによると、米経済はここ1カ月、自動車や住宅の販売が寄与 し大半の地域で成長が上向いた。一方、雇用の見通しについては改善の 兆候はほとんど見られなかった。

今回のベージュブックは、今月29-30日に開催される連邦公開市場 委員会(FOMC)での協議の土台となる。一部金融当局者の間では、 量的緩和策として講じている月間850億ドル相当の債券購入を継続する 必要があるとの意見があり、ベージュブックの内容はその意見を後押し する可能性がある。

原題:Yen Advances Amid Global Currency-War Rhetoric; Rand Strengthens(抜粋)

◎米国株:売り優勢、世銀の成長見通し下方修正で景気先行きを警戒

米株式市場では売りが優勢となった。アップルが上昇したものの、 世界銀行が世界の成長見通しを下方修正したため、景気に対する懸念が 広がった。企業決算を見極めたいとの雰囲気も強かった。

全日本空輸と日本航空がボーイング787の運航を取りやめたため、 ボーイングは大幅安。カストディー(証券管理)銀行のバンク・オブ・ ニューヨーク(BNY)メロンとノーザン・トラストも下げた。一方、 前日に11カ月ぶりに500ドルを割り込んだアップルは4日ぶりに上昇し た。利益がほぼ3倍になったゴールドマン・サックス・グループも高 い。

騰落比率は2対3となった。S&P500種株価指数は前日比0.1%未 満高い1472.63で終了。ダウ工業株30種平均は23.66ドル(0.2%)下落 し13511.23ドルで終えた。米証券取引所全体の出来高は約56億株と、3 カ月平均を9.7%下回った。

チャールズ・シュワブの市場・セクター分析担当ディレクター、ブ ラッド・ソーレンセン氏は「成長見通しの下方修正は課題が残っている ことをあらためて示している」と指摘。「米国では決算シーズンについ て言及するのは早いが、今のところ比較的満足できる内容だ。年明けに 株価は順調に滑り出した。様子見に回っている資金が大量にあることは ほぼ間違いなく、それらの資金が入ってくれば株価を押し上げる可能性 がある」と述べた。

世銀

世銀は2013年の世界成長見通しを下方修正した。緊縮策や高い失業 率、企業景況感の低迷などが先進国経済の重しとなっていると指摘し た。ドイツ政府は今年の経済成長率予測を下方修正した。ユーロ圏財務 相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫 相)は、過去6カ月間にユーロが対ドルで10%上昇したことが欧州経済 を新たな脅威にさらしているとの見解を示した。

昨年12月の米鉱工業生産指数は前月比で上昇し、2カ月連続のプラ スとなった。自動車や企業設備財の生産が増えた。

S&P500種構成銘柄のうち、JPモルガン・チェースやゴールド マンのほか9社がこの日、決算を発表する予定。ブルームバーグのまと めによると、S&P500種構成企業で決算を発表した39社のうち、75% 近くが予想を上回った。第4四半期のS&P500種の増益率は2.5%と予 想されている。実際にそうなれば、2009年以降では2番目に低い伸びと なる。

バリュエーション

S&P500種は年初から3.3%上昇している。2012年は13%高。ブル ームバーグのデータによれば、実績ベースの株価収益率(PER) は14.8倍と、1954年以降の平均である16.46倍を下回っている。

JAグリンのノーム・コンリー最高経営責任者(CEO)は「プラ ス面としては株価のバリュエーションが全般にさほど高くないことがあ る」と指摘。「米国で決算シーズンが始まったが、今のところ予想を大 きく下回るものはなく、決算はやや好材料視されている」と述べた。

シカゴオプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は1%低下の13.42。一時は2007年以来の低水準を付ける場 面もあった。

ボーイングは3.4%安。米当局から安全性について既に特別調査を 受けている同社の最新鋭旅客機「787」(ドリームライナー)が新た な調査に直面している。全日本空輸の同型機が緊急着陸したのを受け、 同社と日本航空は少なくとも2日間、ドリームライナーの運航中止を決 めた。これは世界にある同型機のほぼ半分に相当する。

BNYメロンは2.8%、ノーザン・トラストは5.7%それぞれ下落。 株価上昇で手数料収入が増えたが、低金利と資本市場活動の低迷で収益 拡大能力が抑制されている。

IT株

S&P500種のセクター別では情報技術(IT)が最も上げた。ア ップルは4.2%上昇。過去3日間では7.2%下げていた。同社は他社の低 価格端末との競争で苦戦している中国で、「iPhone(アイフォー ン)」や「マックブック」の割賦払いでの販売計画を発表した。

ゴールドマンは4.1%高。ロイド・ブランクファイン最高経営責任 者(CEO)は経済と市場環境が改善すれば、業績は再び伸びるとの見 通しを示した。同CEOは2011年半ばから経費削減を進めている。株式 相場の回復とヘッジファンド管理部門の売却益5億ドルが寄与し、1- 6月(上期)には05年以来の低水準だった収入が回復した。

JPモルガンは1%高。2012年10-12月(第4四半期)決算は、前 年同期比で53%の増益となった。低金利や政府のインセンティブを追い 風に、住宅ローン関連の収入が2倍以上に増えた。

原題:Most U.S. Stocks Fall as World Bank Forecast Offsets Apple Rally(抜粋)

◎米国債:4日続伸、債務上限めぐる対立と成長懸念で逃避需要

米国債相場は4営業日続伸。米連邦債務上限をめぐる政府と議会の 対立が経済成長に悪影響を及ぼすとの懸念から、安全資産である米国債 の需要が高まった。

10年債利回りは2週間ぶり低水準を付けた。世界銀行は2013年の世 界成長見通しを下方修正。緊縮策や高い失業率、企業景況感の低迷など が先進国経済の重しとなっていると指摘した。この日発表された米消費 者物価指数(CPI)は前月比変わらず。発表後の米国債は堅調を維持 した。米ニューヨーク連銀は借り入れコストを抑えるプログラムの一環 として、米国債14億7000万ドル相当を買い入れた。

レイモンド・ジェームズの債券責任者、ケビン・ギディス氏は「債 務上限をめぐってにらみ合いが続いている」とし、「2011年の再現にな りかねないとの見方から、米国債は上昇している。市場は大統領と下院 との間でかなり激しい対立になると予想し、身構えている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下し1.82%。同年債(表面利率1.625%、2022年11月償 還)価格は5/32上げて98 1/4。利回りは一時1.80%と、2日以来の低水 準を付けた。

30年債相場

30年債利回りは1bp低下し3.01%。一時2.98%と、2日以来の低 水準を付けた。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「利 回りが3%未満では30年債の買い手はいない。買うのは金融当局だけ だ」と指摘した。

ブルームバーグが金融機関を対象に実施した調査によると、30年債 利回りは年末までに3.30%に上昇する見込みだ。

今週に入ってからの相場上昇で、米国債は過去2週間で最も割高な 水準となっている。連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開 発した金融モデルに基づく10年物タームプレミアム(期間に伴う上乗せ 利回り)によると、この日のタームプレミアムはマイナス0.77%。マイ ナスのタームプレミアムは、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極 的に受け入れていることを意味する。

債務上限引き上げ問題

オバマ大統領と共和党議員らは、債務上限の引き上げをめぐり依然 として意見が対立している。

米連邦債務は昨年12月末に現行の法定上限である16兆4000億ドルに 達し、それ以降は財務省が緊急の措置で政府支出のやりくりをしてい る。政府は毎月、社会保障や退役軍人手当、所得税還付、防衛契約関連 など約8000万件の支払いを実行している。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「押し目で買うべ きだ」とし、「『財政の崖』の議論が進む中、不透明感は強まり、金利 は上昇するだろう」と説明した。

米労働省が発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整 済み)は前月比変わらず。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト調査の予想中央値と一致した。2012年通年では1.7%上昇で、伸 びは11年(3%上昇)から鈍化した。

原題:Treasuries Rise as Growth Concern Amid Debt Talk Spurs Haven Bid(抜粋)

◎NY金:反落、需要減速を警戒-世銀が成長見通し引き下げ

ニューヨーク金先物相場は反落。世界経済の成長減速に伴う金の需 要減退に対する懸念が強まった。

スイスの地金精錬会社MKSのシニア・バイスプレジデント、アフ シン・ナバビ氏は、価格下落を見込む動きから金買いが手控えられてい ると指摘する。世界銀行は2013年の世界成長見通しを下方修正し、ユー ロ圏については2年連続のマイナス成長になると予想した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘ ッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「実需の 減速に関する発言はいかなるものでも、価格を圧迫する」と指摘。「全 体的に、景気鈍化の不安から神経質になっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前日比70セント安の1オンス=1683.20ドルで終了した。

原題:Gold Drops From One-Week High on Demand Concern; Platinum Gains(抜粋)

◎NY原油:反発、4カ月ぶり高値-在庫が予想外に減少

ニューヨーク原油先物相場は反発。ほぼ4カ月ぶりの高値となっ た。米国の原油輸入減少や消費拡大を背景に、在庫が予想外に減少し たことが手掛かり。

米エネルギー省によると、先週の原油在庫は95万1000バレル減少。 ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の中央値は220万バレルの増 加だった。消費は昨年3月以来の低水準から持ち直した。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケッ トアナリスト、フィル・フリン氏は「在庫の減少に市場は驚いた」と指 摘。「供給は想定よりも引き締まってきている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比96セント(1.03%)高の1バレル=94.24ドルで終了。終値では昨年 9月18日以来の高値となった。

原題:Oil Rises to Four-Month High as Inventories Unexpectedly Drop(抜粋)

◎欧州株:下げ消す、米指標と好決算で-TUI高い

16日の欧州株式相場は前日からほぼ変わらず。昨年12月の米鉱工業 生産指数の上昇や利益が予想を上回ったゴールドマン・サックス・グル ープの決算を背景に、ストックス欧州600指数は一時の下げを消した。

英旅行会社のTUIトラベルは3.9%高。ドイツの筆頭株主から買 収打診を受けたことが買い材料。英鉱山会社アングロ・アメリカン は3.1%下げた。南アフリカ共和国政府は同社からプラチナ採掘権を取 り上げるべきだとアフリカ民族会議(ANC)が呼び掛けたことが手掛 かり。仏銀ソシエテ・ジェネラルは2.8%安。CAシェブルーが投資判 断を引き下げた。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%未満上昇の286.03で終了。一 時は0.4%下げた。ブルームバーグがまとめたデータによれば、この日 の指数構成銘柄の売買高は30日平均を20%上回った。

HSBCプライベート・バンクのチーフ市場ストラテジスト、セバ スチャン・パリホルビッツ氏はブルームバーグテレビジョンに対し、 「状況は改善し、昨年に比べれば世界は明るくなったようだ」と指摘。 「資金が株式に向かって回っていくと確信している。将来的にみて非常 に買い得であるようだし、リスクが高めの資産に投資を向かわせるよう 勧めているのもそのためだ」と付け加えた。

原題:Europe Stocks Are Little Changed; TUI Travel Gains, SocGen Falls(抜粋)

◎欧州債:独10年債は3日続伸、入札順調で-ポルトガル債高い

16日の欧州債市場ではドイツ10年債が3日続伸した。40億 ユーロ相当の新発10年債の入札で、需要が前回入札時よりも高か ったことが手掛かり。

ドイツ2年債は1週間ぶりに上昇。同国政府が今年の経済成長 率見通しを下方修正したことを受け、域内で最も安全とされる同国 債の魅力が増した。スペイン国債は下落。ルクセンブルクのユンケ ル首相は、ユーロ高が欧州経済を脅威にさらしていると発言した。 証券入札で借り入れコストが低下したポルトガルの2年債は大幅高 となった。

KBCバンクの債券ストラテジスト、マティアス・ファンデル ユフト氏は「応札額が昨年の平均を上回り、入札での発行額は良い 水準だった」と述べ、「ドイツ国債は利回りが最近上昇していたの で、妙味が比較的増していた」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時27分現在、既発のドイツ10年債利回 りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

1.5%。11日には1.61%に達し、昨年末の1.32%をかなり上回 っていた。同国債(表面利率1.5%、2022年9月償還)の価格は この日、0.07上げ100.025。2年債利回りは1bp低下の

0.13%。前日までの4営業日で8bp上昇した。

この日行われた2023年2月償還債(表面利率1.5%)の入札 で、応札倍率は1.7倍となった。昨年11月21日の前回入札時は

1.51倍。平均落札利回りは1.56%、前回は1.40%だった。

ポルトガル2年債利回りは前日比13bp低下の3.54%。同国 政府は今年初めての証券入札で3、12、18カ月物を計25億ユー ロ発行した。落札利回りは前回入札時を下回った。

原題:German Bunds Rise Third Day After Debt Sale; Portugal Notes Gain(抜粋)

◎英国債:4日続伸、世銀が成長見通し修正-インフレ連動債高い

英国債相場は16日にかけて4営業日続伸し、昨年9月以降で 最長の上げとなった。世界銀行が今年の世界成長見通しを下方修正 したことを背景に、安全を求める動きが強まった。

インフレ連動債の発行を17日に控え、10年物インフレ連動債 利回りは一時、過去最低を付けた。

世銀は15日、今年の世界経済の成長率は2.4%との見通しを 示した。6月時点の予想の3%から引き下げた。12年の成長率は

2.3%だった。

通常の10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2%。一時は1.98%と、3日以来の低水準を付 けた。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの 日、0.21上げ97.83。

10年物インフレ連動債の利回りは6bp下げマイナス1.07%。 ブルームバーグがデータ集計を開始した1992年以来の最低となる マイナス1.08%まで下げる場面もあった。

原題:Pound Declines as Gilts Advance on World Bank Growth Downgrade(抜粋)

--取材協力:. Editors: 千葉 茂, 西前 明子

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