米国債:4日続伸、債務上限めぐる対立と成長懸念で逃避需要

米国債相場は4営業日続伸。米連邦 債務上限をめぐる政府と議会の対立が経済成長に悪影響を及ぼすとの懸 念から、安全資産である米国債の需要が高まった。

10年債利回りは2週間ぶり低水準を付けた。世界銀行は2013年の世 界成長見通しを下方修正。緊縮策や高い失業率、企業景況感の低迷など が先進国経済の重しとなっていると指摘した。この日発表された米消費 者物価指数(CPI)は前月比変わらず。発表後の米国債は堅調を維持 した。米ニューヨーク連銀は借り入れコストを抑えるプログラムの一環 として、米国債14億7000万ドル相当を買い入れた。

レイモンド・ジェームズの債券責任者、ケビン・ギディス氏は「債 務上限をめぐってにらみ合いが続いている」とし、「2011年の再現にな りかねないとの見方から、米国債は上昇している。市場は大統領と下院 との間でかなり激しい対立になると予想し、身構えている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下し1.82%。同年債(表面利率1.625%、2022年11月償 還)価格は5/32上げて98 1/4。利回りは一時1.80%と、2日以来の低水 準を付けた。

30年債相場

30年債利回りは1bp低下し3.01%。一時2.98%と、2日以来の低 水準を付けた。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「利 回りが3%未満では30年債の買い手はいない。買うのは金融当局だけ だ」と指摘した。

ブルームバーグが金融機関を対象に実施した調査によると、30年債 利回りは年末までに3.30%に上昇する見込みだ。

今週に入ってからの相場上昇で、米国債は過去2週間で最も割高な 水準となっている。連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開 発した金融モデルに基づく10年物タームプレミアム(期間に伴う上乗せ 利回り)によると、この日のタームプレミアムはマイナス0.77%。マイ ナスのタームプレミアムは、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極 的に受け入れていることを意味する。

債務上限引き上げ問題

オバマ大統領と共和党議員らは、債務上限の引き上げをめぐり依然 として意見が対立している。

米連邦債務は昨年12月末に現行の法定上限である16兆4000億ドルに 達し、それ以降は財務省が緊急の措置で政府支出のやりくりをしてい る。政府は毎月、社会保障や退役軍人手当、所得税還付、防衛契約関連 など約8000万件の支払いを実行している。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「押し目で買うべ きだ」とし、「『財政の崖』の議論が進む中、不透明感は強まり、金利 は上昇するだろう」と説明した。

米労働省が発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整 済み)は前月比変わらず。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト調査の予想中央値と一致した。2012年通年では1.7%上昇で、伸 びは11年(3%上昇)から鈍化した。

原題:Treasuries Rise as Growth Concern Amid Debt Talk Spurs Haven Bid(抜粋)

--取材協力:Neal Armstrong、Cordell Eddings、Kenneth Pringle.

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