全日空、日航:B787運航は17日も中止-不具合の原因不明

全日本空輸と日本航空はボーイング 787のすべての運航を17日も中止することを決めた。同型機をめぐっ ては、16日朝に山口宇部を離陸し羽田に向かっていた全日空機が離陸後 間もなく、バッテリーに異常を示すメッセージが出たため、高松空港に 緊急着陸し、数人の乗客が軽傷を負った。全日空と日航はこれを受 け、16日から同型機の全運航を中止し、緊急点検している。

全日空の伊東信一郎社長は16日、原因究明に全力で取り組むと述 べ、安全最優先で運航していくと国土交通省で記者団にコメントした。 同社では、原因が緊急着陸したB787に固有の問題なのか、同型機の 全般的な問題かどうかなどを調査している。全日空は保有する17機のB 787の運航を取りやめた。また、日航は同型機ですでに不具合のあっ た2機を除き、5機を運航してきたが、これらもすべて運航を中止し た。

国交省は16日、今回の問題について、事故につながりかねない「重 大インシデント」と認定、運輸安全委員会は航空事故調査官の派遣を決 めた。同省交通事業安全室の高野滋室長は同日午後、全日空と日航が運 航を見合わせたことについて「極めて重大で正しい判断だ」と述べた。 再開については両社が「国交省と相談した上で決める」とし、再開の条 件は「原因解明が必要」との考えを示した。

高野室長は、高松空港に緊急着陸した全日空機について、操縦室と 客室で「焦げ臭いにおいがしたが、煙は確認できていない」と語った。 計器に異常が表示されたバッテリーはリチウムイオンバッテリーとい う。

国交省高松空港事務所の小笠原弦空港長はブルームバーグ・ニュー スに対し、緊急着陸後にパイロットの要請を受け機体から煙が出ている ことを「管制官が確認した」と述べた。乗客らは脱出シューターで避 難。全日空の篠辺副社長は「乗客数人がすり傷を負った。1人は病院に 搬送された」と話した。

トラブル相次ぐ

B787をめぐっては、日航機が7日に米ボストンの空港でバッテ リーから出火したほか、8日には同空港で燃料漏れのトラブルを起こし た。全日空も9日に山口宇部発・羽田行きの便がブレーキ制御のトラブ ルで欠航となったばかり。国交省も燃料漏れなどの原因を調べるチーム を14日に立ち上げ、機体の調査を開始した矢先だった。

全日空の伊東社長は16日午後、太田昭宏国交相にトラブルの状況を 説明した。その後、記者団に「バッテリーが原因ではないかと報告を受 けているが、断定はできない。調査結果を待ちたい」と述べた。

全日空はB787を66機を発注しており、今年度中に20機、来年度 中に27機体制を整える計画。伊東社長は「787は先進的な良い飛行機 で、従来の新型機の導入時のトラブルと比べてそう変わらない」との認 識を示し、「導入計画は変わらない」と強調した。

菅義偉官房長官は16日の会見で「5人程度の軽傷者が出ている」と 述べ、「人命にかかわる安全のことなので、しっかり国交省で調査をし て安全確保のために全力を尽くす。そのために鋭意、努力している」と 述べた。

--取材協力:天野高志. Editor: 浅井秀樹

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