日本株5日ぶり急反落、円安一服-昨年11月以降で最大下げ

東京株式相場は5日ぶりに急反落。 為替市場で円安の勢いが一服したことや株価上昇ピッチの速さによる短 期過熱感を背景に、東証1部33業種全てが下げた。中でも電機や機械な ど輸出関連株のほか、下落率トップの海運株をはじめ、直近の急騰が目 立っていた業種の下げが大きくなった。

TOPIXの終値は前日比18.11ポイント(2%)安の888.11、日 経平均株価278円64銭(2.6%)安の1万600円44銭。日経平均の下げ 幅、下落率とも衆院解散の流れが決まった昨年11月中旬以降では最大 で、安倍政権を期待、評価する上昇相場の中で最も顕著な調整となっ た。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「円安けん 制と捉えられかねない発言がきのう甘利経済再生相から出たことで、こ れ以上の円安への強い意志が政策当局にないとして売り材料視された」 と言う。また、「円安と株高双方でスピードの速さが感じられたことか ら、その調整が来ている」とも話していた。

この日の為替市場では、急速な円安進行への警戒感が広がり、円は 対ドルで87円台、対ユーロでは116円とそれぞれ4日ぶりの円高水準ま で円買いが進んだ。15日にはユーロ圏財務相会合のユンケル議長がユー ロの為替レートは「危険なほど高い」と述べたほか、甘利明経済再生相 は「過度な円安になれば、今度は、輸入物価に跳ね返ってくる」との認 識を示していた。

テクニカル指標から見た過熱感も、相場が調整色を強めた一因 だ。15日の日経平均は2年9カ月ぶりに一時1万900円台を回復し、終 値ベースでの25日移動平均線からの上方かい離は8%と、目先過熱を示 す5%を超えていた。東証1部の騰落レシオ(25日平均)は157%まで 上昇し、昨年12月20日以来の高水準。「どのタイミングでスピード調整 が起きてもおかしくない」と、みずほ信託銀行の中野貴比呂シニアスト ラテジストが指摘するほど、過熱感は強かった。

日経平均下落幅は11年8月来

このほか需給面では、これまで日本株の上げをけん引してきたグロ ーバル投資家の動向に関し、日本株への配分が従来の「アンダーウエー ト」から「オーバーウエート」へ転じたことが、米BOAメリルリンチ が実施した1月の調査で明らかになっている。

日本株上昇の要因だった円安が小休止、そこに短期過熱感も加わ り、日経平均の下げ幅は11年8月5日(359円)以来の大きさとなっ た。ただ、カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、「株 価上昇後でもあり、日経平均は10日線(1万602円)レベルへの調整ま では値動きの誤差の範囲だ」と見る。

東証1部業種別33指数はすべて下げ、下落率上位は海運、不動産、 証券・商品先物取引、保険、繊維製品、鉄鋼、機械、パルプ・紙、ガラ ス・土石製品、電機など。きのうまでの日本株4連騰中の上昇率上位は 海運、保険、機械、鉄鋼などで、好パフォーマンス業種への売り圧力の 強さがうかがえた。

787型機緊急着陸でGSユアサ下げ

個別では、株価上昇で目標株価とのかい離が小さくなったとし、ゴ ールドマン・サックス証券が格下げしたファーストリテイリングが反 落。ボーイング787型機がきょう午前、バッテリーの不具合表示から高 松空港に緊急着陸した影響から、同型機に搭載されるリチウムイオンバ ッテリーメーカーのジーエス・ユアサコーポレーションも下げた。

一方、日本橋梁やピーエス三菱、駒井ハルテックなど橋梁銘柄は終 日堅調。共同通信が15日夜に報じたところでは、首都高速道路会社の有 識者委員会は同日、首都高の大規模修繕や建て替えなど老朽化対策費用 は1兆2300億円程度に上る、との試算を明らかにした。

東証1部の売買高は概算で36億4824万株、売買代金は同2兆261億 円。値上がり銘柄数は332、値下がりは1287。

--取材協力:Yoshiaki Nohara. Editor: 院去信太郎

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