東燃ゼネ:ジェット燃料販売を加速-LCC参入や羽田増枠に期待感

東燃ゼネラル石油は、好調な需要を 背景に価格が堅調に推移している国際線向けジェット燃料の販売を今後 増やす。格安航空会社(LCC)の参入や羽田空港の国際線発着の枠拡 充計画で大幅な需要増が見込めるためだ。

東燃ゼネラルは現在、成田、羽田、関西、那覇の4空港で国際線向 けに航空会社に燃料を販売している。同社の傘下で製品販売などを手掛 けるEMGマーケティング国際販売部の山村智部長は、ブルームバー グ・ニュースのインタビューで、具体的は販売目標は非公表だとしたう えで「この4空港で航空各社への販売数量を増やしたい」と述べた。さ らに「要望があり可能であれば他の空港でも販売する」と新たな拠点に も進出したい考えを明らかにした。

国際線向けに限って販売される燃料は「保税(ボンド)ジェット燃 料」と呼ばれ、原油や製品輸入時に課せられた税金が免税となり、国内 でも米ドル建てで取引されている。

2011年の東日本大震災と原発事故後に減便された反動やLCCの参 入などにより、保税ジェット燃料の販売量は現在、増加傾向にある。経 済産業省の統計によると、昨年1-10月期の販売量は前年同期比8%増 と、3.9%だった石油製品全体の国内販売量の伸びを上回った。

山村氏は、国内空港での保税ジェット燃料需要は「悪くても現状維 持で、良ければ増加」すると予測する。その大きなけん引役として期待 しているのが羽田空港の国際線発着の枠拡充計画だ。

42便の国際線枠拡充

国土交通省は、2014年に昼間の国際線の発着枠を新たに42便割り当 てることを計画。山村氏は、この増枠が燃料需要の増加にどれだけ貢献 するかについては「どこのエアラインがどんな飛行機で来るのかによっ て数量は変わる」としながらも、「今まで飛んで来れなかった海外の航 空会社も、昼間に飛んで来れるようになる」と需要の伸びに期待感を示 した。

年間契約に基づいて石油元売りと航空会社の間で取り決められる燃 料価格は上昇傾向。需要の増加のほか、一部の石油各社が製油所の原油 精製能力を削減したことで需給バランスが引き締まり、価格押し上げに つながった。

これまで、日本国内の保税ジェット燃料の販売価格は、アジアの取 引指標であるシンガポールのジェット燃料価格を下回る水準で取り決め られていた。山村氏は具体的な価格水準についてはコメントを控えた が、シンガポールの指標価格に対して「プラスになっているというのが ここ数年の傾向という認識はある」と話した。

震災影響の反動で足元では石油製品需要が微増傾向にあるものの、 ガソリンをはじめほとんどの油種の国内需要は減少傾向が見込まれてい る。

山村氏はそういった状況下で需要の増加が予想されているジェット 燃料は「非常に貴重だ」とし、「国内で生き残っていこうとしているわ れわれとしては、こういう油種を使う顧客に対して今まで以上に良い関 係を築きたい」と語った。

--取材協力:松田潔社、Chris Cooper. Editors: 淡路毅, 杉本 等

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