債券は上昇、緩和観測で5年入札順調-2年債利回り7年半ぶり低水準

債券相場は上昇。午後発表の5年債 入札結果が順調だったことに加え、円高・国内株安も買い手掛かりとな った。日本銀行が金融機関の当座預金口座の超過準備部分に付けている 利息(付利)を引き下げるとの観測などから、新発2年債利回りは7年 半ぶりの低水準を付けた。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比9銭高の143円23銭で始 まり、午前9時前に1銭安の143円13銭に下げた。その後は買いが優勢 となり、午後零時45分の5年債入札結果の発表後に21銭高の144円35銭 まで上昇。日中取引ベースで先月14日以来の高値を付けた。結局は17銭 高の143円31銭で引けた。

ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラテジストは 「日銀による大胆な金融緩和への期待が債券買いの安心感を強めてい る」と指摘。「付利引き下げの可能性も踏まえ、短中期ゾーンには旺盛 な需要がうかがえる」と述べた。円安・国内株高の一服や「補正予算編 成に伴う国債増発が確認できたこともサポート要因だ」と語った。「短 い年限の金利安定が支えとなり、長期ゾーンの需要もじわりと拡大して いる」と説明した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.765%で開始。その後も水準 を切り下げ、午後4時半すぎには0.745%と、昨年12月18日以来の低水 準を付けた。5年物の107回債利回りは0.5bp高い0.16%で推移した。

付利撤廃の観測

日銀の白井さゆり審議委員は先週末にローマで講演し、邦訳が16日 午前、日銀の公式サイトに掲載された。それによると、現在0.1%の付 利を撤廃した場合、国庫短期証券などの短期金利が低下して内外金利差 が開くので「為替相場を円安方向に後押しする効果が期待される」と述 べた。付利撤廃の観測もあり、2年物の324回債利回りは前回取引のあ った8日より1.5bp低い0.08%に低下。2005年7月以来の低水準を記録 した。

超長期債も堅調。20年物の141回債利回りは1.5bp低い1.74%で始ま り、午後4時半すぎには3bp低い1.725%と先月25日以来の低水準を付 けた。30年物の37回債利回りは0.5bp低い1.99%で開始。徐々に水準を 日利下げ、5時前後には先月26日以来初めて1.955%に低下した。

財務省がこの日実施した表面利率0.2%の5年利付国債(107回債) の入札結果によると、最低落札価格は100円20銭と市場予想を1銭上回 った。小さければ好調とされるテール(最低・平均落札価格の差)は1 銭で前回と変わらず。投資家の需要の強さを示す応札倍率は3.44 倍 と、前回の3.54倍をやや下回った。

みずほ証券の三浦哲也チーフ債券ストラテジストは、5年債入札結 果は「しっかりだった。投資家は債券残高の積み増しを急ぐ状況」だと 話した。日銀の白井委員が付利の撤廃に言及していることに関しては「 白川方明総裁が反対しているので、付利撤廃ではなく別の緩和策になる のではないか」との見方を示した。

円相場は上昇。14日には一時1ドル=89円67銭と10年6月以来の円 安・ドル高水準を付けたが、この日は87円95銭まで上昇する場面があっ た。円はユーロに対しても1ユーロ=116円87銭まで上昇。日経平均株 価は前日比278円64銭(2.6%)安の1万600円44銭。

--取材協力:赤間信行、池田祐美. Editors: 山中英典, 崎浜秀磨

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE