世界最大のコーヒー店チェーン、米 スターバックスは来月、ベトナムに進出する。ベトナム人が近所のカフ ェで飲んでいる濃い味の割安なコーヒーからスターバックスのコーヒー に切り替えてもらうためには、若者の支持を得る必要がある。

スターバックスはベトナム出店に当たり、人口のかなりの部分を占 める35歳未満の世代が同社のコーヒーに切り替えてくれることを目指し ている。建築士のトラン・カオ・トーさん(32)さんはその1人だ。ベ トナムのコーヒー消費量は2008-11年に65%急増した。ベトナムでは地 元ブランドや国外のライバル企業のほか、通りに点在するコーヒーショ ップがひしめいている。

「ブラックで深いりの濃いコーヒーが好きだ。スターバックスには 雰囲気を味わうためにたまには足を運ぶかもしれないがコーヒーを飲む ためではない。味が薄過ぎる」。ジーンズ姿のトーさんはハノイのカフ ェで毎朝1杯のコーヒーを飲むのが日課だ。

消費需要の急増で利益を狙うスターバックスは、来月初めにベトナ ムの金融拠点ホーチミン市に1号店を出店する。ベトナムの昨年の経済 成長率は5%。人口は約9000万人で、約60%は35歳未満だ。米バーガー キング・ワールドワイドやヤム・ブランズ傘下のKFCなど国外の外食 チェーンがベトナムで事業を拡大しつつある。

スターバックスの中国・アジア太平洋担当社長、ジョン・カルバー 氏は「プレミアム商品とわれわれが提供する経験という点で、現時点で は存在しないような方法で登場する」と説明。同社の定番飲料に加え、 ベトナム人の好みに合わせた味も提供する予定で、ハノイなど他都市に も積極的に出店していく方針を示した。

スタバプレミアム

ベトナムのコーヒー文化はフランスの植民地だった19世紀後半にさ かのぼる。統計当局によると、12年にはコーヒー173万トンを輸出し、 苦味の強いロブスタ種の世界最大の輸出国でもある。

サンフォード ・C・バーンスティーンのアナリスト、サラ・セナ トーレ氏(ニューヨーク在勤)は「スターバックスが地元のコーヒーシ ョップと真っ向から競合することはない。マクドナルドやKFCが地元 のファストフード店と直接対決することはないのと同じだ」と指摘。 「顧客は、清潔な店内やいつでも同じ味の商品、快適なサービスに対し て割高な価格を支払うだろう」と話す。

ハノイにある米コーヒーチェーン店コーヒービーン・アンド・ティ ーリーフでタブレット型端末「iPad(アイパッド)」でインターネ ットを利用していたホーチミン在住のベトナム系米国人のパイロット、 トゥアン・ファムさんは、スターバックスの常連になるつもりだ。スタ ーバックスがベトナムで成功しなければ驚きだと語る。「クール(かっ こいい)という要素はとても重要だ。若者にとってはその場所にいるの を見られるということが重要なんだ。コーヒーはそれほどおいしくはな いとしてもね」。

原題:Starbucks Vietnam Debut Faces Light Coffee Image: Southeast Asia(抜粋)

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