1月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、「相場は危険なほど高い」とユンケル議長

15日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで下落。ユー ロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首 相兼国庫相)がユーロの為替レートは「危険なほど高い」と述べたこと に反応した。ユーロは対ドルで10カ月ぶり高値まで上昇していた。

ユンケル議長はルクセンブルクで開かれた行事で発言した。発言 後、ユーロは対円でも下げ幅を拡大した。円はこれより先、ユーロに対 して2011年5月以来の安値付近から上昇していた。スイス・フランは対 ユーロで13カ月ぶりの安値に下落。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、シレーン・ハラーリ 氏(ニューヨーク在勤)は「為替レートが非常に高い水準にあるとした ら貿易にも悪影響を及ぼし、貿易を通してユーロ圏の成長にも圧力をか けることになる」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、対ドルでのユーロは0.6%安の1 ユーロ=1.3306ドル。一時は0.9%安の1.3264ドルと、日中の下げ幅と しては1月3日以来で最大となった。前日には昨年2月29日以来の高値 となる1ユーロ=1.3404ドルまで上昇した。

ユーロは対円で1.3%安の1ユーロ=118円14銭。一時は1.8%下げ て117円60銭をつけた。前日のユーロは2011年5月以来の高値となる120 円13銭を記録した。円は対ドルで0.8%上昇して1ドル=88円79銭。前 日は2010年6月以来の安値となる89円67銭まで下げていた。

ユンケル議長の発言

ユンケル議長は「ユーロ圏は崩壊のリスクがあると昨年言われ、そ れは起こらないと私は昨年述べた」と発言。「多くの努力の結果、ユー ロ圏はより安定化した」とし、今や「ユーロの為替レートは危険なほど 高い」と述べた。

スイス・フランは2011年12月7日以来で初めて1ユーロ=1.24フラ ンを抜け、フラン安が進行したた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁が10日、今年中に「緩やかな景気回復が始まる」との見通しを示した ことを手掛かりに、フランに対する逃避需要が減退した。フランは対ド ルで0.4%下げて1ユーロ=1.24フラン。

円は対ドルでの4日連続安から反発した。甘利明経済再生相が過度 な円安の弊害に言及したことを受け、円の買い戻しが活発化した。

円ショート

FXプロ・ファイナンシャル・サービシズ(ロンドン)のチーフス トラテジスト、マイケル・ダークス氏は、「市場では円のショートが大 量に積み上がっている。日本政府の方針で円が一段と下落すると投資家 が確信しているからだ」と述べ、「ここまでポジションが極端に偏る と、甘利経済再生相の発言のような材料でも相場を大きく揺さぶられ る」と続けた。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファ ンドや大口投資家による円のネットショートは8日現在で7万4096枚だ った。昨年11月16日のネットショートは3万447枚だった。

日本銀行は21-22日に開く政策会合でインフレ目標について協議す る。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニー ル会長は、「古典的な指標は円が売られ過ぎであることを示唆してい る」と指摘した。日銀は「2%というインフレ目標に真剣に取り組むこ とを示さなければならない。ただのゴールではなく、ターゲットとしな ければならない」と語った。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、過去6カ月間で円は16%下げた。ドルは4.5%下落。一方、ユ ーロは4.5%上昇した。

原題:Euro Drops as Juncker Says Shared Currency Is ‘Dangerously High’(抜粋)

◎米国株:小幅高、小売株や輸送株に買い-債務上限への懸念根強い

米株式相場は小幅高。S&P500種株価指数は上げに転じる展開と なった。連邦債務の上限引き上げ交渉に対する懸念が根強いものの、小 売株や輸送株に買いが入った。

12月の小売売上高が予想以上に増加したため、S&P500種のセク ター別では選択的消費株がけん引役となった。前日に株式非公開化の観 測で13%上昇したデルはこの日も大幅高となった。一方、アップルやヒ ューレット・パッカード(HP)を中心にハイテク株が安い。ソーシャ ル・ネットワーク・サービス(SNS)上にある情報の検索機能を発表 したフェイスブックも下落。

S&P500種株価指数は前日比1.66ポイント(0.1%)高の1472.34 で終了。一時は0.5%下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は27.57 ドル(0.2%)上昇し13534.89ドルで終えた。ダウ輸送株平均は0.7%上 昇し、5639.64と最高値を記録した。ブルームバーグがまとめたデータ によると、米証券取引所全体の出来高は約58億株と、3カ月平均 を5.7%下回った。

オークブルック・インベストメンツ(イリノイ州)の共同最高投資 責任者(CIO)として30億ドル相当の資産運用に携わるピーター・ジ ャンコブスキス氏は電話インタビューで、「小売り統計は景気拡大とい う観点からは良いニュースだ。歓迎できる。決算発表シーズン中で様子 見気分が強い。加えて、懸念し始めるには少し早いかもしれないが、債 務上限引き上げをめぐり駆け引きが活発化している」と語った。

昨年12月の米小売売上高は市場の予想以上に増加した。一方、ニュ ーヨーク連銀管轄区の製造業生産活動は1月にかけて6カ月連続で縮小 した。

債務協議

債務支払いの資金が枯渇するまで残すところあと1カ月となる中、 オバマ大統領は議会共和党に対し、債務上限の引き上げを新たな歳出削 減を引き出すための取引材料にしないよう警告した。大統領は前日、米 国がすでに承認済みの支払いを実行せざるを得ない状況にあり、債務上 限引き上げをめぐって議会との交渉には応じないとの立場を示した。共 和党議員の多くは歳出削減と債務上限の引き上げを関連付けるべきだと 主張している。

財務省はデフォルト(債務不履行)を回避するため、昨年12月末に 臨時の措置に踏み切った。ガイトナー米財務長官は14日付のベイナー下 院議長あての書簡で、連邦債務の上限突破を回避するための緊急措置は 2月半ばから3月初めまでしか機能しないと指摘した。

財務省によると、1960年以降で上限が引き上げられた、あるいは修 正されたのは79回。このうち49回は共和党出身の大統領の下で行われ た。格付け会社フィッチ・レーティングスは15日、米国の債務上限が引 き上げられなければ、米格付けを「正式に見直す」と警告した。

「2011年8月のような雰囲気」

シマング・キャナル・トラスト(ニューヨーク州エルマイラ)の上 級投資責任者、トム・ワース氏は電話インタビューで、「債務上限に関 する懸念は不透明感の強まりを意味する。政府機関の閉鎖は経済にとっ て良くない。2011年8月のような雰囲気だ。議会は再び瀬戸際の状況に 追い込もうとしている」と述べた。

ブルームバーグのまとめによると、S&P500種構成企業で決算を 発表した30社のうち、80%近くが予想を上回った。第4四半期のS& P500種の増益率は2.5%と予想されている。実際にそうなれば、2009年 以降では2番目に低い伸びとなる。

輸送株

ダウ輸送株平均は年初からの上昇率が6.3%と、S&P500種 の3.2%を上回っている。前年は5.7%高と、S&P500種を下回った。

アメリカン・センチュリー・インベストメンツの上級運用担当者、 リチャード・ワイス氏は電話インタビューで、「輸送セクターは昨年、 市場全体に対して後れを取っていた」と指摘。「2013年に入って後れを 取り戻そうとする動きが活発になっている。当社は消費と経済を比較的 楽観している。現時点で消費と住宅の改善は議論の余地がないだろう。 それが米国と世界経済にとって主な原動力となる」と続けた。

デルは7.2%高。協議が非公開だとして匿名を条件に関係者の1人 が14日に語ったところによると、デルは非公開化に向けてTPGキャピ タルとシルバーレークと協議している。

S&P500種のセクター別では通信サービスやハイテクなど3業種 が下げた。アップルは3.2%、HPは2.5%それぞれ下落した。フェイス ブックは2.7%安。

インテルやゼネラル・エレクトリック(GE)など米企業は業績が 低迷している。世界的な景気の弱さや議会の交渉難航が企業利益を圧迫 し、年央までに業績は回復する兆しがほとんど見えていない。

ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によると、インテルが今 週発表する決算で減益率は過去3年半で最大になると予想されている。 GEは過去3四半期で最も低い増益率になるとみられている。

原題:U.S. Stocks Rise as Retailer Rally Offsets Debt-Ceiling Concern(抜粋)

◎米国債:3日続伸、利回り年初来の低水準付近-債務上限への懸念で

米国債相場は3営業日続伸。利回りは年初来の低水準付近に下げ た。債務上限の引き上げをめぐる議会での対立が景気に悪影響を及ぼす との懸念から、安全資産としての需要が高まった。

ガイトナー米財務長官は、3月初めまでに債務上限が引き上げられ なければ、米国に「深刻な経済的苦難を強いる」可能性があると述べ た。これに反応し10年債利回りは低下。格付け会社フィッチ・レーティ ングスは、債務上限が引き上げられなければ、米格付けを「正式に見直 す」ことになると警告した。昨年12月の米生産者物価指数は3カ月連続 でマイナスとなった。財務省短期証券(TB)のレートは11月以来の高 水準に上昇した。

ナビゲート・アドバイザーズ(コネティカット州スタンフォード) のマネジングディレクター、トーマス・ディガロマ氏は「今は低金利環 境にある」とし、「増税が実施され、歳出削減と債務上限をめぐる不透 明感が漂う状況では、国内総生産(GDP)の成長を支持する論拠を示 すのは難しい。依然として金融当局が相場を動かしている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.83%。一時1.81%と、2日以来の低水準を付け た。同年債(表面利率1.625%、2022年11月償還)価格は3/32上げて98 4/32。

30年債利回りは1bp下げて3.03%。一時2.99%と、2日以来の低 水準となった。

TBレート

米国が支払い義務に必要な資金を使い果たすと見込まれる時期に償 還を迎えるTBのレートは、償還期間がそれより長めの証券のレートよ りも高くなっており、これは議会が債務上限の引き上げで合意できない 可能性があるとの市場の懸念を示唆している。

2月28日に償還を迎えるTBのレートは2bp上昇し、0.108%。 これは11月14日以来の高水準。4月18日償還のTBのレートは0.08% だ。昨年末の時点では、4月償還TBのレートが2月償還TBのレート を7bp上回っていた。

米国債は1日以降で最も割高な水準で推移した。連邦準備制度理事 会(FRB)のエコノミストが開発した金融モデルに基づく10年物ター ムプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)によると、この日のタームプ レミアムは一時マイナス0.77%を付けた。マイナスのタームプレミアム は、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れていること を意味する。

債務上限引き上げ問題

オバマ大統領は14日、債務上限引き上げを歳出削減協議の材料とし て利用しないよう共和党議員に警告した。大統領は、米国はすでに承認 済みの歳出に関しては支払う以外に選択肢はないため、債務上限引き上 げをめぐり共和党が求める交渉には応じないと強調した。

CRTキャピタル・グループの米国債戦略責任者、デービッド・エ ーダー氏は、債務上限引き上げをめぐる議会の動きについて、「ただ単 に合意に失敗するとは市場は考えていないだろう。一時的な事態で済む 話だ」と指摘。「どういった状況下であれ、債務の返済は可能だ。問題 なのはそれをめぐる政治の動きだ」と続けた。

原題:Treasury Yields at Almost Lowest of Year on Debt-Limit Concern(抜粋)

◎NY金:続伸、バーナンキFRB議長発言で緩和策継続に期待

ニューヨーク金先物相場は続伸。米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長が前日、量的緩和(QE)第3弾について、現在のと ころある程度の効果があるとみているが、初期段階だと述べたことが手 掛かり。

アーチャー・フィナンシャル・サービシズのシニア市場ストラテジ スト、アダム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は電話インタビ ューで、「市場は議長の発言を緩和が当面は続くシグナルと受け止めて いる」と話した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前日比0.9%高の1オンス=1683.90ドルで終了した。

原題:Platinum Tops Gold for First Time Since April on Production Cuts(抜粋)

◎NY原油:反落、債務上限問題を懸念-NY連銀指数も嫌気

ニューヨーク原油先物相場は反落。債務上限の問題が米経済に悪 影響を及ぼすとの懸念が強まった。ニューヨーク連銀製造業景況指数 が6カ月連続で縮小を示したことも売り材料となった。

オバマ米大統領は前日、債務上限引き上げをめぐり議会共和党との 交渉には応じないと言明。歳出削減とは切り離して協議するよう求め た。ニューヨーク連銀が発表した1月の同地区の製造業景況指数はマイ ナス7.8。前月はマイナス7.3に修正(速報値マイナス8.1)された。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「米国 の債務がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が心配され始めてい る」と指摘。「市場全体を混乱させるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比86セント(0.91%)安の1バレル=93.28ドルで終了。終値では9日 以来の安値となった。

原題:Oil Falls From Four-Month High Amid Debt-Ceiling Negotiations(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、米債務上限問題を警戒-スペイン入札順調

15日の欧州株式相場はほぼ変わらずとなった。米債務上限をめぐる 協議が景気回復に水を差すとの懸念が強まったほか、ドイツの経済成長 率が予想を下回った。スペイン政府証券入札は発行額が目標を上回っ た。

上期の純トレーディング収入が落ち込んだ英金融IGグループ・ホ ールディングスは1.1%下げた。ドイツの経営管理ソフトメーカー、 SAPは6カ月ぶりの大幅安。利益がアナリスト予想を下回ったことが 売り材料。仏工業用ガスメーカーのエア・リキードは1%安。バンク・ オブ・アメリカ(BOA)による投資判断引き下げが嫌気された。一 方、スウェーデンの衣料小売り、ヘネス・アンド・マウリッツ(H& M)は3.6%上昇。アナリスト予想を上回った売上高が買いを誘った。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%未満安の285.97で終了。年初 来上昇率は2.3%となっている。

アリアンツ・グローバル・インベスターズのルーシー・マクドナル ド最高投資責任者(CIO、株式担当)はブルームバーグテレビジョン のインタビューで、「財政の崖をいったん先送りした安堵(あんど)か ら相場は上昇した」と述べた上で、「財政の崖と債務上限に焦点が戻る だろう。休止への手掛かりとなる可能性がある」と続けた。

この日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が下落。仏 CAC40指数は0.3%、ドイツのDAX指数は0.7%それぞれ下げた。英 FTSE100指数は0.2%上昇。

原題:European Stocks Are Little Changed Amid U.S. Debt-Limit Concern (抜粋)

◎欧州債:スペイン債が上昇、順調な入札で-ドイツ債も堅調

15日の欧州債市場ではスペイン2年債が上昇。今年初めての 証券入札で発行額が57億5000万ユーロと、目標上限を上回った ことが手掛かり。

イタリア2年債も買われた。同国財務省は銀行団を通じ、15年 債の発行を進めている。ドイツ国債は続伸。政府発表によると、昨年 のドイツ経済成長率は3年ぶり低水準となった。欧州の救済基金、欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)は7年債を60億ユーロ発行 した。

ラボバンク・インターナショナルの債券ストラテジスト、リン・ グレアムテーラー氏(ロンドン在勤)はイタリアとスペインの国債上 昇について、「イタリアのシンジケート方式の国債発行とスペインの 証券入札が順調だったことが組み合わさった結果だ」と述べ、国債需 要は「短期的に」支えられるとの見方を示した。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン2年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.49%。同国債 (表面利率2.75%、2015年3月償還)価格は0.08上げ

100.545。10年債利回りは1bp下げ5.02%となった。

イタリア国債の2年物利回りは4bp低下し1.39%、10年物 利回りは2bp上げ4.22%。一時は6bp下げていた。

ドイツ10年債利回りは4bp下げ1.51%。前日は3bp低下 した。

英インフレ連動債

英国債市場では10年物インフレ連動債が上昇し、利回りは過去 最低を記録した。昨年12月の小売物価指数の上昇ペースが予想に反 して加速したことが要因。

ロンドン時間午後5時現在、10年物インフレ連動債利回りは4 bp低下のマイナス1.01%。一時はマイナス1.05%と、ブルーム バーグが1992年にデータ集計を開始して以来の最低となった。同 国債(表面利率1.875%、2022年11月償還)価格は0.405上 げ129.975。通常の10年債の利回りは1bp下げ2.02%。

原題:Spanish Notes Rise as Italian Securities Gain on Auction Demand(抜粋) U.K. Inflation-Bond Yield Falls to Record Low; Pound Strengthens (抜粋)

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