米国株:小幅高、小売や輸送に買い-債務上限への懸念根強い

米株式相場は小幅高。S&P500種 株価指数は上げに転じる展開となった。連邦債務の上限引き上げ交渉に 対する懸念が根強いものの、小売株や輸送株に買いが入った。

12月の小売売上高が予想以上に増加したため、S&P500種のセク ター別では選択的消費株がけん引役となった。前日に株式非公開化の観 測で13%上昇したデルはこの日も大幅高となった。一方、アップルやヒ ューレット・パッカード(HP)を中心にハイテク株が安い。ソーシャ ル・ネットワーク・サービス(SNS)上にある情報の検索機能を発表 したフェイスブックも下落。

S&P500種株価指数は前日比1.66ポイント(0.1%)高の1472.34 で終了。一時は0.5%下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は27.57 ドル(0.2%)上昇し13534.89ドルで終えた。ダウ輸送株平均は0.7%上 昇し、5639.64と最高値を記録した。ブルームバーグがまとめたデータ によると、米証券取引所全体の出来高は約58億株と、3カ月平均 を5.7%下回った。

オークブルック・インベストメンツ(イリノイ州)の共同最高投資 責任者(CIO)として30億ドル相当の資産運用に携わるピーター・ジ ャンコブスキス氏は電話インタビューで、「小売り統計は景気拡大とい う観点からは良いニュースだ。歓迎できる。決算発表シーズン中で様子 見気分が強い。加えて、懸念し始めるには少し早いかもしれないが、債 務上限引き上げをめぐり駆け引きが活発化している」と語った。

昨年12月の米小売売上高は市場の予想以上に増加した。一方、ニュ ーヨーク連銀管轄区の製造業生産活動は1月にかけて6カ月連続で縮小 した。

債務協議

債務支払いの資金が枯渇するまで残すところあと1カ月となる中、 オバマ大統領は議会共和党に対し、債務上限の引き上げを新たな歳出削 減を引き出すための取引材料にしないよう警告した。大統領は前日、米 国がすでに承認済みの支払いを実行せざるを得ない状況にあり、債務上 限引き上げをめぐって議会との交渉には応じないとの立場を示した。共 和党議員の多くは歳出削減と債務上限の引き上げを関連付けるべきだと 主張している。

財務省はデフォルト(債務不履行)を回避するため、昨年12月末に 臨時の措置に踏み切った。ガイトナー米財務長官は14日付のベイナー下 院議長あての書簡で、連邦債務の上限突破を回避するための緊急措置は 2月半ばから3月初めまでしか機能しないと指摘した。

財務省によると、1960年以降で上限が引き上げられた、あるいは修 正されたのは79回。このうち49回は共和党出身の大統領の下で行われ た。格付け会社フィッチ・レーティングスは15日、米国の債務上限が引 き上げられなければ、米格付けを「正式に見直す」と警告した。

「2011年8月のような雰囲気」

シマング・キャナル・トラスト(ニューヨーク州エルマイラ)の上 級投資責任者、トム・ワース氏は電話インタビューで、「債務上限に関 する懸念は不透明感の強まりを意味する。政府機関の閉鎖は経済にとっ て良くない。2011年8月のような雰囲気だ。議会は再び瀬戸際の状況に 追い込もうとしている」と述べた。

ブルームバーグのまとめによると、S&P500種構成企業で決算を 発表した30社のうち、80%近くが予想を上回った。第4四半期のS& P500種の増益率は2.5%と予想されている。実際にそうなれば、2009年 以降では2番目に低い伸びとなる。

輸送株

ダウ輸送株平均は年初からの上昇率が6.3%と、S&P500種 の3.2%を上回っている。前年は5.7%高と、S&P500種を下回った。

アメリカン・センチュリー・インベストメンツの上級運用担当者、 リチャード・ワイス氏は電話インタビューで、「輸送セクターは昨年、 市場全体に対して後れを取っていた」と指摘。「2013年に入って後れを 取り戻そうとする動きが活発になっている。当社は消費と経済を比較的 楽観している。現時点で消費と住宅の改善は議論の余地がないだろう。 それが米国と世界経済にとって主な原動力となる」と続けた。

デルは7.2%高。協議が非公開だとして匿名を条件に関係者の1人 が14日に語ったところによると、デルは非公開化に向けてTPGキャピ タルとシルバーレークと協議している。

S&P500種のセクター別では通信サービスやハイテクなど3業種 が下げた。アップルは3.2%、HPは2.5%それぞれ下落した。フェイス ブックは2.7%安。

インテルやゼネラル・エレクトリック(GE)など米企業は業績が 低迷している。世界的な景気の弱さや議会の交渉難航が企業利益を圧迫 し、年央までに業績は回復する兆しがほとんど見えていない。

ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によると、インテルが今 週発表する決算で減益率は過去3年半で最大になると予想されている。 GEは過去3四半期で最も低い増益率になるとみられている。

原題:U.S. Stocks Rise as Retailer Rally Offsets Debt-Ceiling Concern(抜粋)

--取材協力:Namitha Jagadeesh、Chris Burritt、Leslie Picker.

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