出光興産:ベトナム製油所建設の投資を決定、90億ドル

出光興産は15日、ベトナム・ニソ ン製油所の建設計画を決定したと発表した。建設費用や運転資金、ファ イナンスに必要な費用を含めた事業総額は90億ドル(約8000億円) で、2013年夏に着工し、17年第2四半期の操業開始を目指す。

出光の発表によると、このうち50億ドルをプロジェクトファイナン スで調達する予定で、民間銀行や公的金融機関と協調融資の手続きを今 月中に開始する。今年第2四半期までに融資の組成を完了したいとして いる。

この製油所建設計画には出光(出資比率35.1%)のほか、クウェー ト国営石油会社傘下のクウェート国際石油(同35.1%)、ベトナム国営 石油会社ペトロベトナム(同25.1%)、三井化学(同4.7%)も参加し ている。残り40億ドルについては、各社が出資比率応じて負担し、出光 の負担分は14億ドルになる。

同社は同日、ニソン製油所の建設に携わる企業連合についても決 定。日揮、千代田化工建設のほか、仏テクニップグループや韓国のSK 建設、GS建設に発注した。原油精製過程の入口にある常圧蒸留装置 (日量20万バレル)のほか、採算性の低い重油を分解するための、世界 最大級の重油直接脱硫装置(同10万5000バレル)、重油流動接触分解装 置(同8万バレル)などの二次装置も備える。このほか、年70万トンの パラキシレンを製造する石油化学関連のプラントも建設する。

度重なる延期

出光は同製油所の投資決定をこれまでに3回延期。08年の計画発表 時は13年末の操業開始を目指していた。都内で会見した松井憲一副社長 は、計画に遅れが生じたことについて、外資系の企業連合と大規模なプ ロジェクトを進めるのは社会主義国であるベトナムにとって「初めての 経験だった」と説明、「ファイナンスのルールなど、細かい条件の交渉 に時間がかかった」と指摘した。その上で、建設コスト自体は当初の計 画通りだとし、「ずれた影響はそれほどない」との見方を示した。

出光が発表した資料によると、現在のベトナムの石油製品需要は日 量35万バレル程度。これに対し、供給能力は同15万バレルにとどまって いることから、ニソン製油所の能力が不足分を穴埋めする。

軽油やガソリンを中心に今後も年平均8%程度の需要増が見込まれ ることから、同製油所で精製された石油製品はほぼすべて、ベトナム国 内向けに供給される見通し。製品はすべて、アジアの基準として用いら れるシンガポールの製品市況をベースにした価格でペトロベトナムに販 売されるという。精製する原油は株主でもあるクウェートの重質原油を 想定している。

同製油所は、首都ハノイの南方200キロ、タインホア省ニソン経済 特区内に位置している。

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