アジア製美術品で最高値の花瓶、半値以下で売却-不払いの末

2年以上前に開かれたオークション で5160万ポンド(現在のレートで約73億8000万円)で落札された中国製 の花瓶が、半値以下で売却された。最初の落札者は代金を支払わなかっ た。

精巧な装飾が施されたこの花瓶は、乾隆帝のために18世紀に制作さ れたと言われている。2010年11月11日に英競売会社ベインブリッジズが ロンドン郊外で開いたオークションに出品された。

この時の落札額は予想価格の50倍を超えた。競売会社の手数料込み の落札額は、オークションに出品されたアジアの美術品としては過去最 高値を記録した。取引に詳しい関係者によると、競売会場の室内にいた 代理人が北京を拠点とする収集家、王耀輝氏の委託で落札した。

花瓶の保有者である退職した事務弁護士、トニー・ジョンソンさん と母親のジーンさんは不払い問題の解決を2年間待っていた。関係者に よると、ジョンソンさんらは他の買い手に2000万-2500万ポンドで売却 した。売却額は公表されていない。

今回の個人取引は英競売会社ボナムズが仲介。花瓶は既に国外へ輸 送された。ディーラーらによれば、新たな保有者はアジア人収集家だと いう。

カジノのような価格

ロンドンを拠点とするディーラー、ロジャー・ケバーン氏はインタ ビューで「適正価格だ。花瓶が最初にオークションに出品された時、大 半の人々が関心を抱いた価格だ。真の価値を反映した価格で落ち着い た」と指摘。不払い問題の解決について「朗報だ。対処が必要な問題だ った。少なくとも通常の取引ではとてもあり得ない価格だったため、市 場の信頼感の全体的な水準には影響しなかった。5160万ポンドはカジノ のような価格だった」と振り返った。

欧州美術財団が11年3月に発表したリポートによると、中国の美術 品と古美術品のオークション売上高は10年に60億ユーロ(現在のレート で7100億円)と、前年比で177%急増した。その後、中国の経済成長は 鈍化し、欧米の競売会社は不払い対策として手付金を導入。中国の古美 術品の需要は後退している。

(レイバーン氏は美術品市場に関してブルームバーグ・ニュースに 寄稿しています。この記事の内容は同氏自身の見解です)

原題:Chinese Vase Resold for Less Than Half $83 Million Record Price(抜粋)

--取材協力:Rob Sheridan.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE