首相が浜田教授らと意見交換-日銀人事の話はなかったと加藤氏

安倍晋三首相は15日昼、内閣官房参 与の浜田宏一米エール大学名誉教授ら学識経験者と官邸で昼食を取りな がら金融政策について意見交換した。4月に任期を迎える日本銀行の白 川方明総裁の後任人事に関する具体的な話はなかったという。加藤勝信 官房副長官が会談後、記者団に明らかにした。

加藤氏によると会合では政府・日銀による共同文書作成を前提に協 議したとしており、参加者からは大胆な金融緩和を求める意見が出たと いう。浜田氏は記者団に対し、「金融政策はデフレの時は必要だという 点については意見が一致していたと思う」との認識を示した。加藤氏は 日銀総裁人事に関する具体的な話については「そういう発言は一切、な かった」と強調した。

首相は、13日のNHKの番組で次期総裁の条件について「基本的に は大胆な金融政策を実行できる人、われわれの主張に合う人ということ で考えてほしい」と指摘。その上で、「官邸で15日にエール大学の浜田 先生をはじめ金融の専門家の皆さんに集まってもらい、お話を聞きなが らどういう人がいいのかを考えたい」と語っていた。

会談には浜田氏のほか、中原伸之元日銀審議委員、岩田規久男学習 院大教授ら有識者に加え、麻生太郎副総理兼財務相、甘利明経済再生担 当相、菅義偉官房長官も同席した。

国会同意人事

自民党は12月の衆院選で2%の物価目標を唱えて勝利している。次 期総裁候補として、日銀による外債購入を提唱した岩田一政元日銀副総 裁や自民党政権で経済財政担当相などを務めた竹中平蔵慶応大学教授の ほか、武藤敏郎元財務事務次官、黒田東彦アジア開発銀行(ADB)総 裁(元財務官)らの名前が日本の報道機関で取り沙汰されている。

日銀正副総裁人事は衆参両院での承認が必要な国会同意人事案件。 自民、公明両党は参院で過半数に満たないため、一部野党の賛同を得る 必要がある。

参院(総定数242)は欠員があるため現在の議員数は236人。議長は 通常、議決に加わらないため、過半数は118人となる。自民、公明両党 は合わせて102人で、同意人事案可決には野党などから16人以上に賛成 してもらう必要がある。民主党は87人と参院の第一会派だが、仮に民主 党が反対に回っても、金融緩和を唱えてきたみんなの党(11人)、日本 維新の会(3人)、新党改革(2人)が賛成すれば過半数確保は可能 だ。

このうち、みんなの党は武藤氏ら財務省出身者の起用に難色を示 す。渡辺喜美代表は13日のNHK番組で、「日銀官僚を徹底して説得で きるだけの学識、これがないとダメだ。マクロ経済政策や金融論の博士 号を持っているのが必須条件」と指摘。その上で、「天下り人事で、次 官経験者だから日銀総裁になるんだ、これだけは絶対ダメだ」との考え を示している。

一方、民主党は2008年の正副総裁人事で当時の福田康夫政権が総裁 候補として提示した武藤氏ら財務省出身者の起用に反対した経緯があ る。 民主党の公式ウェブイトによると、海江田万里代表は10日の記者 会見で、「現段階では方向性を決定してはいない」と語った。

--取材協力:. Editors: 杉本 等, 浅井秀樹

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