米JPモルガンにリスク管理の是正命令-「鯨」事件で

米銀JPモルガン・チェースは62億 ドル(約5542億円)強の取引損失を出した昨年の「ロンドンの鯨」事件 をめぐり、米監督当局からリスクと監査の管理強化を命じられた。同行 はこれらの命令を受け入れるとともに、マネーロンダリング(資金洗 浄)の防止策を増強することも約束した。

損失を出したチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)部門 を調査してきた米連邦準備制度理事会(FRB)と米通貨監督庁( OCC)は14日、同行の管理体制、リスク評価モデル、監査機能、取締 役会への問題報告プロセスを批判。CIO部門を対象にした是正命令を 出すとともに、より広範囲なマネーロンダリング防止策を命じた。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO、56)が昨年5月に 「甚だしい」過ちに起因した取引損失と呼んだ同事件を受けて、監督当 局が同行に対する制裁措置を発表したのはこれが初めて。市場を動かす ほど大きなポジションを抱えて「ロンドンの鯨」という異名を取った英 国のトレーダー、ブルーノ・イクシル氏はクレジットデリバティブの投 資に失敗し、損失を膨らませた。

FSAも正式調査

巨額損失を出したこの取引をめぐっては、米証券取引委員会 (SEC)や米連邦捜査局(FBI)なども調査している。英金融サー ビス機構(FSA)も14日、違法行為がなかったかどうかの正式調査を 続けていることを明らかにした。法執行を伴う正式調査に入ったことは 通常、金融違反行為の十分な証拠をFSAがつかんだことを意味する。

FRBはJPモルガンの取締役会にリスク管理と内部監査、財務機 能の監視強化計画を60日以内に提出することを命じたほか、経営トップ の報酬システムの見直しを求めた。

JPモルガンの取締役会は、問題を引き起こしたCIO部門へのダ イモンCEOの監督不行き届きを指摘する内部報告書を16日の決算発表 の際に公表することを検討している。事情に詳しい関係者2人が明らか にした。関係者が匿名を条件に述べたところによると、内部報告書は昨 年7月に公表された暫定報告に基づく内容で、15日の取締役会に提出さ れ、公表するかどうか採決する段取り。

JPモルガンは14日発表された監督当局の命令に同意するに当た り、不正行為について肯定も否定もしなかった。制裁金は科せられなか った。広報担当ジョゼフ・エバンジェリスティ氏は取引損失に関する 「同意命令で特定された問題を全面的に是正すべく懸命に努めている」 とコメントした。

原題:JPMorgan Ordered by Fed, OCC to Fix Controls After Whale Bet (3)、FSA Investigating JPMorgan Over London Whale Trading Losses (1)(抜粋)

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