みずほFG:海外でトップバンカー起用へ-M&Aで外資に対抗

みずほフィナンシャルグループは日 本企業関連のクロスボーダーM&A(企業の合併・買収)の助言業務を 強化するため、米州と欧州でトップクラスのバンカーを複数採用してい く方針であることが分かった。

みずほ証券は特にヘルスケア、エネルギー、テクノロジー、メディ ア、通信などの分野のカバレッジを同地域で強化するため、企業幹部に 自由に接触できるバンカーを複数起用したい考えだ。本山博史社長がブ ルームバーグ・ニュースの取材に応じ明らかにした。人数については言 及を避けたが、10人以下を想定している。

日本企業は経済の停滞や少子化により国内市場が縮小する中で国際 ビジネスを強化。これに伴い2012年は海外で過去最大規模に上る企業株 式や資産を買収した。みずほFGの同分野での陣容の拡大は、モルガ ン・スタンレーなどグローバル金融機関が収益性を向上させるため大幅 な人員削減を行っている動きと対称的だ。

みずほ証の本山社長(58)は11日のブルームバーグ・ニュースとの インタビューで、クロスボーダー案件に加え、日本企業による関連会社 の売却や国内企業の再編の動きなど、「パイプラインはそれなりに広が っている」と述べた。また、「海外企業のCEOを日本の企業に紹介で きるかどうかが重要」とし、外国銀行と競合していくためにも「社内に そうした能力をもつ人材が必要だ」と語った。

若手バンカーをNYに派遣

ブルームバーグの集計によれば、みずほFGは12年の日本企業によ るM&Aアドバイザリーランキングで、取引金額ベースで野村ホールデ ィングスを抜き、首位についている。みずほはソフトバンクによる 約200億ドル(1兆8000億円)の米スプリント・ネクステル買収の助言 と資金調達のアレンジを行った。日本企業関連の海外でのM&Aは全体 で1150億ドルと、少なくとも2000年以降で最大規模となっている。

また、みずほ証は今年、日本で勤務している若手バンカーをニュー ヨークやロンドンに2-3人ずつ「トレーニー」として派遣する方針 だ。経験やノウハウを得ることで、クロスボーダー案件に関わることの できる人材を育成するのが狙いだ。みずほには現在130人のM&Aバン カーがおり、ニューヨークとロンドンに約10人ずつ在籍している。

みずほFG株は15日午前中に一時1.8%高まで上昇した後、先週末 比変わらずの169円で取引を終えた。

「経営者の本音」

M&Aアドバイザリー業務を手掛けるカチタスの平井宏治社長は、 「M&Aの助言は属人性が非常に高い仕事。ネットワークを持ち、企業 トップと信頼関係のあるシニアバンカーがいるかがファームにとって重 要だ」と指摘した。また、「経営トップが、バンカーに『おまえだけに 話す』というようなこともあり、経営者から本音を聞ける関係を構築で きているかどうかが極めて大切だ」と語った。

一方、世界の金融業界では人員削減の動きが顕著になっている。モ ルガンSは向こう数週間で投資銀行と後方支援部門を合わせ、世界で 約1600人を削減する計画で、その半数は米国で実施すると、事情に詳し い関係者が9日に述べている。

また、モルガンSはアジアで投資銀行部門の人員を約15%減らす計 画も14日までに明らかになっている。関係者によれば、モルガンSでは アジアのマネジングディレクター、サウル・ラッカ、レオン・グオの両 氏を含むバンカーが同部門を離れる。一連の人員削減は今週から始まる という。

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