1月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円下落、一時89円台後半-日銀人事めぐり緩和期待

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで2010年6月以来の安値 を付けた。安倍晋三首相が金融緩和の拡大に積極的な人材を日銀総裁に 起用するとの見方から、円売りがかさんだ。

円はユーロに対しても下げ、2011年5月以来で初めて1ユーロ =120円台の円安水準に一時下落。景気刺激のてこ入れを先週示した安 倍首相は次期日銀総裁について、「大胆な金融政策を実行できる人」が 望ましいと発言した。日銀は来週政策会合を開く。ユーロは対ドルで10 カ月ぶり高値に上昇。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長 は講演で、「より力強い労働市場」を望むと述べた。

RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・キム 氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は電話インタビューで、 「ここ数週間に日本政府が提案した変革は極めて重要であり、円の売り 材料になっている」と指摘。「きょう出たニュースはこれまでの憶測す べてと一致する内容だ。市場はこの憶測に基づいて取引している」と述 べた。

ニューヨーク時間午後4時36分現在、円は対ドルで前営業日 比0.3%安い1ドル=89円41銭。一時は2010年6月25日以来の円安水準 となる89円67銭まで下げた。円は対ユーロで0.5%下げ、1ユーロ=119 円58銭。2011年5月4日以来の安値である120円13銭を付ける場面もあ った。ドルは対ユーロで0.2%安の1ユーロ=1.3375ドル。

14日の日本市場は成人の日の祝日で休場だった。

「大胆な政策を実行できる人」

日本政府は先週、国費10兆3000億円規模の緊急経済対策を打ち出し た。

また、野村証券と岩田一政・元日本銀行副総裁によれば、安倍首相 が総裁を務める自民党は50兆円に上る公算の大きい外債購入ファンドの 設置を検討している。JPモルガン証券は総額がその2倍になる可能性 もあるとしている。

安倍首相はNHKの「日曜討論」で日銀総裁の条件について聞か れ、「基本的には大胆な金融政策を実行できる人、われわれの主張に合 う人ということで考えてほしい」と発言した。白川方明総裁は4月に任 期が切れる。

日銀は21-22日の政策決定会合で現在1%としている「中長期的な 物価安定の目途(めど)」の見直しについて協議する。安倍首相は2% のインフレ目標の設定を求めている。

ドルは対ユーロで3営業日続落。オバマ米大統領は債務上限の問題 を財政協議での交渉材料にしてはならないと議会に警告した。

「市場が大混乱する恐れ」

オバマ大統領はホワイトハウスで記者会見し、債務上限が引き上げ られなければ、「市場が大混乱する可能性がある」と発言。すでに積み 上がった支払いの義務は履行しなくてはならないと述べた。

サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁はカリフォルニア州での 講演で、金融当局は「下期(7-12月)に入ってもしばらく」資産購入 を続ける必要がありそうだとの認識を示した。

バーナンキFRB議長はミシガン州アナーバーで米経済が迎えてい る逆境について講演した。

原題:Yen Reaches Weakest Since 2010 on BOJ Easing Bets; Euro Advances(抜粋)

◎米国株:総じて安い、アップルの下げで-デルは急伸

米株式市場ではS&P500種株価指数が小幅安。デルが急伸したも のの、アップルがスマートフォン(多機能携帯端末)「iPhone (アイフォーン)」販売に関する懸念から下げ、相場全体を抑えた。

アップルは3.6%安。低調な需要を背景に同社がアイフォーンの生 産を減らしているとの報道が嫌気された。JPモルガン・チェースが投 資判断を引き下げたスプリント・ネクステルは安い。一方、デルは13% 高。事情に詳しい関係者2人によると、同社はプライベートエクイティ (PE、未公開株)投資会社と株式非公開化で協議している。ヒューレ ット・パッカード(HP)は上昇。米調査会社ガートナーがまとめた昨 年10-12月(第4四半期)のパソコン(PC)市場シェアによると、 HPが中国のレノボ・グループ (聯想集団)から首位の座を取り戻し た。

S&P500種株価指数は前営業日比1.37ポイント(0.1%)下落 の1470.68で終了。一方、ダウ工業株30種平均は18.89ドル(0.1%)上 昇し13507.32ドルで終えた。米証券取引所全体の出来高は約56億株と、 3カ月平均を8.1%下回った。

ノースコースト・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、 フランク・インガーラ氏は「アップルが下げれば、市場も下げる。問題 はいずれは製品を売る相手がいなくなることだ。世界がアップル製品を 買い続けるにも限度がある。株価の下げは妥当であり、市場全体への比 重が高いことから相場に影響していることも理にかなっている」と述べ た。

低い増益率予想

ブルームバーグのまとめによると、S&P500種構成企業で決算を 発表した28社のうち、80%近くが予想を上回った。第4四半期のS& P500種の増益率は2.5%と予想されている。実際にそうなれば、2009年 以降では2番目に低い伸びとなる。

S&P500種のセクター別では生活必需品株と工業株が上昇した半 面、通信サービスと情報技術(IT)銘柄が下落した。

アップルは3.6%安の501.75ドル。日本経済新聞が匿名の部品メー カ-幹部の話として報じたところによれば、アップルは1-3月に発注 する「アイフォーン5」用液晶パネルを当初計画の6500万台分から約半 分に減らした。アトランティック・エクイティーズ・サービス(ロンド ン)のアナリスト、ジェームズ・コードウェル氏は、アップルがリード する先進国市場でスマートフォンが飽和状態にあることから、アイフォ ーンの売り上げが伸び悩んでいると指摘した。

スマートフォン「ブラックベリー」のメーカー、カナダのリサー チ・イン・モーション(RIM)は10%高。競合するアップルのアイフ ォーンの需要が弱まっているとの見方が背景にある。

スプリント・ネクステルは3.9%安の5.69ドル。JPモルガンのア ナリスト、フィリップ・キュージック氏はスプリントの投資判断を「オ ーバーウエート」から「中立」へ引き下げた。今後12カ月の株価予想は 6ドル。

デル

デルは13%高の12.29ドルと、2008年10月以来の大幅高。同社は非 公開化に向けて少なくとも2社と協議している。協議が非公開だとして 匿名を条件に関係者の1人が話した。両関係者によると、協議はまだ予 備段階にあり、資金調達方法を提示できない可能性があることなどを理 由に合意に至らない可能性もある。

キーコープのプライベートバンキング部門のチーフ投資ストラテス ト、ブルース・マケイン氏は「マクロ経済ニュースがないとき、相場を 押し上げるのは明るい憶測に限る」と指摘した。「2012年の株式相場は かなり堅調だった。今年は順調に滑り出し、決算シーズンに注目が集ま っている」と語った。

HPは4.9%高の16.95ドル。ガートナーの14日発表によると、レノ ボのPC販売は前年同期比8.2%増と、5大メーカーの中で最も大きく 伸びたが、業務用に強いHPが市場シェアを前年同期の15.5%か ら16.2%に拡大し、レノボを上回った。

原題:S&P 500 Falls as Apple Slump Overshadows Rally in Dell’s Shares(抜粋)

◎米国債:10年債利回り、1週ぶり低水準付近で推移

米国債市場では10年債利回りが1週間ぶり低水準付近で推移。連邦 債務上限の引き上げをめぐり議会が合意できなければ、景気に悪影響が 及ぶとの警戒感から米国債に買いが集まった。

オバマ大統領は債務上限が引き上げられなければ、「市場が大混乱 する可能性がある」と指摘した。これに対し共和党指導部は歳出削減を 求めた。一方でサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、金融当局 は「下期(7-12月)に入ってもしばらく」資産購入を続ける必要があ りそうだとの認識を示した。これを手掛かりに10年債利回りは一時1週 間ぶり低水準を付けた。ニューヨーク連銀はこの日、米国債14億7000万 ドル相当を買い入れた。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「債務上限をめぐ る合意は経済成長にも重しとなる」と指摘。「相場はここから上昇が続 く可能性もある」と分析した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後3時55分現在、10年債利回りは前週末比1ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の1.86%。一時1.83%と3日以来の低水準を 付けた。同年債(表面利率1.625%、2022年11月償還)価格は2/32上げ て97 29/32。30年債利回りはほぼ変わらずの3.05%。

「抜け穴はない」

米連邦債務は昨年12月末に現行の法定上限である16兆4000億ドルに 達した。財務省は異例の対策で政府支出のやりくりを始めているが、議 会予算局(CBO)によれば、早ければ2月半ばにそれも使い果たす。

オバマ大統領は、共和党議員は連邦借り入れ権限の早期引き上げを 拒否しても、「身代金を受け取ることにはならない」と指摘。「ここに マジックはない。抜け穴も安易な逃げ道もない」と述べた。

ベイナー下院議長(共和、オハイオ州)は声明で、「歳出を同時に 減らさないのであれば、債務上限の引き上げは有権者の支持を得ない」 と指摘。またマコネル上院院内総務は、債務上限をめぐる議論は歳出問 題に対処する「絶好の機会」だと述べた。

エコノミスト調査では、あす15日に発表される昨年12月の小売売上 高は前月から伸びが鈍化、生産者物価指数は前月比で低下が見込まれて いる。これも米国債には買い材料となった。

金融当局と米国債

シカゴ連銀のエバンス総裁は、この日香港で、インフレ率が時とし て金融当局の目標である2%をやや上回ることがあるかもしれないと述 べた。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「依然として金 融当局が米国債を動かす主な要因だ」とし、「米国債利回りは引き続き 徐々に低下していくだろう」と述べた。

10年債と同年物インフレ連動債(TIPS)の利回り格差は2.53ポ イント。過去10年間の平均は2.19ポイント。

ニューヨーク連銀は毎月850億ドルの債券購入の一環として、2036 年2月から42年11月に償還を迎える米国債を買い入れた。

原題:Treasury 10-Year Yields at Almost Low in Week on Debt Ceiling(抜粋)

◎NY金:反発、米国の緩和措置は継続との観測強まる

ニューヨーク金先物相場は反発。米国が緩和措置を継続するとの観 測が強まったことから、金買いが優勢になった。

シカゴ連銀のエバンス総裁は、米当局は景気を支えるため緩和的な 政策を維持する必要があるとの認識を示した。金先物は4日、米連邦公 開市場委員会(FOMC)議事録で債券購入プログラムが年内に終了す る可能性が示されたことを背景に、4カ月ぶり安値をつけていた。

バードモント・キャピタル(パナマ)のスコット・ガードナー最高 投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「きょうの発言が支えに なっているのは間違いない」と指摘。「月初に発表されたFOMC議事 録を受けて、金投資の妙味は薄れていた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前営業日比0.5%高の1オンス=1669.40ドルで終了した。

原題:Gold Futures Gain on Speculation U.S. Stimulus Will Continue(抜粋)

◎NY原油:反発、4カ月ぶり高値-シーウェイが操業再開

ニューヨーク原油先物相場は反発。ほぼ4カ月ぶりの高値となっ た。シーウェイパイプラインが拡張後の操業を開始したことや、ヒー ティングオイル(暖房油)の急上昇が買い材料になった。

シーウェイパイプラインは11日、オクラホマ州クッシングからメキ シコ湾岸をつなぐサービスを再開した。新たな輸送能力は日量40万バレ ルに拡大。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格 を圧迫していたクッシングの過剰在庫の解消に貢献するとみられてい る。ヒーティングオイルはほぼ2カ月ぶりの大幅高。米東部や中西部で 寒波の予報が出ていることが手掛かり。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケッ トアナリスト、フィル・フリン氏は「シーウェイのニュースで原油は上 昇している」と指摘。「非常に寒くなることが予想されるため、ヒーテ ィングオイルの需要見通しが高まっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前営業 日比58セント(0.62%)高の1バレル=94.14ドルで終了。終値では昨 年9月18日以来の高値となった。

原題:Oil Rises to Four-Month High on Seaway as Heating Oil Jumps(抜粋)

◎欧州株:3日続落、行き過ぎ感が台頭-米企業決算に注目

14日の欧州株式相場は3営業日続落。最近の相場上昇が利益見通し に照らして行き過ぎとの懸念が広がった。米企業決算が注目されてい る。

オランダの速配サービス会社TNTエクスプレスは41%急落。米ユ イテッド・パーセル・サービス(UPS)がTNT買収を断念したこと が売り材料。フランス電力会社(EDF)は約1年1カ月ぶりの大幅 高。再生可能エネルギーに絡む同社のコストの穴埋めで仏政府が合意し たことが好感された。

ストックス欧州600指数は前週末比0.4%安の286.01で終了。3日続 落はここ4週間で最長の下げ。指数構成銘柄のバリュエーション(株価 評価)が11四半期ぶりの高水準に達したほか、中国でのインフレ加速で 刺激策の余地が抑えられるとの懸念から、同指数は先週下げた。

ブルーイン・ドルフィン・セキュリティーズ(ロンドン)のファン ドアナリスト、ガイ・フォスター氏は「相場はこれまで大きく上昇した ため、現在のバリュエーションはやや高いようにみえる。米決算シーズ ンが示唆する方向性を待っているところだ」と語った。

この日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が低下した。 英FTSE100指数は0.2%下げた。一方、仏CAC40指数は0.1%未 満、ドイツのDAX指数は0.2%それぞれ上げた。

原題:European Stocks Decline for Third Day; TNT Express, PostNL Slump(抜粋)

◎欧州債:スペインとイタリア債下落、発行控え-英独債は上昇

14日の欧州債市場ではスペイン国債が下落し、10年債利回り は1カ月ぶりの大幅上昇となった。今週の国債入札で計45億ユーロ 相当を発行するとの計画が売り材料。

2年ぶりに15年物の国債を発行する計画を明らかにしたイタリ アの債券も軟調。1999年のユーロ導入以来最悪のパフォーマンスで 今年を始めたドイツ国債は、3営業日ぶりに上昇。ユーロ圏の昨年 11月の鉱工業生産が予想に反して落ち込んだことが手掛かり。フラ ンスはこの日、70億ユーロ相当の証券を発行した。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の債券ストラテジスト、 ピーター・チャトウェル氏は「スペインとイタリアからの発行に市場 は備えている」とし、「先週の大幅上昇を考えると、これが両国債の 利回りを押し上げた」と語った。

ロンドン時間午後4時31分現在、スペイン10年債利回りは前 週末比14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

5.03%。一時は17bp上げ、先月10日以降で最大の上昇となっ た。11日には4.84%と、昨年3月1日以来の低水準を付けていた。 同国債(表面利率5.85%、2022年1月償還)価格はこの日、

1.065下げ105.83。

スペインは2015、18、41年に償還を迎える国債の入札を17 日に実施する。イタリアは新発15年債を銀行団方式で「近い将来、 市場環境と関連づけながら」発行すると明らかにした。

ドイツ10年債利回りは前週末比3bp低下の1.55%。11日 には1.61%と、昨年10月25日以来の高水準となった。バンク・ オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチがまとめた指標によると、ド イツ国債のリターン(収益率)は11日までの年初来でマイナス

1.7%だった。

英国債は続伸

英国債相場は続伸。ユーロ圏鉱工業生産の発表が、比較的安全と される同国債の需要を支える要因となった。

ロンドン時間午後4時50分現在、10年債利回りは前週末比5 bp低下の2.04%。4日には2.14%まで上げ、昨年4月30日以 来の高水準を付けた。同国債(2022年9月償還)価格はこの日、

0.39上げ97.50。2年債利回りは1bp低下し0.38%。一時は 2日以来の最低となる0.36%まで下げた。

原題:Spanish, Italian Bonds Fall Before Sales as German Bunds Advance(抜粋) Gilts Rise Second Day as Euro-Area Production Drops; Pound Falls(抜粋)

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