【今週の債券】長期金利0.8%割れ試す展開-緩和観測で金利低下圧力

今週の債券市場で長期金利は約2週 間ぶりに節目の0.8%割れを試す展開が予想されている。日本銀行によ る追加金融緩和観測が高まっており、金利に低下圧力が掛かりやすいこ とが背景だ。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが11日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.75%-0.86%となった。0.8%を下回れば昨年12月28日以 来となる。前週末終値は0.81%。

日銀は来週21、22日に金融政策決定会合を開催する。政府は先週に 決定した事業規模20.2兆円の緊急経済対策で、日銀との連携を強化する 仕組みの構築を明記した。安倍晋三首相は対策決定後、記者会見し「デ フレ・円高からの脱却のために政府・日銀の連携による大胆な金融政策 が不可欠。併せて日銀が供給したお金を使うことが必要だ」と話した。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンド マネジャーは、「政府と政策協定を組むことで日銀には大きな転機とな り、これまでの基金の積み増しだけでは許されないだろう」との見方を 示した。来週の決定会合を占う上で、市場では15日開催の日銀支店長会 議での白川方明総裁の発言が注目されている。

5年債入札

財務省は16日、5年利付国債の入札を実施する。前週末の入札前市 場で5年物は0.17%付近で推移しており、表面利率(クーポン)は前回 債と横ばいの0.2%となる見込み。発行額は2兆5000億円程度。

新発5年債利回りは11日に一時0.15%に低下し、昨年12月に付けた 9年半ぶりの低水準に並んだ。野村証券の松沢中チーフストラテジスト は、入札について、5年債は「日銀政策の思惑で大きく買われ、絶対水 準やレラティブバリュー(相対価値)ともに割高となり、入札での妙味 を見出せない」と指摘した。

一方、米国では14日に米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナン キ議長が講演する。16日には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が 公表される。JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運 用部長は「金融政策に言及すれば注目されるが、従来の姿勢を維持する 内容であれば、影響はなさそう」との見方を示した。

11日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は3月物、10年国債利回りは327回債。

◎大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長

先物3月物143円20銭-144円00銭

10年国債利回り=0.78%-0.86%

「日銀の金融緩和策をにらんで中期債や先物には買いが入りそう だ。一方、株式などのリスク資産の上昇で長い年限は買いにくく、軟調 推移になるとみている。長期金利は0.8%台前半を中心にもみ合い。5 年債入札については、先週末には付利(金融機関の超過準備に付与して いる利息)の撤廃を当て込んで5年債が買い進まれたため、あまり良く ないかもしれない」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人氏

先物3月物143円30銭-144円30銭

10年国債利回り=0.75%-0.85%

「日銀決定会合に向けて相場は堅調な推移になるとみている。一 方、国債増発も具体化してくるが、すでに市場でイメージが固まりつつ あり相場への影響は限られそうだ。2月からの増発額が抑えられそうな ことも安心材料になる。海外要因よりは国内要因に目が向きやすく、円 安・株高も背景には緩和期待があるため、必ずしも売り材料にはならな いとみている」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治氏

先物3月物143円30銭-144円20銭

10年国債利回り=0.78%-0.85%

「来週の日銀金融政策決定会合に向けて白川日銀総裁の発言と、株 式や為替市場の反応に要注意だ。先週末の6カ月物TB入札や1-3年 ゾーンの国債買い入れオペを見ると、市場は付利引き下げの可能性を織 り込んでおり、5年債入札は波乱なく通過するのではないか。米国市場 も15年6月までゼロ金利政策を継続するのであれば、5年債は売られに くく長期金利の上昇は限られるだろう」

--取材協力:船曳三郎. Editors: 山中英典, 崎浜秀磨

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