アイシン:印マヒンドラから受注、複数の中国企業と契約間近

トヨタ自動車グループの部品メーカ ー、アイシン精機は、インドのマヒンドラ・マヒンドラから初めて注文 を獲得した。インドの地場の自動車メーカーとの取引は初めてで、昨年 の経営計画で掲げた海外事業やトヨタグループ以外への販売強化に弾み をつけたい考えだ。

藤森文雄社長が愛知県刈谷市の本社での10日のインタビューで、ト ラックなどの商用車を主に手掛けるマヒンドラから昨年、エンジンオイ ルを循環させるオイルポンプの受注を獲得したことを明らかにした。そ れ以外にも、中国の地場メーカーとも交渉を進めており、「ほぼ決まり そうなところがある」と契約締結の最終段階にある案件が複数あると話 した。

藤森氏は、新しい計画のもとでこれまで取引がなかった世界中の自 動車メーカーと接触を試みたといい、「相当動き回った。前進があった と思っている」と計画達成への第一歩と位置づけた。広報担当の磯貝美 穂氏によると、インドメーカーとの契約はアイシン精機として初めて。 中国でも販売の約9割をトヨタなどの日本企業が占め、地場メーカーへ の浸透が課題だったという。

アイシン精機は昨年4月に発表した中長期の経営計画で海外事業の 強化を掲げ、2020年度に連結売上高を10年度比で少なくとも46%増の3 兆3000億円以上に伸ばし、そのうち50%以上を日本以外で稼ぐ目標を掲 げていた。

海外強化に変更なし

直近で円安ペースが加速していることについて、藤森氏は行き過ぎ た円高が是正されている動きで、「いい方向に進んでいる」と評価。1 ドル=90円台から100円ぐらいで定着してほしいとの考えを示した。

一方、為替動向にかかわらず、海外事業を強化し、国外の生産を拡 大していく方針については、顧客のいる場所で生産するという地産地消 の考えに基づくもので、「変えるつもりはまったくない」と強調した。 中国やインドの地場メーカーだけでなく、ブラジルなどその他の新興国 でも日系や欧米メーカーの取引ができていないところを進めていきたい と話した。

アイシン精機の資料によると、11年度の連結売上高に占めるトヨタ グループ向けの販売比率は64%だった。藤森氏によると、独フォルクス ワーゲンをはじめとする海外メーカーのほか、日産自動車やホンダなど 日本の自動車メーカーの受注も増えており、10年度に7156億円だった非 トヨタ向けの自動車部品の売り上げを中長期計画の最終年度である20年 度までに倍増させたいと話した。

海外M&Aにも関心

藤森氏によると、アイシン精機は自社の力で事業を拡大させる自前 主義の会社で、M&A(企業の合併・買収)には積極的ではなかった。 しかし、海外展開を加速させる中でその姿勢を転換し、今では視野に入 れるようになったといい、「技術を補完できるとか、お互いの資産を活 用するほうがメリットがあるなど意義があるものならやりたいと思って いる」と述べた。

現時点で具体的な案件はないと前置きした上で、藤森氏は、興味が ある分野として金型成形の一つであるダイカスト事業を挙げた。この事 業は初期投資額が大きいが、新興国に進出する際は当初の受注量は少な いため、自社で設備投資をするかわりに地元メーカーと手を結んで徐々 に生産を拡大させるようなやり方ができないか、「検討を行っている」 と話した。

アイシン株価の11日終値は前日比2.3%高の2818円。昨年1年間で は21%高だったが、上昇率ではトヨタ株56%や東証1部輸送機器の39% を下回っていた。

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