1月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円が対ドル10年6月来の安値-緊急経済対策で

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで下落。2010年6月以来 の安値を付けた。安倍政権が国費10兆3000億円を費やす緊急経済対策を 決定したことが売りを誘った。

ゴールドマン・サックス・グループの外為アナリスト、トーマス・ ストルパー氏のリポートを好感し、ユーロは上昇した。同氏はユーロが 1年2カ月ぶりの高値に上昇すると予想した。円は週間では9週連続安 と、1989年以降で最長の連続安となった。日銀も景気刺激策を用意して いるとの憶測が背景にある。韓国ウォンはドルに対し、2011年8月以来 の高値に上昇した。同国中央銀行が政策金利を据え置いたことがきっか け。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「安倍政権が緊急経済対策を発 表し、対ドルで円が下げる材料となった。何らかの財政プログラムが予 想されていたが、安倍政権は具体的な内容を示した」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.5%下落し 1ドル=89円18銭。一時は89円45銭と、2010年6月28日以来の円安・ド ル高水準に達した。対ユーロでは1%安の1ユーロ=119円01銭。一時 は2011年5月以来の安値となる119円35銭まで下げた。ユーロは対ドル で0.5%上昇し1ユーロ=1.3343ドル。一時は0.7%上昇し、昨年4月3 日以来の高値となる1.3366ドルを付けた。

ウォンは対ドルで0.5%高の1ドル=1054.69ウォン。韓国中銀は政 策金利である7日物レポ金利を2.75%に据え置くと発表した。

円売り越しの減少続く

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、先物市場で の対ドルの円売り越しは4週連続で減少した。ヘッジファンドや大口投 資家による円の売越幅は8日現在で7万4096枚と、前週の8万517枚か ら縮小した。

大口投資家は対ドルのユーロについて、再び売り越しとなった。前 週は2011年8月以来で初めて買い越しに転じていた。8日現在で8035枚 の売り越し、前週は5126枚の買い越しだった。

ドル指数は79.548と、終値ベースで昨年12月21日以来の水準に低下 した。11月の米貿易赤字が予想外に拡大したことを嫌気した。商務省が 発表した11月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易赤 字(国際収支ベース、季節調整済み)は前月比15.8%拡大し、487億ド ル。昨年4月以来の高水準だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は413億ドルの赤字だった。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)はブルームバーグテレビジョンと のインタビューで、「米経済は最終的に好転すると予想している。その ときは利回りが上昇し、ドルも上げるだろう」と述べた。

日本の対策

日本政府は東日本大震災からの復興・防災対策として3兆8000億円 を充てる。経済成長の促進策は全体で3.1兆円程度。

日銀は21、22日に開く金融政策決定会合で、安倍晋三首相が求める 2%の物価目標を導入する。ただし、達成時期については明記しない。 関係者への取材で明らかになった。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の外国為替戦略の責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロ ンドン在勤)は「円安基調を維持するにはさらにニュースが必要だった が、それが出てきた。日銀は政府の政策スタンスに歩調を合わせ始めて いる。今のところ、考えていることは皆同じだが、問題は円がどこまで 下落するかだ」と指摘した。

原題:Yen Drops to Weakest Since 2010 Amid Stimulus Bets; Euro Gains(抜粋)

◎米国株:ほぼ変わらず、中国CPI加速が圧迫-銀行安い

米株式相場はほぼ変わらず。ウェルズ・ファーゴの決算に反応し 銀行株が下げた。また中国で消費者物価指数(CPI)が予想以上に 上昇し、当局が景気刺激策を弱めるとの懸念が広がった。

S&P500種の業種別24指数では銀行株指数が最大の下げ。ウェル ズ・ファーゴの2012年10-12月(第4四半期)決算では、マージンの縮 小と住宅ローン申請の減少が示された。ボーイングも安い。日本航空保 有機で発生した火災など最新鋭機「787」(ドリームライナー)をめぐ るトラブルを受けて、米連邦航空局(FAA)が調査の実施を発表した ことに反応した。

S&P500種株価指数は前日比ほぼ変わらずの1472.05。ダウ工業 株30種平均は17.21ドル(0.1%)上昇し13488.43ドル。

キーコープのプライベートバンキング部門のチーフ投資ストラテス ト、ブルース・マケイン氏は「中国に関するプラスのニュースは、景気 が回復軌道に乗っているということだ」とした一方、「マイナスのニュ ースは、景気回復が同時にインフレを加速するということだ。米国では 決算に注目が集まるだろう。素晴らしい内容ではないが、今後改善する 可能性は確実にある」と述べた。

シカゴオプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は1%下げて13.36と、2007年6月以来の低水準。週間で は3.4%低下した。

中国CPI

中国の昨年12月のCPI上昇率は市場予想を上回り、7カ月ぶりの 高水準に達した。28年ぶりの厳寒で野菜が値上がりした。また11月の米 貿易赤字は予想外に前月から悪化した。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想では、S&P500種採用 銘柄の第4四半期の利益は平均で2.5%増加したもようだ。実際にこの 増加率だった場合、四半期ベースでは2009年以降で2番目に低い伸びと なる。

S&P500種の業種別10指数では、通信サービスと資本財、金融の 各指数が特に大きく下げた。24銘柄で構成するKBW銀行指数は0.8% 下落。バンク・オブ・アメリカ(BOA)は1.3%安の11.63ドル。シテ ィーグループは1.1%安の42.34ドル。

ウェルズ・ファーゴ

ウェルズ・ファーゴは0.9%値下がりし、35.10ドル。ジョン・スタ ンプ最高経営責任者(CEO)は預金をてこに資金調達コストを下げ、 融資拡大によって利幅の薄さを補おうとしている。同行が住宅ローンと 商業融資の市場シェアを拡大させる中でマージンは低下した。

ブルームバーグのデータによれば、S&P500種に採用されている 金融機関の利益は第4四半期に16%増と、通信サービス関連企業に次い で2番目に大きな伸びだった。

ボーイングは2.5%安の75.16ドル。同社のドリームライナーをめぐ っては、7日に発生した日航機の火災トラブルについて米運輸安全委員 会(NTSB)がすでに調査を実施、出火によりバッテリーが重大な損 傷を受けたと報告した。

原題:U.S. Stocks Little Changed on China as VIX Falls to 5-Year Low(抜粋)

◎米国債:上昇、8カ月ぶり高水準付近の利回りが買いを呼ぶ

11日の米国債市場では10年債が上昇。昨年5月以来の高水準付 近にある利回りが買いを呼び込んだ。

イタリア債入札での旺盛な需要は欧州債務危機が収束しつつある兆 候と受け止められ、米10年債利回りは一時上昇した場面もあった。イタ リア10年債は上昇。同年限のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプ レッド)は2011年7月22日以来で初めて250ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)を下回った。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は、「この利回り 水準で米国債をショートにしようとは誰も考えない」と述べ、「売りは 既に試し済みだ。投資家はロングに傾いている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは3bp下げて1.87%。同年債(表面利 率1.625%、2022年11月償還)価格は1/4上げて97 27/32。30年債利回り は3bp下げて3.05%。

利回り格差

2年債と10年債の利回り格差は1.67ポイントと、昨年5月以来の最 大に迫った。世界の景気回復のペースが加速しているとの楽観から、米 国債の需要が減退した。

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏(ニューヨーク在勤)は、「今週の米国債市場は明るい経済統 計や短期的なイベントリスクを材料に投資家の見方が反転した厳しい展 開だった」と述べ、「週末にかけて多様な短期的イベントリスクに絡ん だ不透明感がある」と続けた。

米財務省は今週、計660億ドルの入札を実施した。8日の3年債入 札(320億ドル)の最高落札利回りは0.385%、翌9日の10年債入札 (210億ドル)の同利回りは 1.863%、10日の30年債入札(130億ドル) の最高落札利回りは3.07%だった。

財務省は28日からの3日間で2年債、5年債、7年債の入札を実施 する。入札規模は24日発表予定。同日には10年物インフレ連動債 (TIPS)の入札が行われる予定だ。

ブレークイーブンレート

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年物のインフ レ連動債(TIPS)利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.54ポ イント。前日は11月2日以来の最高となる2.55ポイントをつけた。過 去10年間の平均値は2.28ポイントとなっている。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エド モンズ氏(ニューヨーク在勤)は「投資家は今も米金融政策がインフレ 気味であってほしいと期待している」と述べ、「景気が示唆することの 大半は、安定化を示唆するもので、さらに回復が進む可能性もある。た だ米連邦公開市場委員会(FOMC)が指摘する緩和解除の水準からは遠 い。この先の道のりは長い」と続けた。

FOMCは12月の会合で、失業率が6.5%を上回り「向こう1-2 年の」インフレ率が2.5%以下にとどまると予想される限り、政策金利 を低水準にとどめると、政策金利の見通しを失業率とインフレ率に関連 付ける方針を初めて示した。

2008年12月以降、米国の失業率は7%を上回っている。11月の失業 率は前月に続き7.8%だった。消費者物価指数(CPI)は11月までの 1年間で1.8%上昇した。

原題:Treasuries Advance as Yields Near Eight-Month Highs Lure Buyers(抜粋)

◎NY金:反落、中国のインフレ加速で刺激策期待が弱まる

ニューヨーク金先物相場は反落。中国の消費者物価指数の伸び率 が市場予想を上回ったことを背景に、同国当局が刺激措置を抑制する との懸念が広がった。

中国の2012年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7カ 月ぶりの高い伸びとなった。中国はインドに次いで世界2位の金購入 国。

RJオブライアン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話取材に対し、「市場は中国 のインフレの数字に反応している」と指摘。「金融システムの流動性が 低下すれば、購入ペースが鈍化する可能性がある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前日比1%安の1オンス=1660.60ドルで終了。中心限月として は4日以来の大幅下落となった。週間では0.7%上昇し、7週ぶりのプ ラス。

原題:Gold Futures Drop as China’s Inflation Jumps to Seven-Month High(抜粋)

◎NY原油:反落、中国のインフレ加速で刺激策抑制を警戒

ニューヨーク原油先物相場は反落。中国のインフレ加速を受けて、 同国の景気刺激策が抑制されるとの見方が強まった。一方、北海ブレン ト原油との価格差はほぼ4カ月ぶりの幅に縮小した。

中国国家統計局が発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI)は 前年同月比で7カ月ぶりの高い伸びとなった。米エンタープライズ・プ ロダクツ・パートナーズとカナダのエンブリッジがシーウェイパイプラ インの拡張を完了し、米国の過剰在庫の行き先が広がったことを手掛か りに、北海ブレント原油との価格差は縮小した。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の 市場調査ディレクター、アディソン・アームストロング氏は電話インタ ビューで、「中国のインフレが加速しているなら、刺激策の余地は限定 される可能性があり、そうなれば同国での原油需要は冷え込むだろう」 と指摘。「大量の原油がメキシコ湾岸に輸送されることになる。ブレン トの価格差はかなり急速に縮まるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比26セント(0.28%)安の1バレル=93.56ドルで終了。週間では0.5% 高と、5週連続の上昇。

原題:Oil Falls on China Inflation Gain While WTI-Brent Spread Narrows(抜粋)

◎欧州株:続落、中国物価と米貿易赤字を警戒-資源株が安い

11日の欧州株式相場は続落。中国のインフレ統計で同国には金融 緩和の余地がないとの懸念が広がった。米貿易赤字が予想に反して悪 化したことも売り材料となった。

英・オーストラリア系鉱山会社、BHPビリトンは2.7%安。英石 油・ガス探査会社、タローオイルは3.2%下げた。2012年に評価損2 億9900万ドルを計上するとの発表が嫌気された。一方、ドイツの経営管 理ソフトウエアメーカー、SAPは1.2%上昇した。法人向けソフトの 大幅刷新が買い手掛かり。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%安の287.08で終了。前週末比 では0.3%下げた。ブルームバーグがまとめたデータによると、指数構 成銘柄の売買高は30日平均を19%上回った。

UBS(チューリヒ)のアセットアロケーション共同責任者、マー ク・アンダーセン氏は電話インタビューで、「中国のインフレ統計がこ の日の株式相場への重しとなった。中国の追加刺激策の規模を抑制する との懸念が広がった」と発言。「世界的に成長が同時に持ち直してお り、これでセンチメントは基本的に前向きとなっている」と続けた。

11月の米貿易赤字は487億ドルに拡大。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想の中央値は413億ドルの赤字だった。前月 は421億ドル。12月の中国インフレ率は2.5%と、エコノミスト予想 の2.3%を上回り、7カ月ぶり高水準となった。

11日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が上昇した。フ ランスのCAC40指数とドイツのDAX指数はそれぞれ0.1%上昇、英 FTSE100指数は0.3%上げた。

原題:European Stocks Fall as Inflation Limits Room for China Easing(抜粋)

◎欧州債:イタリア債4日続伸、順調な入札で-ドイツ債は軟調

11日の欧州債市場ではイタリア国債が4日続伸。50億ユーロ相当 の入札で借り入れコストが低下し、周辺国の国債に需要があることが確 認された。

イタリア10年債の同年限のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(ス プレッド)は2011年7月以来で初めて250ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)を下回った。入札結果を受けて債務危機が和らぎつつあ るとの楽観が強まった。ドイツ国債は下落し、利回りは11週間ぶりの高 水準。欧州中央銀行(ECB)が前日の政策決定会合で政策金利を据え 置き、ドラギ総裁が域内経済は段階的に回復するとの見方を示したこと が背景にある。スペインは同日の入札で目標を上回る資金を調達した。

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)のシニア金利ストラ テジスト、リチャード・マクガイア氏は「リスク意欲は引き続き前向き な状態だ」とし、「リスクオンの動きが続いており、極めて順調だった 前日のスペイン入札がこれを裏付けた。ドラギ総裁の論調で金融市場の 目に見える改善が強調された」と語った。

ロンドン時間午後4時26分現在、イタリア10年債利回りは前日比4 bp低下の4.12%。10年11月以来の水準となる4.09%まで下げる場面も あった。同国債(表面利率5.5%、2022年11月償還)価格は0.295上 げ111.345。ドイツ10年債に対するスプレッドは一時12bp縮小し248b pとなった。

イタリア2年債利回りは1bp低下し1.36%。前日には1.28% と、10年4月以来の低水準を付けた。前週末比では32bp下げた。

ドイツ10年債利回りは前日比2bp上昇の1.58%。一時は1.61% と、昨年10月25日以来の高水準に達した。

英国債市場では、10年債利回りが2bp低下し2.08%となった。前 日は7bp上昇していた。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還) 価格は97.16。

原題:Italian Bonds Gain Fourth Day After Auction; German Bunds Fall(抜粋) Pound Slides for Sixth Day Versus Euro as Manufacturing Falls (抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE