米国債:上昇、8カ月ぶり高水準付近の利回りが買いを呼ぶ

11日の米国債市場では10年債が上 昇。昨年5月以来の高水準付近にある利回りが買いを呼び込んだ。

イタリア債入札での旺盛な需要は欧州債務危機が収束しつつある兆 候と受け止められ、米10年債利回りは一時上昇した場面もあった。イタ リア10年債は上昇。同年限のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプ レッド)は2011年7月22日以来で初めて250ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)を下回った。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は、「この利回り 水準で米国債をショートにしようとは誰も考えない」と述べ、「売りは 既に試し済みだ。投資家はロングに傾いている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは3bp下げて1.87%。同年債(表面利 率1.625%、2022年11月償還)価格は1/4上げて97 27/32。30年債利回り は3bp下げて3.05%。

利回り格差

2年債と10年債の利回り格差は1.67ポイントと、昨年5月以来の最 大に迫った。世界の景気回復のペースが加速しているとの楽観から、米 国債の需要が減退した。

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏(ニューヨーク在勤)は、「今週の米国債市場は明るい経済統 計や短期的なイベントリスクを材料に投資家の見方が反転した厳しい展 開だった」と述べ、「週末にかけて多様な短期的イベントリスクに絡ん だ不透明感がある」と続けた。

米財務省は今週、計660億ドルの入札を実施した。8日の3年債入 札(320億ドル)の最高落札利回りは0.385%、翌9日の10年債入札 (210億ドル)の同利回りは 1.863%、10日の30年債入札(130億ドル) の最高落札利回りは3.07%だった。

財務省は28日からの3日間で2年債、5年債、7年債の入札を実施 する。入札規模は24日発表予定。同日には10年物インフレ連動債 (TIPS)の入札が行われる予定だ。

ブレークイーブンレート

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年物のインフ レ連動債(TIPS)利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.54ポ イント。前日は11月2日以来の最高となる2.55ポイントをつけた。過 去10年間の平均値は2.28ポイントとなっている。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エド モンズ氏(ニューヨーク在勤)は「投資家は今も米金融政策がインフレ 気味であってほしいと期待している」と述べ、「景気が示唆することの 大半は、安定化を示唆するもので、さらに回復が進む可能性もある。た だ米連邦公開市場委員会(FOMC)が指摘する緩和解除の水準からは遠 い。この先の道のりは長い」と続けた。

FOMCは12月の会合で、失業率が6.5%を上回り「向こう1-2 年の」インフレ率が2.5%以下にとどまると予想される限り、政策金利 を低水準にとどめると、政策金利の見通しを失業率とインフレ率に関連 付ける方針を初めて示した。

2008年12月以降、米国の失業率は7%を上回っている。11月の失業 率は前月に続き7.8%だった。消費者物価指数(CPI)は11月までの 1年間で1.8%上昇した。

原題:Treasuries Advance as Yields Near Eight-Month Highs Lure Buyers(抜粋)

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