ヤマハ発:インドに開発拠点設置-インドネシア高依存改善へ

ヤマハ発動機の柳弘之社長は、成長 市場のインドに二輪車向けの開発、製造、調達を行う統合開発センター を設立すると明らかにした。市場に合わせた商品開発やコスト削減を図 ることで、2015年までの中期経営計画期間中にインド市場の収益性を高 めると同時に、インドネシア市場への高依存体質を改善する。

柳社長は「インドの価格水準や市場品質はASEAN(東南アジア 諸国連合)とは違う。そういう水準に合ったものをつくるのが大事だ」 と述べ、インドに新設する統合開発センターで低価格帯の二輪車を迅速 に開発する考えを示した。開発センターは今年4月に稼働を開始し、当 面は開発コストの低減に取り組む。

柳社長はインド市場を「今後の主戦場」と位置付けており、17年に は12年見込み比5.5倍の220万台の二輪車販売を計画している。インド二 輪車需要は12年見込みで1400万台、17年には2000万台と予想している。

一方、ヤマハ発の二輪車販売の最大市場はインドネシアで、12年見 込みで全体の約4割を占めている。昨年はインドネシア政府が導入した ローン頭金規制などで二輪販売が一時、大幅に減少。政策動向によるリ スクをどのようにカバーしていくかが課題となっていた。同社の12年の インドネシア販売は240万台の見込み。

また、インドの統合開発センターで調達した低価格部品や開発商品 については「来年あたりから」世界展開もする計画。ヤマハ発は15年ま での中計期間中に900億円のコストダウンを目指している。柳社長は、 実現に向けて現地開発体制の果たす役割は大きいと述べた。

同社は海外に合わせて5つの開発拠点を持つが、これまでは現地の 生産準備などが主な役割だった。製品そのものを開発する統合開発セン ターの設置は、昨年のタイに続き2番目。中計期間中に現地開発の割合 を現在の5%から30%程度に引き上げる計画。

ヤマハ発は、17年に全製品世界販売台数1200万台、売上高2兆円を 目指している。インドではチェンナイ二輪車新工場(タミル・ナードゥ 州)を建設中で、18年のインド全体の生産能力は年280万台になる。一 方、インドネシアの生産能力は年360万台。

インドネシアでシェア4割へ

柳社長は、インドネシア二輪車市場の需要は今年760万台とみてお り、同社の販売は275万台の計画と明らかにした。同国では今月から新 たなローン規制が実施されているが、ヤマハ発の販売には大きな影響が ないという見方を示した。

また、17年の現地販売目標は330万台で、市場シェア4割を狙うと 述べた。ヤマハ発のインドネシア市場シェアは、10年に45%だった が、11年は39%、12年見込みで34%と減少しており、市場ニーズ多様化 に合わせた商品投入で奪回を狙う。現地ではホンダが二輪車販売を伸ば し、10年に46%だったシェアは、12年見込みで58%程度となっている。

17年の市場別売上高比率について、柳社長はアジアで4割、先進国 3割、中国、インド、ブラジルなどのBRICs諸国で3割程度をみて いると語った。欧州の景気はまだ不透明感が強いが、旗艦車種を投入す る市場として重要であり、事業強化に向け積極的に取り組むと述べた。

1ドル=89円台にまで円安方向に推移していることについては「歓 迎する」と述べた。中期計画は1ドル=80円を前提にしており、業績へ の上振れ影響も期待したいと述べた。

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