債券続伸、5年債利回り9年ぶり低水準に並ぶ-無期限緩和観測で買い

債券相場は続伸。日本銀行による追 加緩和観測を背景に買いが優勢となり、午後に入ると相場は一段高とな った。新発5年債利回りは一時、昨年暮れに記録した9年ぶり低水準に 並んだ。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンド マネジャーは、市場で国債増発のイメージがほぼ固まり、焦点が21、22 日の日銀の追加緩和策に移ったことで中期債を中心に買われたと指摘。 「政府と協定を組むのだからこれまで通りのやり方では許されず、資金 供給の拡大を軸に何らかの合わせ技を出す可能性が高い。日銀にとって は転機になり、緩和策をめぐって来週の相場は大きく動きそうだ」とも 話した。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比8銭安の143円38銭で開 始し、直後に143円34銭まで下落した。しかし、その後は上昇に転じ、 午後に入ると大きく水準を切り上げ、一時は143円88銭と、昨年12月26 日以来の高値を記録。結局は29銭高の143円75銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは同2ベーシスポイント(bp)高い0.84%で開始。直後から水準を切り 下げ、午後の開始後に0.805%と、昨年12月28日以来の低水準を付け た。午後3時前からは0.815%。5年物の107回債利回りは午後に入っ て、一時3.5bp低い0.15%に低下。昨年12月6日に付けた9年半ぶりの 低水準に並んだ。その後は0.165%で推移した。

20年物の141回債利回りは午前に2bp高い1.805%と昨年4月4日以 来の高水準を付けたが、いったんは横ばいの1.785%まで戻し、その後 は1.79%。30年物の37回債利回りは午前に2.5bp高い2.025%と、2011年 8月29日以来の高水準を付けたが、その後は2.015%。

緊急経済対策

メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストは、安倍晋三 政権の日銀に対する圧力から追加緩和が連想されるとし、先物や中期ゾ ーンが買われていると指摘。一方、「物価目標2%となれば長いゾーン は買いづらい。30年債利回りの2%台は需要もありそうだが、連休明け に補正予算の発表も控えて現時点では買いに慎重だろう」とも言う。

政府は11日午前の閣議で、事業規模20.2兆円の緊急経済対策を決定 した。国費は10.3兆円に上り、うち公共事業に5.2兆円を計上。建設国 債を追加発行し、財源を確保する。これに伴い、基礎年金の国庫負担分 約2.6兆円も含めた総額13.1兆円の2012年度補正予算を編成し、15日に 閣議決定する。

11日付の読売新聞は21、22日の日銀金融政策決定会合で、2%のイ ンフレ目標を設定するとともに、その達成が見通せるまで金融緩和を続 けることを検討すると報じた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、各社が追加加緩和の見 通しに傾いているが、一歩踏み込んで無期限緩和を日銀が検討と報じた と指摘した。「基金買い入れの無期限(オープンエンド)化が、インフ レ目標の設定と親和性の高い政策であり、可能性が高いとみてきた」と 分析した。半面、「この決定によって、日銀の緩和に関してもいったん 出尽くし感が醸成されやすくなることは注意が必要だ」とも言う。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、安倍政権のリフレ政策に伴い、日銀もそれなりの政策を実施すると の思惑が出て、「5年債のパフォーマンスは良好」だと話した。

--取材協力:池田祐美. Editors: 山中英典, 青木勝

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