事業規模20.2兆円の経済対策決定-GDP2%上げ、雇用60万人

政府は11日午前の閣議で、事業規 模20.2兆円の緊急経済対策を決定した。国費は10.3兆円に上り、うち公 共事業に5.2兆円を計上。建設国債を追加発行し、財源を確保する。こ れに伴い、基礎年金の国庫負担分約2.6兆円も含めた総額13.1兆円 の2012年度補正予算を編成し、15日に閣議決定する。

対策では、日本銀行による大胆な金融政策と政府による機動的な財 政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「3本の矢」によって、「日本 経済を大胆に再生させ、強い経済を取り戻すことに全力で取り組む」と 強調。円高是正やデフレからの早期脱却のため、大型補正予算と2013年 度予算を合わせた「15カ月」予算で切れ目のない経済対策を実施し、景 気の底割れを回避する姿勢を明確にした。

さらに、政府・日銀の連携を強化する仕組みの構築を明記。「明確 な物価目標の下で、日本銀行が積極的な金融緩和を行っていくことを強 く期待する」と要請した。為替市場の動向については「引き続き注視し 適切に対応する」としている。

安倍晋三首相は対策決定後、記者会見し「デフレ・円高からの脱却 のために政府・日銀の連携による大胆な金融政策が不可欠だ。併せて日 銀が供給したお金を使うことが必要だ」と強調した。

首相はまた、今回の対策はリーマン・ショック時の「臨時異例な対 応」を除けば史上最大規模になると指摘。その上で、「無駄な公共事業 のばらまきを行っているのではないかという批判も耳にするが、それは 違う。安易なばらまきではない。我々は古い自民党から脱皮をした」と 述べた。

建設国債

対策の財源は5兆円超の建設国債のほか、11年度決算剰余金約2兆 円や今年度の既定経費の使い残しなどによってねん出。年金の国庫負担 分は「年金つなぎ国債」(赤字国債)を発行する。これによって補正予 算の国債の追加発行額は8兆円近くまで膨らみ、今年度の国債発行額は 民主党政権時の44兆円を大幅に上回る50兆円台に上る。

政府は今回の予算措置による経済効果について、実質国内総生産( GDP)の押し上げ効果が「概ね2%程度」、雇用創出効果は60万人程 度と見込んでいる。対策には予算を伴わない規制改革や税制改正、金融 資本市場の活性化などの施策も盛り込まれており、これらの具体化によ って「民間投資や消費が喚起され、競争力の強化、所得・雇用の増大を 伴う経済成長が期待される」としている。

外為特会活用した新たな為替施策を検討

対策は「東日本大震災からの復興・防災対策」、「成長による富の 創出」、「暮らしの安心・地域活性化」の3項目が柱。復興・防災対策 として被災地の道路・港湾の整備や老朽化したインフラ補修、学校耐震 化に3.8兆円を充てる。また、地方自治体に1.4兆円を交付することで地 方の費用負担を緩和する。

経済成長の促進策は全体で3.1兆円程度。企業の新事業創出を後押 しし、産業競争力を強化する1500億円規模のファンドを日本政策投資銀 行に創設した。うち1000億円を財政投融資特別会計から貸し付ける。ま た、円高・エネルギー制約下での最新設備や生産技術導入を支援するた め、設備投資費用の一部補助や金融支援に約2000億円を計上した。

円高対策では、国際協力銀行(JBIC)が邦銀などと連携し、中 小企業を含めた日本企業のM&A(企業の合併・買収)案件や、海外投 資を行うファンドへ出資する「海外展開支援出資ファシリティ(仮 称)」(2000億円)の創設に財融特会から700億円程度を出資。また、 「外国為替資金特別会計を活用した新たな為替市場の安定化に資する施 策」について検討する方針も盛り込まれた。

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