米国債:5日ぶり下落、景気回復感が強まる-入札は需要好調

10日の米国債は5日ぶり下落。欧州 中央銀行(ECB)が景気に対してより前向きな見通しを示したほか、 中国で経済成長の兆しが見られたことを受けて、買い意欲が減退した。

この日実施された今年最初の30年債入札(130億ドル)の後で同年 債は一時下げ幅を縮小した。入札では最高落札利回りが3%を上回り、 投資家からの需要は過去の平均を上回った。米金融当局が表明している 毎月450億ドルの国債購入計画を背景に、投資家の間では応札への安心 感が広がった。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「さらなるリスク志向の雰囲気が高まりつつある」 と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇して3.08%。一時は3.10%まで上昇した。10年債利回り は4bp上げて1.89%。

入札結果

30年債入札の最高落札利回りは3.07%と、入札直前の市場予 想3.095%を下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.77倍 と、2011年12月以来の最高と並んだ。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める比率 は37.8%。過去10回の入札の平均は34.4%。プライマリーディーラー (政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の比率は16.7%。過去10 回の平均は15.5%となっている。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は、 「どこから見ても良好な入札だった」と述べ、「利回りが3%を上回っ たことが買い材料となっている」と続けた。

中国の昨年12月の輸出は前年同月比14.1%増加し、5月以来で最 大。輸入は同6%増となった。この統計発表後、米国債は下落した。

ECBのドラギ総裁は10日の政策決定後の記者会見で、今年中に 「緩やかな景気回復が始まる」との見通しを示した。ECBはこの日、 政策金利を過去最低の0.75%に据え置いた。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャ ージー氏(ニューヨーク在勤)は「投資家はより楽観的になっている」 と述べ、「経済統計は素晴らしい内容ではないが、まずまずだ」と続け た。

ジョージ総裁の発言

米カンザスシティー連銀のジョージ総裁は、金融当局による過去最 大規模の景気刺激策は金融不安定化のリスクをもたらし、インフレ高進 を招く恐れがあると述べた。次回米連邦公開市場委員会(FOMC)は29 -30日に開催される。

ジョージ総裁は10日カンザスシティーで講演し、「事実上のゼロ金 利が長期化すれば、この先金融不均衡が生じるリスクが高まり、インフ レ目標の達成を損ねる恐れがある」と述べた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、30年債の投資リターンは今年に入り2.3%のマイナス、昨年は2.5% のプラスだった。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミストを対象にまとめた予想の 中央値によると、30年債利回りは年末までに3.4%に上昇すると見込ま れている。

原題:Treasuries Drop on Speculation Economic Recovery Strengthening(抜粋)

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