NY外為:円、対ドルで2010年以来の安値-安倍首相の報道で

ニューヨーク外国為替市場では円が 対ドルで下落。2010年7月以来の安値を付けた。日本経済新聞の報道が 売りを誘った。同報道によると、安倍晋三首相は日銀に雇用の最大化も 念頭に入れるよう求めた。

円高とデフレからの脱却に向け金融緩和の拡大を求めた安倍首相の 就任以来、円安基調にある。ユーロは対ドルで上昇。5カ月ぶりの大幅 高となった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は域内経済が今年、 徐々に健全性を取り戻すとの見通しを示した。スペイン政府が今年初め て実施した入札では発行額が目標上限を上回り、ユーロ圏の金融危機が 収まりつつあることを示唆した。中国の輸入が増加したことを受け、豪 ドルは5日続伸。

ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ラビ・バラドワジ氏(ワシントン在勤)は電話インタビューで、 「安倍首相が口を開けば開くほど、追加緩和観測や実際の円下落を後押 ししているようだ」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時4分現在、ユーロはドルに対し前日 比1.6%高の1ユーロ=1.3272ドル。昨年8月3日以来の大幅高となっ た。対円では2.6%高の1ユーロ=117円73銭。円は対ドルで1%下落し 1ドル=88円78銭と、2010年7月14日以来の円安・ドル高水準。

円予想の下方修正

モルガン・スタンレーやソシエテ・ジェネラル、シティバンクなど のアナリストが円の見通しを下方修正した。モルガン・スタンレーはリ ポートで、円が対ドルで第4四半期までに100円に下落すると予想し た。従来の予想は90円。ソシエテ・ジェネラルは年末までに97円に下落 する可能性があるとした。従来予想は87円。シティは3月末までに90円 と、従来の87円から引き下げた。

モルガン・スタンレーは年末の対ドルのユーロ予想を1.20ドルか ら1.26ドルに引き上げた。豪ドルについても1豪ドル=1.05ドルと、従 来の0.96ドルから上方修正した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は一時1.1%下げ、昨年9月以来の大幅安となった。

ユーロの支払いをドルに転換するコストの指標となる2年物クロス 通貨ベーシススワップが低下。25ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)と、2011年7月位以来の低水準となった。昨年11月は35bp だった。

チャプデラインFXのマネジングディレクター兼外国為替責任者、 ダグ・ボースウィック氏は電話インタビューで、「2年物ベーシススワ ップは信用という面で米国と欧州の銀行がお互いをどのように見ている かを示す。欧州に関する不安な状況からかなり回復した」と指摘した。

ECB

ECBはフランクフルトで定例政策委員会を開き、短期金利の調節 手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の最 低応札金利を0.75%に据え置くと決めた。ブルームバーグ・ニュースが エコノミスト55人を対象に実施した調査で50人が予想した通りだった。

ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、ECBの措置が経済に浸透 するに伴い、今年中に「緩やかな景気回復が始まる」との見通しを示し た。一方で、景気見通しへのリスクは「下向き」との認識を示した。

英銀スタンダード・チャータード(ニューヨーク)のシニア通貨ス トラテジスト、マイク・モラン氏は「ECBが欧州経済はなお停滞して いるとのハト派的な見解を示すと市場は明白に予想していた。あのよう な前向きなメッセージには全く備えていなかった」と語った。

円は主要16通貨全てに対して下落した。ブルームバーグ・ニュース が入手した日本政府の文書は、日銀に対して「明確な物価目標の下で、 日本銀行が積極的な金融緩和を行っていくことを強く期待する」と明記 している。

原題:Yen Drops to Weakest Level Since 2010 Amid Bets on More Stimulus(抜粋)

--取材協力:Emma Charlton.

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