ECBへの圧力後退で利下げ遠のく-マイナス金利の検討除外

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は今年最初の定例政策委員会で、利下げという厄介な議論に取り組ま なくて済むかもしれない。

信頼感指標の改善に伴い、史上最低水準にある政策金利のさらなる 引き下げをドラギ総裁に求める圧力は弱まっている。主要政策金利を引 き下げれば、中銀預入金利をマイナスに押し下げることで、予期せぬ結 果を招く恐れもある。ブルームバーグが調査したエコノミスト55人のう ち、10日の利下げ決定を見込むのは5人だけで、大部分が現行の0.75% のまま据え置かれると予想している。

ソシエテ・ジェネラルの欧州担当チーフエコノミスト、ジェーム ズ・ニクソン氏(ロンドン在勤)は、「ドラギ総裁の薬は効いている。 経済見通しは改善され、景気も底入れしたようだ。利下げする必要が果 たしてあるだろうか」と指摘する。

ECBは3つの政策金利を平行して動かすのが普通であり、主要政 策金利を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げれば、 現在ゼロの中銀預入金利はマイナス0.25%に低下することになる。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のエ コノミスト、リチャード・バーウェル氏は、「ECB政策委はこのアイ デアを検討した上で退けると決めたようだ。マネー・マーケット・ファ ンド(MMF)業界に回復不能な打撃を与える恐れがあり、一回の利下 げの効果はいずれにしてもごくわずかだろう」と話している。

政治リスク

欧州では今年、イタリアのほか、ドイツ、オーストリア、マルタ、 キプロスで議会選が予定されており、政治リスクがユーロ圏の回復を脅 かす恐れがある。

INGグループ(ブリュッセル)のエコノミスト、カルステン・ブ ルゼスキ氏は、「現在の状況下では、ドイツあるいはイタリアの政治家 は誰も欧州を再び成長軌道に乗せるのに必要な政策を説くことはないだ ろう」と分析している。

ドラギ総裁が10日に政治的・経済的改革進展を再び働き掛ける発言 をするとすれば、利下げがそれほど効果ないことを示すことでその必要 性を訴えるかもしれない。

大和キャピタル・マーケッツのエコノミスト、トビアス・ブラット ナー氏(ロンドン在勤)は、「ECBは月内あるいは近いうちの利下げ が必要だとは考えないだろう」と予想。「ボールは現在間違いなく、政 府サイドにある」と語った。

原題:Draghi Spared as Confidence Mood Swing Quells ECB Rate-Cut Talk(抜粋)

--取材協力:Stefan Riecher.

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