日本株は続伸、海運や素材、輸出買い-円安、中国貿易堅調も

東京株式相場は続伸。日本銀行の追 加金融緩和期待を受けた円安基調の持続、安倍政権の政策による景気、 企業業績押し上げへの期待に加え、中国の貿易の伸びも好感された。海 運株のほか、自動車や精密機器など輸出関連、鉄鋼など素材関連といっ た景気敏感業種が上昇。銀行や保険株も高い。

東証1部の売買高は概算で41億7142万株と、昨年12月19日に付けた 衆院解散以降の上昇相場の最高(40億3441)を更新した。TOPIXの 終値は前日比9.97ポイント(1.1%)高の889.02、日経平均株価は同74 円7銭(0.7%)高の1万652円64銭。

パインブリッジ・インベストメンツの前野達志執行役員は、新政権 は円安誘導と経済成長率引き上げのインセンティブが強く、「上昇相場 はもうしばらく続く」とみている。ただ、これまでの上昇ピッチは速 く、米国の政府支出削減の議論も控え、「これまでよりは相場はペース ダウンする可能性が高い」と予想した。

安倍晋三首相は9日に再開した経済財政諮問会議で、日本銀行の白 川方明総裁に対し、2%の物価上昇率目標の設定をあらためて要請し た。10日付の朝日新聞朝刊によると、21-22日に開かれる金融政策決定 会合で2%の物価目標を導入し、資産買い取り基金の枠を10兆円超増や す案を軸に追加金融緩和を検討している、という。また、安倍首相は10 日、政府・与党でまとめた緊急経済対策の内容について報告を受け、了 承したと共同通信がきょう午前の取引終了後に報じた。

10日の東京外国為替市場のドル・円相場は再び1ドル=88円台、ユ ーロ・円も1ユーロ=115円台に乗せ、前日の東京株式市場終値の87 円50銭前後、114円40銭台に比べ円安方向で推移した。りそな銀行アセ ットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジストによると、「日 銀は円安が十分進行するまで金融緩和をする、とマーケットは認識して きている」という。

中国統計も後押し

中国の貿易統計が市場予想を上回る内容で、同国経済の回復期待が 広がったことも相場の押し上げ要因の一つとなった。日本時間午前11時 に発表された中国の12月の輸出は前年同期比14%増、輸入は6%増と、 いずれもブルームバーグが集計したエコノミスト予想の中央値(5% 増、3.5%増)を上回った。

東証1部33業種では海運、鉄鋼、保険、精密機器、繊維製品、ゴム 製品、銀行、化学、輸送用機器、医薬品など27業種が上昇。上昇率1位 の海運では、ばら積み船の国際運賃市況が前日までに5日続伸してお り、日本郵船や商船三井など大手に加え、個人を中心とした短期資金の 流入から乾汽船、第一中央汽船、飯野海運など中低位株も急伸した。

個別では、高い為替感応度などを理由に、メリルリンチ日本証券が 投資判断を「買い」に引き上げたマツダが急伸。急激な円安による業界 環境の改善を株価はまだ織り込んでいないとし、クレディ・スイス証券 が目標株価を上げたJFEホールディングス、3-11月期の連結営業利 益が前年同期比14%増、期末配当の増額や自社株買いを前日発表したチ ヨダも高い。

優遇税制見直しで日航下げる

一方、空運、証券・商品先物取引、その他金融など6業種は下げ た。下落率1位の空運では、日本航空が午後に急落。自民党税制調査会 の野田毅会長は10日、公的資金で救済された日航が優遇税制を受けてい ることについて、見直しを検討する考えを党本部で記者団に明らかに し、今後の収益水準に及ぼす影響を懸念する売りに押された。

東証1部の売買代金は1兆9713億円、値上がり銘柄数1218、値下が り396。国内新興市場では、ジャスダック指数が1.1%高の57.75と9連 騰、東証マザーズ指数が3.5%高の457.74と6連騰した。

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