債券先物は上昇、投資家需要が支え-30年債入札低調で売り優勢も

債券先物相場は小幅に上昇。円安・ 株高や30年債入札の低調な結果を受けて売りに押される場面もあった が、割安感からの投資家の買いに支えられた。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比5銭安の143円38銭で始 まったが、午前9時すぎには10銭高の143円53銭まで上昇した。その後 はもみ合いが続いたが、30年債入札の結果発表後に下落。午後1時30分 すぎに143円37銭まで下げた。引けにかけては徐々に買いが優勢とな り、結局は3銭高の143円46銭で終えた。

三井住友海上あいおい生命保険の堀川真一経理財務部部長は、30年 債利回りが2%を上回れば投資妙味が出てくるので「入札は弱めだった が、さほど心配はしていない」と発言。ただ、「中長期的な財政規律の 緩みには警戒感が強い」ため、「10年ゾーンまでは日銀の金融緩和に支 えられるものの、超長期に関しては将来の金利上昇リスクがある」とも 語った。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.82%で開始し、直後に1bp 低い0.815%まで下げた。午後1時30分すぎに0.5bp高い0.83%に上昇し たが、5時前には0.82%に低下した。5年物の107回債利回りは横ばい の0.195%で推移した後、4時すぎから1bp低い0.185%に下げた。

入札結果発表が遅延

財務省はこの日、表面利率1.9%の30年利付国債(37回債)入札を 実施。事務トラブルのため、結果の発表が午後1時18分前後と通常の午 後零時45分より遅れた。

入札結果によると、最低落札価格は98円15銭と市場予想を10銭下回 った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は16 銭となり、2011年6月以来の水準に拡大。投資家の需要の強さを示す応 札倍率は3.52倍と5カ月ぶりの低水準となった。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、30年債入札に ついて「利回りが2%に乗ればと思っていたが、それを下回り、多少需 要が減退したもよう」だと指摘した。

こうした中、超長期債は入札後に軟調に転じる場面があった。30年 物の37回債利回りは午前は1bp低い1.99%だったが、入札結果を受けて 2時30分すぎには0.5bp高い2.005%に上昇。8日に付けた約1年4カ月 ぶり高水準の2.01%に迫った。3時前からは横ばいの2.00%。20年物 の141回債利回りも1時ごろまでは1bp低い1.775%だったが、2時前に は1bp高い1.795%に上昇する場面があった。その後は横ばいの1.785% で推移している。

円相場は軟調。対ドルで一時1ドル=88円22銭と、4日に付けた約 2年半ぶり安値88円41銭に近づいた。円はユーロに対しても1ユーロ =115円14銭まで下げた。日経平均株価は前日比74円7銭(0.7%)高の 1万652円64銭。

--取材協力:赤間信行、池田祐美. Editors: 山中英典, 青木 勝

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