1月9日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が反落、安倍首相が2%物価目標をあらためて要請

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで3日ぶりに下落。安倍 晋三首相が日銀の白川方明総裁に対し、2%の物価目標を設定するよう 求めたことが円売りを誘った。

メキシコ・ペソとニュージーランド(NZ)ドルはリスク選好の高 まりを背景に上昇した。円は主要16通貨全てに対して下落。白川総裁が 経済財政諮問会議での意見を踏まえ金融政策に取り組むと発言したと伝 わり、金融緩和を拡大するとの見方が強まった。欧州中央銀行 (ECB)政策委員会の会合を10日に控え、ユーロは対ドルで続落。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「依然として円安バイアスが掛かっている。市 場は全般に日銀と物価目標の引き上げになお注目している。それが引き 続き円売りになっている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.9%下落し 1ドル=87円88銭。対ユーロでは0.8%安の1ユーロ=114円81銭。ユー ロはドルに対し0.1%安の1ユーロ=1.3064ドル。一時は1.3037ドルま で下げたが、1.30ドルを割り込まなかったことから下げ渋った。

ユーロが前回、1.30ドルを割り込んだのは昨年12月12日で、その後 は上昇し、同月19日には1.3308ドルと8カ月ぶりの高値を付けた。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「1.30ドルを割り込まず、反発 するというのは最近の一貫した特徴だ」と述べた。

メキシコ・ペソは全ての主要通貨に対して上昇。NZドルは対ドル で0.4%高となった。

ユーロの対円相場

クレディ・スイス・グループのテクニカルアナリスト、シリン・ベ イン氏(ロンドン在勤)は顧客向けリポートで、ユーロが対円で主要な 上値抵抗線に近づいているものの、ほぼ1年9カ月ぶりの高値に上昇す る可能性があると指摘した。

同氏によると、ユーロは対円で昨年7月に12年ぶりの安値を付けた 後、上向きの修正局面にあり、113円50銭を超えて勢いが付き、116円02 銭を試す可能性が高い。その水準を超えると、2011年4月以来の高値水 準となる121円94銭に達する可能性があるという。

円は主要通貨に対して下落した。安倍首相は経済財政諮問会議で白 川総裁に物価目標引き上げをあらためて要請した。同諮問会議は民主党 政権下では活動を休止していた。内閣府によると、会議の議事録は3日 後に公表される。

「円は一段安に」

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、フ ァビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は「円は一段安になるだ ろう。日銀の会合では追加緩和が決定されると思う。そして引き続き円 安につながるだろう」と語った。

日銀は先月の金融政策決定会合で、1月21、22日の次回会合で中長 期的な物価の安定について検討を行うと表明。麻生太郎財務相は先週、 政府と日銀の協力がデフレからの脱却に不可欠であるとの認識を示し た。白川総裁の5年の任期は4月8日に終了する。

ブルームバーグがアナリスト55人を対象にまとめた調査によると、 予想中央値でECBは10日に主要政策金利を過去最低の0.75%で維持す るとみられている。5人は0.5%への利下げを予想した。

原題:Yen Drops on Call to Double Japan’s Inflation Goal; Peso Climbs(抜粋)

◎米国株:3日ぶり反発-第4四半期決算めぐり楽観的な見方広がる

米株式相場は反発。企業の10-12月(第4四半期)決算をめぐり楽 観的な見方が広がり、3日ぶりに上昇した。

アルコアは下落。一時は2.5%高を付ける場面もあった。同社が前 日発表した決算では、売上高が市場予想を上回った。ハードディスク装 置(HDD)メーカーのシーゲイト・テクノロジーは上昇。売上高(暫 定値)が従来見通しを上回った。栄養補助食品メーカーのハーバライフ も高い。ダニエル・ローブ氏率いるヘッジファンド運用会社サード・ポ イントは、ハーバライフの株式8.2%を取得した。バンク・オブ・アメ リカ(BOA)は値下がり。クレディ・スイス・グループの投資判断引 き下げに反応した。

S&P500種株価指数は前日比3.87ポイント(0.3%)高 の1461.02。ダウ工業株30種平均は61.66ドル(0.5%)上げて13390.51 ドル。

オークブルック・インベストメンツ(イリノイ州)の共同最高投資 責任者(CIO)として30億ドル相当の資産運用に携わるピーター・ジ ャンコブスキス氏は電話取材で、「アルコアの決算で良いスタートが切 れた」と指摘。その上で、「今後は利益の伸びは若干厳しくなるだろ う。指標となる企業で多少とも好調な決算が出れば、確実に相場の押し 上げ材料となる」と述べた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、S&P500種採用銘柄 の第4四半期の利益は平均で2.9%増加したもようだ。実際にこの増加 率だった場合、四半期ベースでは2009年以降で2番目に低い伸びとな る。

S&P500種の業種別10指数では6指数が上昇。ヘルスケア関連や 産業株の上げが目立った。一方で最も下げたのは電話株と公益株だっ た。ダウ輸送株平均は1%上昇し、2011年7月以来の高水準となった。

ボラティリティ指数

シカゴオプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は1.4%上昇の13.81。一時13.22と日中ベースでは07年 以来の低水準となる場面もあった。同指数は過去6営業日で40%低下し ている。

ミラー・タバクのチーフテクニカルアナリスト、ジョナサン・クリ ンスキー氏は「投資家はこの低ボラティリティの状況を、ポートフォリ オ保護のための買いの好機と捉えている」と分析した。

ダウ平均の構成銘柄で最初に決算を発表したアルコアは0.2%安 の9.08ドル。中国と米国の需要増などを背景にアルミ価格は上昇基調に ある。アルコアによると、世界のアルミ需要の伸びは13年に7%に加速 する見通し。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先月18日、ア ルコアの格付けを引き下げ方向で見直すと発表しており、アルコアは投 資不適格級への格下げ回避を目指している。

シーゲイト、BOA

シーゲイト・テクノロジーは6.6%高の33.48ドルと、S&P500 種で値上がり率トップ。同社は、12年10-12月(第2四半期)の売上高 (暫定値)が36億ドル以上に増加し、これまでの見通しの35億ドルを 上回ったことを明らかにした。ハーバライフは4.2%高の39.95ドル。

24銘柄で構成するKBW銀行指数は0.7%下落。BOAは4.6%安 の11.43ドルだった。クレディ・スイスはバリュエーションを理由に BOAの投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に引き 下げた。

原題:U.S. Stocks Advance Amid Optimism About Fourth-Quarter Earnings(抜粋)

◎米国債:4日続伸、10年債入札は不振ながら利回り上昇で投資妙味

9日の米国債は4日続伸。今年初の10年債入札では需要が予想に届 かなかったが、入札後の利回り水準を受けて、買いが入った。

10年債入札(発行額210億ドル)の結果によると、投資家の需要を 測る指標の応札倍率は2.83倍と、過去10回の平均値である3倍を下回 った。入札後の10年債利回りは8カ月ぶり高水準付近から低下した。プ ライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の 落札全体に占める比率は14.8%と、前回12月時点の42.7%から低下し た。

野村ホールディングスの金利戦略責任者ジョージ・ゴンキャルベス 氏(ニューヨーク在勤)は、「投資家は入札後に10年債を購入した」と 述べ、「最近は直接入札者による応札が積極的だが、その規模は不透明 だったので、入札前の投資家はかなり慎重な姿勢だった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、既発10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)低下して1.86%。同年債(表面利率1.625%、2022年 11月償還)価格は3/32上昇して 97 29/32。

利回りは先週20bp上昇し、4日には 1.97%と、昨年4月26日 以来の高水準をつけた。

「入札への意欲が抑えられた」

米ナビゲート・アドバイザーズのマネジングディレクター、トーマ ス・ディガロマ氏は「10年債の入札は投資家の予想をやや下回る結果だ った」と述べ、最近の米国債の上昇が「入札に対する意欲をある程度抑 えた可能性がある」と続けた。

直接入札者からの需要低下は昨年8月の入札でも見られた。前回7 月に45.4%の過去最高を記録したものの、8月の直札入札者の比率 は5.2%まで落ち込んだ。

前日の3年債入札では直接入札者の落札全体に占める比率は前回に 続き過去最高を更新した。

BNYメロン(ニューヨーク)の資本市場部門で米国債トレーディ ングの責任者を務めるダン・マルホランド氏は、「直接入札者の比率変 動はディーラーの間ではワイルドカードとなっている。それがこの日の 入札では見られなかった」と述べ、「入札前にかなり買いが入った。恐 らくショートカバーだろう」と続けた。

間接入札者

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める比率は28.5% と、過去10回の平均値(38.1%)を下回った。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、10年債リターンは年初から1.1%のマイナス。米国債全体では

0.6%のマイナス。昨年の10年債リターンは4.2%、米国債全体で は2.2%だった。

2年債と10年債の利回り格差は1.62ポイントと、昨年5月以来で 最大となった4日の1.69ポイントから縮小した。

米財務省は10日に30年債(130億ドル)の入札を実施する。今週 の入札規模は計660億ドル。

原題:Treasury Yields at Almost 8-Month High After 10-Year Note Sale(抜粋)

◎NY金:反落、ドル上昇で代替需要が後退-終値1655.50ドル

ニューヨーク金先物相場は反落。ドルの上昇を背景に、代替投資と しての金買いが鈍った。

ドルは主要6通貨のバスケットに対して一時0.4%高。10日には欧 州中央銀行(ECB)の政策委員会が開かれる。先週発表された米連邦 公開市場委員会(FOMC)議事録で債券購入プログラムが年内に終了 する可能性が示されたことを背景に、金先物は4日、4カ月ぶり安値を つけた。

ビジョン・ファイナンシャル・マーケッツ(シカゴ)の金属トレー ディング担当ディレクター、デーブ・メーガー氏は電話インタビューで 「きょうはドルの動きが金相場の下押し圧力となっている」と指摘。 「FOMCの見解に対してもやや神経質になっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前日比0.4%安の1オンス=1655.50ドルで終了した。

原題:Gold Futures Drop in New York as Stronger Dollar Crimps Demand(抜粋)

◎NY原油:ほぼ変わらず、在庫増が重しも株高が支え

ニューヨーク原油先物相場はほぼ変わらず。米エネルギー省の統 計で原油と燃料の在庫急増が示されたが、この日は景気に対する楽観 から株式相場が上昇したことから、原油相場は一進一退の展開となっ た。

エネルギー省の発表によると、先週の原油在庫は131万バレル増加 の3億6130万バレル。生産は1993年以来の高水準に達した。原油とガ ソ

リン、留出油合わせた増加幅は1550万バレルと、1996年以来の最大と な

った。S&P500種株価指数が堅調に推移したことを背景に、原油は日 中の安値から持ち直した。

マニュライフ・アセット・マネジメントで天然資源関連の債券ポー トフォリオを運用するシニアマネジングディレクター、アダム・ワイズ 氏は「市場では大量の在庫がだぶついている」と指摘。「あまりニュー スがない中で、原油の需給要因は無視し難い」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日比 5セント(0.05%)安の1バレル=93.10ドルで終了した。

原題:Oil Is Steady as U.S. Inventories Increase While Equities Gain(抜粋)

◎欧州株:上昇、11年2月以来高値-アルコア好調で米決算を楽観

9日の欧州株式相場は2011年2月以来の高値を付けた。決算シーズ ンが始まった米国で、米アルミ生産最大手アルコアの売上高が市場予想 を上回ったことが好感された。

イタリアの電話会社、テレコム・イタリアを中心に通信銘柄が高 い。携帯電話事業者が欧州域内でのインフラ共有を協議したと伝えられ たことが買い材料。英アビバが保有株を売却したオランダの保険会社デ ルタ・ロイドは6.6%上昇。鉄鋼のアルセロール・ミタルは2.5%安。 債

務圧縮のため、株式と強制転換社債を発行し約35億ドルを調達する計画 を発表した。

ストックス欧州600指数は前日比0.7%高の288.22で引けた。こ れは 終値ベースでは11年2月18日以来の高値。

クロスブリッジ・キャピタルの投資責任者マニシュ・シン氏(ロン ドン在勤)は「アルコア決算は好調で、特に売上高や業績見通しのほ か、中国需要が持ち直しつつあるとの指摘も良かった」と述べ、「米企 業決算は恐らく予想を上回るだろう。これが欧州株への追い風となる」 と語った。

この日の西欧市場では18カ国中16カ国で主要株価指数が上昇した。

英国株も上昇し、指標のFSTE100指数は0.7%高の6098.65で 終

了。終値としては08年5月22日以来の高値を付けた。年初来では

3.4% 上げている。

原題:Europe Stocks Advance to 22-Month High on U.S. Earnings Optimism(抜粋) 原題:U.K.’s FTSE 100 Climbs to Highest Since 2008; Vodafone Rallies(抜粋)

◎欧州債:ポルトガル債が下落、発行めぐる観測で-ドイツ債は堅調

9日の欧州債市場ではポルトガル国債が下落し、2年債利回り は5週間ぶり大幅上昇となった。同国が救済受け入れ後初めて国債を 発行するとの観測が広がった。8日にはアイルランドが銀行シンジケ ート団方式で3年ぶりに国債25億ユーロ相当を発行している。

国債供給量が増えるとの懸念を背景に、ポルトガル2年債は4日 連続で値下がりした。ドイツ10年債は3日続伸。同国では11月の 鉱工業生産が市場予想を下回る伸びとなったことから、域内で最も安 全とされるドイツ債の需要が高まった。ドイツはこの日、5年債入札 を行った。入札を翌日に控えたスペインの国債は軟調。

ダンスケ銀行の国債トレーディング責任者、ソーレン・モルク氏 (コペンハーゲン在勤)は「銀行団を通じて国債を発行したアイルラ ンドに追随するとの観測」からポルトガル債は下落したと述べ、「下 落した際に購入することを投資家に勧める」と語った。

ロンドン時間午後4時26分現在、ポルトガル2年債利回りは前 日比11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

3.90%。一時は43bp上昇し、昨年11月30日以降で最大の上 げとなった。同国債(表面利率3.6%、2014年10月償還)価格 は0.185下げ99.525。

ポルトガル10年債利回りは3bp上げ6.49%。11月9日以 降で最大となる24bp上昇する場面もあった。ブルームバーグの集 計データによると、ポルトガルが最後に実施した2011年1月12 日の10年債入札で、平均落札利回りは6.72%だった。

ドイツ10年債利回りは前日比1bp低下の1.48%。前日まで の2営業日で4bp下げていた。4日には1.56%と、昨年10月 26日以来の高水準に達した。

英国債相場は前日からほぼ変わらずで、10年債利回りは

2.03%となった。一時は2bp下げた。同国債(表面利率1.75%、 2022年9月償還)価格は97.595。

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