サントリー:野村を主幹事起用へ、子会社IPO-2月にも上場申請

国内ウイスキー最大手のサントリー ホールディングスは、主力飲料子会社の新規株式公開(IPO)につい て、野村ホールディングスなどを主幹事に起用する見通しだ。

複数の関係者によれば、サントリー食品インターナショナルは2月 にも東京証券取引所に上場申請を行う計画。調達額は3000億-5000億円 になる見通し。上場は年内だが、今年前半になる可能性もあるという。

この案件は、今年に予定されている国内企業の新規公開で最大規模 になる公算だ。日経平均株価は直近3カ月間で約20%上昇しており、上 場後のサントリー食品の時価総額は6000億円から1兆円に達する可能性 がある。野村は昨年、企業の公募増資に絡むインサイダー取引に関与し ていた問題が明るみに出て日本航空(JAL)のIPOの際、グローバ ルコーディネーターから除外されており、その後大規模案件の獲得に注 目が集まっている。

T&Cフィナンシャルリサーチ日本株調査部の田中一実アナリスト は「大きなグローバルオファリングになる」とし、「野村やその他の金 融機関は引き受け手数料のみならず、その後生じるであろうM&A(企 業の合併・買収)でのアドバイザリーフィーなども視野に、何とかディ ールに食い込みたいと考えている」と述べた。

サントリーの相場康則専務は9日、記者団にサントリー食品の上場 時期について「夏ぐらいにやりたいと聞いているが、東証が決めること なので、何とも言えない」と述べた。ただ上場申請の時期や主幹事選定 などについてはコメントを避けた。同社広報担当の津田奈央子氏と野村 HD広報担当の山下兼史氏は、ともにブルームバーグ・ニュースの取材 に対し、コメントを控えた。

野村株は9日午後、報道で主幹事起用の見通しが伝わると最大 で4.8%上昇し、17円(3.5%高)の500円で取引を終えた。

オランジーナなど買収

サントリーは先月、同子会社の中期経営計画(2013-15年)を発表 し、海外を含めたM&Aを積極化する方針を示した。1月には戦略開発 部をサントリー食品に新設。東南アジアやアフリカなど新興市場での M&Aも積極化する。

中期計画では、売上高の成長目標として12年との比較で年平均5% 以上を目指すことを掲げた。サントリー食品の11年12月期の売上高 は9706億円と、サントリー全体の売上高1兆8028億円の5割以上を占め ている。

サントリーは、グループ戦略としてこれまで海外で、ニュージーラ ンドの飲料会社フルコアや仏飲料会社オランジーナ・シュウェップスな どを買収したほか、ベトナムで米ペプシコと資本提携を結んだ。

また先月、米ウイスキー2位のビーム社の買収を検討していること も明らかになった。ビームはイリノイ州を拠点とするウイスキーメーカ ーで「ジムビーム」や「メーカーズマーク」など銘柄のウイスキーを製 造・販売している。海外の優良ブランドを傘下に収めることで、ウイス キー事業世界展開を強化したい考えだ。

引き受け手数料

大和証券グループ本社は、JALのIPOでグローバルコーディネ ーターを務めた。JAL関連の引き受け手数料やリテール業務での委託 手数料などで55億円の収益があったという。

野村はJALの主幹事は逃したものの、12年の日本企業関連の株式 引き受けランキングでは首位についた。全日本空輸(ANA)など44の 案件に携わっている。

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