円全面安、政府・日銀のデフレ対策に期待感-対ドル87円半ば

東京外国為替市場では円は朝方に買 いが先行した後、全面安の展開に転じ、対ドルでは1ドル=87円台半ば まで水準を切り下げた。安倍晋三政権と日本銀行によるデフレ脱却策へ の期待が根強く、再び円売り圧力がかかった。

ドル・円相場は急速な円安進行への警戒感などを背景に、一時86 円83銭と4営業日ぶりの水準まで円高が進行。その後、円の上値は限定 され、午前の取引で87円55銭まで押し戻された。午後3時35分現在は87 円45銭付近で推移している。

みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト、 唐鎌大輔氏は、欧米情勢が落ち着いているという要因もあるが、それだ けでは昨年9月の円高値から10円以上の円安進行は説明しきれず、「政 権への期待でしか説明できない」と指摘。今月の日銀会合では、政府と 日銀が物価目標を共有するスタンスが示される見通しで、緩和継続観測 を背景に海外勢を主体に円が売られていると説明している。

円は主要16通貨に対して全面安。対ユーロでは朝方に付けた昨年12 月31日以来の高値1ユーロ=113円56銭から、114円52銭まで下押しされ た。午後3時35分現在は114円44銭付近で取引されている。

日銀の積極緩和に期待感

安倍政権は8日、経済政策の司令塔として新設した「日本経済再生 本部」の初会合を開き、首相が「10年以上にわたるデフレからの脱却、 これへの取り組みというのは人類史上歴史的な取り組みだ」との決意を 表明。その上で、緊急経済対策を踏まえた12年度補正予算案を早期に取 りまとめるほか、新たに設置した産業競争力会議で「野心的な成長戦 略」を今年半ばをめどに作成する方針を示した。

そうした中、21、22日には日銀の金融政策決定会合が予定されてい る。8日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、日銀の白 井さゆり審議委員は7日に同紙とのインタビューで、安倍首相が求める 物価目標について、金融政策運営上の柔軟性が確保されれば、前向きに 応じていく姿勢を示した。

三井住友銀行市場営業部ニューヨークトレーディンググループのグ ループ長、柳谷政人氏(ニューヨーク在勤)は、日銀の積極的な追加緩 和に期待が集まっているのは事実で、円安の方向性は変わっていないと みる。

一方、格付け会社フィッチ・レーティングスのアンドルー・カフー ン氏は、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、安倍政権下 で「説得力のある財政再建計画」がなければ、日本の格下げを検討する ことを明らかにしている。

--取材協力:大塚美佳、Monami Yui、小宮弘子. Editors: 青木 勝, 崎 浜秀磨

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE