クリアワイヤにディッシュが対抗買収案-スプリント上回る額

米無線通信会社クリアワイヤは、米 ディッシュ・ネットワークから米スプリント・ネクステルの提示額 を11%上回る対抗買収案を受けた。クリアワイヤは先月、スプリントに 1株2.97ドルで買収されることに同意していた。

クリアワイヤは8日の発表資料で、ディッシュは1株3.3ドルでの 発行済み株式取得を提案したと説明した。現在はスプリントがクリアワ イヤの過半数株式を握っている。クリアワイヤの取締役会はディッシュ と提案について協議する予定だが、スプリントからの提案を再考する決 定は下していない。ディッシュの提示額に基づくクリアワイヤの企業価 値は約50億ドル(約4370億円)。

衛星放送サービスを手掛け、携帯電話への事業拡大を目指すディッ シュは、無線事業での野心的な目標達成に向けクリアワイヤの周波数帯 の活用を狙う。買収計画の一環として、ディッシュはクリアワイヤの周 波数帯の24%を約22億ドルで譲り受ける提案も行った。ディッシュによ る買収の実現には、クリアワイヤ株主が持ち分の少なくとも25%を売却 することが必要で、スプリントが参加するかどうかには左右されない。

ディッシュのジョセフ・クレイトン最高経営責任者(CEO)は8 日のブルームバーグテレビの番組「ブルームバーグ・ウェスト」でのイ ンタビューで、同社は「ビデオを提供するのと同じやり方で、無線通信 によるビデオ・音声・データ」の提供を目指すと語った。

「完全買収は不可能」

レコン・アナリティクスのアナリスト、ロジャー・エントナー氏 は、スプリントが過半数株式を所有していることからクリアワイヤの完 全買収は不可能だろうと指摘した上で、好戦的な資産家、チャーリー・ アーゲン氏が創設したディッシュは単に「壊し屋」の役割を果たそうと しているだけかもしれないと述べた。

たとえそうだとしてもクリアワイヤはディッシュの提案を検討する 必要があると、BTIGリサーチのウォルター・ピエシク氏は指摘す る。「アーゲン氏はより好条件であることが明らかな提案をしたので、 クリアワイヤの特別委員会は責務を果たし、同案の評価を行わなければ ならない」と語った。

クリアワイヤ株の8日終値は0.7%高の2.92ドル。昨年1年間で は49%上昇した。ディッシュの提示額は8日終値を13%上回る水準。

スプリントは先月、クリアワイヤの全株式を取得することを決め た。1株2.97ドルの買収案は、ソフトバンクの承認が必要だった。ソフ トバンクは昨年10月、スプリントの株式70%を約200億ドルで取得する ことで合意した。事情に詳しい関係者は当時、ソフトバンクは1株2.97 ドルを超えるクリアワイヤ買収額を承認しないだろうと述べていた。

ピエシク氏は、スプリントが提示額の引き上げを検討する場合はこ の条件が試されることになると指摘。「ソフトバンクのスプリントに対 する関心では、クリアワイヤが重要な要素だったとのわれわれの考えは 変わらない」と説明した。

原題:Clearwire Gets Unsolicited Dish Counterbid to Sprint Offer (1)(抜粋)

--取材協力:Serena Saitto、Alex Sherman、Jonathan Erlichman、Olga Kharif.

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